看護師の転職履歴書完全ガイド!採用担当者に響く職歴・志望動機の書き方と見本
看護師の転職活動において、履歴書は採用担当者に「会ってみたい」と思わせるための最初のプレゼンテーションツールです。売り手市場と言われる看護業界ですが、人気病院や好条件のクリニック、企業看護師などの求人は競争率が高く、書類選考で不採用となってしまうケースも少なくありません。
採用担当者は履歴書から、看護スキルだけでなく、患者様に寄り添える人柄や、組織での協調性、そして長く働いてくれるかどうかを読み取っています。ここでは、看護師特有の履歴書の書き方や、経験を魅力的に伝える職歴欄の工夫、志望動機のポイントについて詳しく解説します。
看護師の履歴書は「臨床経験」と「人柄」が伝わるように書く
看護師の採用選考において、採用担当者が最も知りたいのは「どの程度の臨床経験があるか(即戦力性)」と「当院のカラーに合うか(人柄・適性)」の2点です。
一般的なビジネス職種と異なり、看護師は専門職ですので、履歴書においても専門性を具体的に示す必要があります。しかし、専門用語を並べるだけでは不十分です。医療現場はチームワークが不可欠であり、患者様やそのご家族と接するサービス業の側面も持っています。そのため、丁寧な文字、整理されたレイアウト、清潔感のある写真といった基本的なビジネスマナーが守られているかどうかが、そのまま「丁寧な看護ができる人か」という評価に直結します。
手書きかパソコン作成かについては、指定がなければどちらでも構いませんが、近年はパソコン作成が主流になりつつあります。ただし、院長が高齢の個人クリニックなどでは、手書きの文字から人柄を見たいと考えるケースもあるため、応募先の雰囲気に合わせて選択するのも一つの戦略です。
【職歴欄】配属科や病床数を明記して即戦力であることをアピールする
看護師の履歴書において、最も差がつくのが「職歴欄」の書き方です。単に「〇〇病院 入職」「〇〇病院 退職」と書くだけでは、あなたのスキルは伝わりません。採用担当者があなたの経験レベルを一目で把握できるよう、以下の情報を盛り込んで記載することが重要です。
1. 病院の規模と機能を記載する
病院名の横や下の行に、病床数や病院の機能(急性期、回復期、療養型など)を記載します。これにより、どのような忙しさや環境で働いていたかの目安になります。
- 記入例:医療法人〇〇会 〇〇総合病院(病床数:350床 / 急性期) 入職
2. 配属診療科と担当業務を具体的に書く
どの診療科で、どのような業務を経験したかを簡潔に添えます。職務経歴書があるとはいえ、履歴書だけで概要が伝わるようにするのが親切です。
- 記入例:外科病棟に配属(消化器外科・呼吸器外科混合 45床)プリセプターとして新人指導を担当リーダー業務、退院調整業務に従事
このように記載することで、「急性期の外科でリーダー経験があるなら、当院の忙しさにも即対応できるだろう」と採用担当者にイメージさせることができます。
3. 退職理由は前向きに
「一身上の都合により退職」が基本ですが、結婚や転居、出産などのやむを得ない事情がある場合は、「結婚に伴う転居のため退職」と書き添えることで、採用担当者の「またすぐに辞めるのではないか」という不安を払拭できます。
【志望動機】「なぜ貴院なのか」を経験と結びつけて具体的に語る
志望動機は、応募先への熱意を伝える最重要項目です。「家から近い」「給料が良い」「託児所がある」といった条件面だけの理由は避けましょう。たとえそれが本音であっても、書類上では「その病院の医療方針や特徴」と「自分の経験・目指す看護像」をリンクさせて語る必要があります。
総合病院・大学病院への志望動機例
「前職では慢性期病棟で患者様とじっくり向き合う看護を経験してまいりましたが、より高度な医療知識と技術を習得し、看護師としての幅を広げたいと考え、地域の中核を担う貴院を志望いたしました。貴院の〇〇という教育体制や専門性の高さに魅力を感じております。」
クリニックへの志望動機例
「病棟勤務で培ったアセスメント能力や迅速な対応力を活かしつつ、地域の方々の健康を身近で支える『かかりつけ医』としての役割に貢献したいと考え、貴院を志望いたしました。貴院の『患者様に寄り添う温かい医療』という理念に深く共感しております。」
訪問看護への志望動機例
「病院での退院支援業務を通じて、在宅療養の重要性を痛感し、患者様が住み慣れたご自宅でその人らしく過ごすためのサポートがしたいと強く思うようになりました。利用者様一人ひとりの生活背景に合わせた看護を実践されている貴ステーションで、私の経験を活かしたいと考えております。」
【本人希望記入欄】夜勤やシフトの条件は角を立てずに記載するマナー
本人希望記入欄は、勤務にあたってどうしても譲れない条件がある場合に記載します。基本的には「貴院の規定に従います」と書くのがマナーですが、看護師の働き方は多様であるため、シフトや夜勤に関する制限がある場合は正直に、かつ丁寧に記載しておきましょう。
夜勤ができない場合
「育児のため、日勤常勤での勤務を希望いたします。」
「家庭の事情により、夜勤は月2回程度までとさせていただけますと幸いです。」
入職時期の希望
「現在在職中のため、内定後1ヶ月〜1.5ヶ月程度での入職を希望いたします。」
条件を羅列するのではなく、「〇〇のため」という理由を添えることや、「〇〇であれば可能です」という譲歩案を示すことで、協調性のある人物だという印象を残せます。
証明写真と基本情報の丁寧さが信頼感を生む
最後に、履歴書の顔となる証明写真についてです。看護師は清潔感が命ですので、髪が長い場合は後ろでまとめ、前髪が目にかからないようにセットします。メイクはナチュラルメイクを心がけ、健康的な表情で撮影しましょう。スピード写真でも構いませんが、写真館で撮影したデータを使用すると、より明るくプロフェッショナルな印象になります。
また、誤字脱字がないか、西暦・和暦が統一されているか(履歴書全体で統一しましょう)、修正テープを使用していないか(書き損じたら新しい用紙に書き直すのが鉄則です)など、提出前の最終チェックを怠らないでください。細部まで配慮が行き届いた履歴書は、あなたの「確実な看護業務」を連想させ、書類選考突破の大きな力となります。





