ひとり親の履歴書志望動機!「子育て」を「責任感」という武器に変える書き方と例文集
ひとり親(シングルマザー・シングルファザー)として仕事を探す際、履歴書の志望動機をどのように書けばよいのか悩む方は少なくありません。「子供がいると敬遠されるのではないか」「残業ができないことをどう伝えたらいいか」といった不安から、どうしても消極的な内容になってしまったり、逆に「生活のためにどうしても働きたい」という必死さが前面に出すぎてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、採用担当者にとってひとり親であることは、必ずしもマイナス要素ではありません。むしろ、「家族を支える強い責任感がある」「長く安定して働いてくれそうだ」というポジティブな評価につながることも多々あります。
ここでは、ひとり親の方が書類選考を突破し、自信を持って面接に進むための志望動機の書き方と、状況別の具体的な例文について詳しく解説します。
ひとり親の転職は不利?採用担当者が志望動機で見ている本音
まず、採用担当者がひとり親の応募者に対してどのような懸念と期待を抱いているのかを理解しておきましょう。
懸念点:急な欠勤や残業への対応
企業側が最も心配するのは、「子供の病気などで急に休むことが多いのではないか」「残業や休日出勤に対応できないのではないか」という点です。こればかりは事実としてある程度仕方がない部分ですが、志望動機の中で「権利ばかりを主張する(休みが欲しい、残業できない)」姿勢が見えると、採用は遠のきます。
期待点:高い就労意欲と定着性
一方で、ひとり親の方には「自分が大黒柱として稼がなければならない」という強い覚悟があります。そのため、仕事に対して真面目に取り組み、簡単に辞めずに長く定着してくれるだろうという期待も持たれています。この「責任感」と「覚悟」を志望動機でしっかりと伝えることができれば、懸念点を払拭し、強力なアピールポイントに変えることができます。
「生活のため」を好印象に変える!ひとり親ならではのアピールポイント
「生活費のために働きたい」「安定した収入が欲しい」というのは切実な本音ですが、そのまま書いてしまうと「条件さえ良ければどの会社でもいいのか」と思われてしまいます。以下の変換テクニックを使って、ビジネスライクな意欲へと昇華させましょう。
1. 「生活のため」→「長く腰を据えて貢献したい」
生活の安定を求めていることは、「長く勤めたい(早期離職しない)」という定着意欲の裏返しです。
- 言い換え例: 「家族の生活基盤を支えるため、安定した経営基盤を持つ貴社で、腰を据えて長く業務に貢献したいと考えております。」
2. 「子供がいるから」→「限られた時間で成果を出す」
時間の制約があることは、「時間管理(タイムマネジメント)への意識が高い」と言い換えることができます。
- 言い換え例: 「限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、効率的な業務遂行を常に心がけております。」
3. 「稼ぎたい」→「責任感を持ってキャリアを築く」
収入への執着は、仕事への責任感や向上心としてアピールします。
- 言い換え例: 「一家の大黒柱として、責任感を持って業務に取り組み、貴社の事業拡大に貢献することで自身のキャリアも高めていきたいと考えております。」
【正社員を目指す】責任感とキャリアビジョンを伝える例文
正社員を目指す場合は、「家庭との両立」よりも「プロとしての貢献意欲」を前面に出すことが重要です。
事務職への志望動機 例文
貴社の「社員の自律的な働き方を支援する」という社風と、業務効率化を推進する姿勢に共感し、志望いたしました。私は現在、一児の親として家庭を支えておりますが、仕事においてはプロフェッショナルとして結果を出すことにこだわりたいと考えております。前職の営業事務で培った正確な処理能力と、時間内に業務を完遂する段取り力を活かし、貴社のバックオフィス業務の効率化に即戦力として貢献したいと強く願っております。長く安定して勤務し、将来的にはリーダーとして組織を支える存在を目指します。
営業職への志望動機 例文
年齢や社歴に関わらず、個人の成果を正当に評価する貴社の実力主義の方針に強く惹かれ、志望いたしました。家族を支える責任を原動力に変え、高い目標にも粘り強く挑戦し続ける覚悟を持っております。前職で培ったヒアリング能力と提案力を活かし、貴社の新規開拓事業において早期に売上目標を達成できるよう、全力を尽くしてまいります。
【パート・アルバイト】効率性と定着率をアピールする例文
パート勤務の場合は、シフトへの責任感と、限られた時間内でのテキパキとした働きぶりをアピールします。
販売・サービス業への志望動機 例文
自宅から貴店までは徒歩圏内であり、通勤時間が短いため、家庭と仕事を両立しながら無理なく長く勤務できる環境であると考え志望いたしました。普段から貴店を利用しており、スタッフの方の明るい接客に元気をいただいておりました。子供が学校に行っている平日の日中が中心となりますが、近隣に住んでいる強みを活かし、急な欠員が出た際などにも可能な限り協力させていただきたいと考えております。限られた時間ではありますが、集中して業務に取り組み、貴店に貢献いたします。
軽作業・工場への志望動機 例文
コツコツと正確に作業を進めることが得意で、集中力には自信があります。貴社の倉庫内作業においては、ミスなくスピーディーに業務を遂行することで、チーム全体の生産性向上に貢献したいと考えております。現在は子育て中ではありますが、仕事と家庭のメリハリをつけ、責任を持って長く安定して働きたいという思いが強く、こちらの求人に応募いたしました。
書類選考で落ちないために!避けるべきNG表現と注意点
ひとり親の方が志望動機を書く際に、避けるべき表現があります。無意識に「雇ってもらうのが申し訳ない」という弱気な姿勢が出てしまったり、逆に「権利」を主張しすぎたりしないよう注意してください。
- 「子供がいるのでご迷惑をおかけするかもしれませんが…」謙虚さは大切ですが、最初から迷惑をかける前提で書くのはNGです。「ご迷惑をおかけしないよう、体調管理やスケジュール調整を徹底します」というポジティブな姿勢を示しましょう。
- 「残業はできません」「土日は休ませてください」これらは「志望動機」ではなく「本人希望記入欄」に書くべき内容、もしくは面接で相談すべき事項です。志望動機欄では、あくまで「何ができるか」「どう貢献したいか」というプラスの要素を中心に書いてください。
- 「ひとり親で生活が苦しいので…」同情を誘うような内容は、ビジネスの場では逆効果です。「生活のために頑張りたい」というバイタリティとして表現してください。
家族のサポート体制や配慮事項はどう伝える?
採用担当者の不安を先回りして解消するために、サポート体制について触れておくことは非常に有効です。ただし、志望動機のメインにするのではなく、自己PR欄や備考欄、あるいは志望動機の最後にさらりと付け加える程度がスマートです。
書き方の例
「なお、勤務に際しましては、近隣に住む実家の両親のサポートが得られる体制を整えております。子供の急な病気などの際も、業務に支障をきたさないよう万全を期してまいります。」
このように、「働くための準備はできている」と伝えることで、採用担当者は安心してあなたを採用候補として検討することができます。ひとり親であることは、ハンデではなく「強さ」の証明でもあります。家族を支えるという強い意志を履歴書に込め、自信を持って応募してください。





