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中途採用の面接で好印象を与える履歴書の正しい渡し方とマナー

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面接における履歴書の渡し方は第一印象を左右する重要な所作です

中途採用の選考プロセスにおいて、面接当日に履歴書や職務経歴書を持参するケースは少なくありません。事前に郵送やデータ送付をしている場合でも、原本の確認や面接官の手元資料として持参を求められることがあります。このとき、単に書類を渡せばよいというわけではなく、社会人としてのビジネスマナーに則ったスマートな渡し方が求められます。

書類の渡し方一つで、応募者の細やかな配慮や仕事に対する丁寧な姿勢が伝わります。逆にもたついたり、雑な渡し方をしてしまったりすると、ビジネススキルに不安を持たれてしまう可能性もあります。面接は入室した瞬間から始まっており、書類の受け渡しという何気ない動作も評価の一部となっていることを意識する必要があります。ここでは、中途採用の面接において、採用担当者に好印象を与える履歴書の正しい渡し方と、状況に応じた適切な対応について解説します。

面接官に直接手渡す場合は封筒から出して渡すのが基本ルールです

面接室に入室し、面接官と対面して直接履歴書を渡す場面では、封筒から書類を取り出して渡すのが基本的なマナーです。封筒に入れたまま渡してしまうと、面接官が中身を取り出す手間をかけることになります。相手の手間を省き、すぐに書類を確認できるように配慮することが大切です。

具体的な手順としては、まず封筒から履歴書と職務経歴書が入ったクリアファイルを取り出します。そして、空になった封筒の上にクリアファイルを重ねます。このとき、書類が相手から見て正しい向き(文字が読める向き)になるように持ち替えます。最後に、封筒と書類を両手で持ち、面接官に差し出します。片手で渡すのは失礼にあたりますので、必ず両手を添えるように心がけます。机越しで距離がある場合は、無理に手渡ししようとせず、机の上に置くように指示されることもありますが、その際も相手が読みやすい向きに整えて置くのがマナーです。

受付で提出を求められた場合は封筒に入れたまま渡します

企業の規模や選考フローによっては、面接官ではなく受付のスタッフに履歴書の提出を求められることがあります。この場合は、面接官に渡すときとは異なり、封筒に入れたまま渡すのが一般的です。受付では書類の中身を確認するわけではなく、お預かりして担当者に渡すという役割を担っているため、中身が飛び出したり汚れたりしないように封筒に入った状態の方が扱いやすいからです。

受付で渡す際も、封筒の向きを相手が見やすい方向に変え、両手で丁寧に差し出します。その際に「履歴書を持参いたしました。よろしくお願いいたします」と一言添えると、より丁寧な印象を与えることができます。また、封筒の表面には「履歴書在中」と記載し、裏面には自分の住所と氏名を記入しておくことで、誰の書類かがすぐに分かり、紛失などのトラブルを防ぐことができます。状況に応じて、出すべきか入れたままにすべきかを瞬時に判断する柔軟性が求められます。

書類を保護するクリアファイルと封筒の役割

履歴書を持参する際には、書類が折れたり汚れたりしないように細心の注意を払う必要があります。そのために必須となるのがクリアファイルと封筒です。履歴書や職務経歴書は、そのまま封筒に入れるのではなく、透明なクリアファイルに挟んでから封筒に入れます。これにより、雨の日の湿気や鞄の中での摩擦から書類を守ることができます。

面接官に渡す際も、クリアファイルに入った状態であれば、書類がバラバラにならず、受け取る側も扱いやすくなります。使用するクリアファイルは無色透明で清潔なものを選び、使い古して傷がついているものや、キャラクターなどの柄が入っているものは避けます。封筒についても、履歴書を折らずに入れられる「角形2号」の白色封筒を使用するのがビジネスの場では適切です。茶封筒は事務的な郵便物に使われることが多いため、応募書類には白封筒を選ぶのがマナーです。

渡すタイミングと言葉添えでコミュニケーションを円滑にする

履歴書を渡すタイミングは、基本的には面接官から「履歴書をお願いします」と指示があった時です。指示がない場合でも、挨拶が終わり着席する前や、面接の冒頭で「履歴書はいかがいたしましょうか」と自分から尋ねることで、スムーズに受け渡しを行うことができます。鞄の中からガサガサと探すことがないよう、すぐに取り出せる場所に準備しておくことも重要です。

渡す際には無言で差し出すのではなく、必ず言葉を添えます。「こちらが私の履歴書と職務経歴書です。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」と感謝の言葉と共に渡すことで、面接官とのコミュニケーションが円滑にスタートします。また、書類に不備がないか、写真が剥がれていないかなどを渡す直前にさりげなく確認する余裕を持つことも大切です。

予期せぬ事態に備えて予備を持参するリスク管理

面接当日は何が起こるか分かりません。移動中の雨で封筒が濡れてしまったり、緊張して飲み物をこぼしてしまったりする可能性もゼロではありません。また、面接官が複数名いる場合に、手元の資料が不足しているというケースも稀にあります。そのような事態に備えて、提出用の履歴書とは別に、予備のコピーやセットを持参しておくと安心です。

もし面接官の手元に資料がない様子であれば、「予備がございますので、よろしければご覧ください」とさっと差し出すことができます。こうした機転の利く対応は、リスク管理能力が高いという評価につながります。中途採用では、不測の事態にも落ち着いて対応できる大人の余裕が求められます。万全の準備をして臨むことが、自信を持った振る舞いを生み出し、結果として良い選考結果を引き寄せることになります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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