技能検定の履歴書への正しい書き方と正式名称。合格と取得の使い分けやアピール術を解説
「技能検定」は、働く上で必要な知識と技能を国が証明する国家検定制度であり、転職活動において即戦力や専門性をアピールするための強力な武器となります。しかし、いざ履歴書の資格欄に記入しようとすると、「2級技能士と書くべきか」「技能検定合格と書くべきか」など、正式名称や書き方に迷ってしまう方は少なくありません。
技能検定は職種が多岐にわたり、書き方のルールも独特です。正しく記載することで、採用担当者に「専門知識があり、ビジネスマナーも心得ている」という信頼感を与えることができます。ここでは技能検定の履歴書への正しい書き方や正式名称、そして書類選考で評価されるためのポイントについて詳しく解説します。
技能検定は「正式名称」で記載し職種の等級まで明記する
履歴書の免許・資格欄に記入する際、最も重要なのは略称を使わず、証書通りの正式名称で記載することです。技能検定の場合、単に「技能検定 2級」と書くだけでは不十分です。「何の職種か」が伝わらなければ、スキルの証明にならないからです。
書き方のパターンとしては、主に以下の2通りがあります。どちらを使用しても問題ありませんが、合格証書の記載に基づき正確に書くことが基本です。
1. 検定試験の合格実績として書く場合
「試験に合格した事実」を記載する最もスタンダードな書き方です。
- 令和〇年〇月 3級ファイナンシャル・プランニング技能検定 合格
- 令和〇年〇月 2級ウェブデザイン技能検定 合格
- 令和〇年〇月 2級機械加工技能検定(普通旋盤作業) 合格※製造業などの場合、カッコ書きで「選択科目(作業名)」まで記載すると、具体的なスキルが伝わりやすくなります。
2. 「技能士」という称号で書く場合
技能検定に合格した人は「技能士」と称することが法律で認められています。プロフェッショナルとしての肩書きを強調したい場合は、こちらの書き方も有効です。
- 令和〇年〇月 3級ファイナンシャル・プランニング技能士 取得
- 令和〇年〇月 2級ウェブデザイン技能士 取得
基本的には「検定合格」と書くのが無難ですが、名刺などに記載できる「技能士」という響きは専門性を強く印象づけるため、職種やアピールしたいニュアンスに合わせて使い分けると良いでしょう。
「合格」と「取得」の使い分けについて
資格欄の末尾を「合格」にするか「取得」にするかは、資格の性質によって異なります。
技能検定は「試験」ですので、基本的には**「合格」**と記載するのが最も自然で正確です。
ただし、前述のように「技能士」という称号(資格)を得たという意味合いで記載する場合は、**「取得」**としても間違いではありません。
- 〇〇技能検定 と書くなら → 合格
- 〇〇技能士 と書くなら → 取得このようにセットで覚えておくと迷わずに済みます。
よくある技能検定の書き方具体例(FP、Web、製造など)
技能検定には多くの種類がありますが、転職市場でよく見かける資格の具体的な書き方を紹介します。
FP(ファイナンシャル・プランナー)の場合
FPは民間資格(AFP/CFP)もありますが、国家検定である技能検定を履歴書に書く場合は以下のようにします。
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 合格※「FP2級」は略称なので避けましょう。
ウェブデザインの場合
IT・Web業界で唯一の国家資格です。
- 2級ウェブデザイン技能検定 合格
製造・建設系の場合
専門性が高いため、作業名まで書くことが重要です。
- 1級機械保全技能検定(機械系保全作業) 合格
- 2級建築大工技能検定 合格
学科または実技のみ合格(一部合格)している場合の書き方
技能検定は「学科試験」と「実技試験」の両方に合格して初めて資格取得となりますが、片方だけ合格している場合も履歴書に記載して構いません。これは「あと一歩で資格が取れる(知識や技術の一部は証明されている)」というアピールになるからです。
書き方は以下の通りです。
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験合格(〇月 実技試験受験予定)
- 2級ウェブデザイン技能検定 実技試験合格
このように記載することで、現在進行形で努力している姿勢や、基礎知識は習得済みであることを採用担当者に伝えることができます。
技能検定を職務経歴書や自己PRで活用する方法
履歴書の資格欄に記載するだけでなく、職務経歴書や自己PR欄を活用して、その技能を実務でどう活かしてきたかを補足するとより効果的です。技能検定は「実務経験」が必要な級も多いため、取得していること自体が一定の実務レベルの証明になります。
例えば、「1級技能検定の取得を通じて培った高度な加工技術を活かし、製品の不良率を〇%低減させました」や、「FP2級の知識を活かし、金融商品の提案だけでなく、顧客のライフプランに寄り添った総合的なコンサルティングを行いました」といった具体的なエピソードを加えます。
資格は単なる名前ではなく、あなたの実務能力を裏付ける客観的な指標です。正式名称で正確に記載し、具体的な成果とセットでアピールすることで、書類選考の通過率を高めてください。





