清掃業の履歴書における志望動機の書き方と採用担当者に信頼される例文集
オフィスビルや商業施設、病院、ホテルなど、あらゆる場所で必要とされる清掃業(クリーンスタッフ)は、年齢や経験を問わず幅広い層にチャンスがある職種です。しかし、「誰でも採用される」と甘く見て、履歴書の志望動機をおろそかにしてしまうと、書類選考で不採用になってしまうことも少なくありません。
採用担当者は、清掃という仕事に対して「真面目に、長く続けてくれるか」を厳しく見ています。ここでは、清掃業の履歴書で好印象を与える志望動機の書き方や、未経験者・経験者・シニア層それぞれの具体的な例文、そして避けるべきNG表現について詳しく解説します。
清掃業の採用担当者が志望動機でチェックしている3つのポイント
清掃の仕事は、単に掃除をするだけではありません。採用担当者は履歴書を通じて、以下の3つの資質があるかを確認しています。ここを押さえた志望動機を作成することが、採用への近道です。
1. 体力と健康管理能力
立ち仕事や移動が多く、場合によっては重い機材を扱うこともあるため、一定の体力が必要です。「健康には自信がある」「体を動かす仕事が好き」というアピールは、長く働ける人材としての安心感につながります。
2. 几帳面さと丁寧な仕事ぶり
汚れを見落とさない注意力や、決められた手順通りに作業を行う几帳面さが求められます。「細かい作業が得意」「整理整頓が好き」といった性格的な適性は、清掃員としての大きな強みになります。
3. 誠実さとマナー(挨拶・身だしなみ)
施設利用者や依頼主とすれ違う場面も多いため、挨拶や身だしなみといった基本的なマナーも重要視されます。「黙々と作業するから誰とも話さなくていい」という動機だけでは、協調性がないと判断されるリスクがあります。
「掃除が好き」だけでは弱い?志望動機を深めるコツ
「掃除が好きだから」という理由は立派な動機ですが、それだけでは他の応募者と差別化できません。もう一歩踏み込んで、以下のような視点を盛り込むと説得力が増します。
- なぜ「仕事として」掃除を選んだのか(例:成果が目に見えて分かり、達成感があるから。利用者の快適な環境づくりに貢献したいから。)
- なぜ「その会社(現場)」なのか(例:地域密着の姿勢に共感したから。ホテル清掃というプロの技術を身につけたいから。)
【ケース別】そのまま使える志望動機の例文
ケース1:未経験から清掃業へ転職する場合
異業種からの転職では、前職の経験(体力を使う仕事、正確性が求められる仕事、接客など)をどう活かせるかを伝えます。
【例文】
「前職では倉庫内でのピッキング作業に従事しており、体力と正確な作業には自信があります。もともと整理整頓や掃除が好きで、汚れていた場所がきれいになることに達成感を感じておりました。貴社が管理されている〇〇施設を利用した際、いつ訪れても清潔で快適な空間が保たれていることに感銘を受け、私もその環境づくりに貢献したいと強く思い志望いたしました。未経験ではありますが、真面目にコツコツと取り組む姿勢で、一日も早く戦力になれるよう努力いたします。」
ケース2:清掃経験者がステップアップする場合
経験者の場合は、これまでの担当業務(床洗浄、ガラス清掃、客室清掃など)や、保有資格(ビルクリーニング技能士など)、指導経験などを具体的にアピールします。
【例文】
「現職ではオフィスビルの清掃スタッフとして3年間勤務し、日常清掃だけでなくポリッシャーを使用した床面清掃の技術も習得いたしました。チームリーダーとして新人指導も担当しておりましたが、より専門性の高い技術を身につけ、幅広い現場に対応できるプロフェッショナルになりたいと考え、特殊清掃に強みを持つ貴社を志望いたしました。これまでの経験を活かしつつ、お客様に『頼んでよかった』と思っていただける質の高いサービスを提供したいと考えております。」
ケース3:シニア層・定年後の再就職の場合
健康であること、そしてこれまでの社会人経験で培った責任感をアピールします。
【例文】
「長年、事務職として勤務してまいりましたが、定年退職を機に、健康維持も兼ねて体を動かしながら社会に貢献できる仕事に就きたいと考え、志望いたしました。日頃からウォーキングを続けており、体力には自信がございます。また、仕事に対する責任感や時間を守ることは、これまでの社会人生活で大切にしてきた信条です。貴社のスタッフの一員として、利用者様が気持ちよく過ごせる空間づくりに誠実に取り組みたいと考えております。」
採用を遠ざけるNGな志望動機の特徴
以下のような理由は、仕事への意欲が低いとみなされる可能性があるため、履歴書には書かないようにしましょう。
- 「楽そうだから」「簡単そうだから」清掃はプロの仕事であり、技術や体力が必要です。軽視するような発言は厳禁です。
- 「接客が嫌いだから」「人と関わりたくないから」清掃業もサービス業の一種です。現場での挨拶や報告・連絡・相談は必須ですので、対人関係を拒絶するような動機はマイナスです。
- 「どこでもよかった」「家から近い」はメリットですが、それだけを理由にすると「条件が合えば他でもいいのか」と思われてしまいます。「貴社の〇〇という点に魅力を感じ」といったプラスアルファの理由を添えましょう。
まとめ:空間を整えるプロとしての「誠実さ」をアピールしよう
清掃業の履歴書において最も強力な武器は、上手な文章よりも「誠実さ」と「真面目さ」が伝わる内容です。
「汚れた場所をきれいにする」という仕事は、利用者の快適さや建物の寿命を守る、社会的に非常に意義のある仕事です。その仕事に対して誇りを持ち、責任を持って取り組む覚悟を志望動機に込めることができれば、採用担当者の信頼を勝ち取り、書類選考を突破することができるでしょう。





