転職活動の履歴書。「自己PR(自己紹介)」欄の書き方と例文
転職における履歴書の「自己紹介」欄とは
転職活動において履歴書を作成する際、テンプレート(雛形)によっては「自己PR」欄が設けられておりますが、新卒の就職活動で使われるような「自己紹介」という独立した項目が設けられているケースは稀であります。多くの場合、転職者が考える「自己紹介」とは、自身の強みや人柄をアピールする「自己PR」欄が、その役割を担うことになります。
採用担当者は、この「自己PR」欄を通じて、応募者の職歴欄だけでは伝わりきらない「強み」や、仕事に対する「姿勢」、そしてその「人柄」が自社の社風と適合(マッチ)するかどうかを、簡潔に把握しようとしています。
「自己PR(自己紹介)」欄で伝えるべきこと
転職活動の履歴書における「自己PR(自己紹介)」欄で伝えるべき内容は、新卒の就職活動とは異なります。学生時代の体験(例。クラブ活動、アルバイト)ではなく、原則として、これまでの「職務経験(実務経験)」を通じて培ってきた「強み」や「スキル」を中心に記載する必要がございます。採用担当者は、応募者が即戦力として、あるいはポテンシャルを持って、入社後にどのように貢献してくれるのかを知りたがっています。
伝わる自己PR(自己紹介)の基本構成
履歴書の「自己PR(自己紹介)」欄は、記載できるスペース(枠)が限られていることが一般的であります。そのため、自身の強みを効果的に伝えるためには、簡潔かつ論理的な構成が求められます。
まず結論として、「私の強みは〇〇です」と、アピールしたい核となる強みを簡潔に提示します。次に、その強みを裏付ける具体的な「根拠(職務経験での簡潔なエピソード)」を述べます。最後に、その強みを活かして、応募先企業でどのように「貢献」できるのか、という未来への意欲を示して締めくくります。この「結論・根拠・貢献」という流れが、伝わりやすい自己PRの基本構成であります。
履歴書の「自己PR(自己紹介)」欄 例文(ケース別)
自己PR欄に記載する例文を、ケース別に紹介します。これらはあくまで一例(サンプル)であり、ご自身の状況に合わせて内容を最適化することが重要であります。
例文(1)経験を活かす(同職種への転職)
例文。「私の強みは、目標達成に向けた課題解決能力です。前職の営業活動において、顧客の潜在的なニーズを深く分析し、既存サービスと〇〇を組み合わせた新たな提案を実行した結果、担当エリアの売上目標を〇期連続で達成しました。この経験で培った課題解決能力を活かし、貴社(御社)の〇〇分野における事業拡大に貢献したいと考えております。」
例文(2)未経験分野へ挑戦する場合
例文。「私の強みは、高い適応力と正確な事務処理能力です。前職(接客業)では、多様なお客様の要望に柔軟に対応する傍ら、日々の売上報告や在庫管理の事務作業も担当し、ミスのない正確な処理を評価されておりました。未経験の事務職ではございますが、この適応力と正確性を活かし、貴社(御社)の円滑な業務運営をサポートしたいと考えます。」
例文(3)汎用的な強み(協調性)をアピールする場合
例文。「私の強みは、チームの成果を最大化する協調性です。現職(前職)のプロジェクトにおいて、関連部署との窓口役を務め、定期的な情報共有会を主催するなど、円滑なコミュニケーションラインの構築に注力しました。結果として、プロジェクトを納期内に完遂できました。この協調性を活かし、貴社(御社)のチームワークと生産性向上に貢献いたします。」
例文(サンプル)を活用する際の最も重要な注意点
履歴書の「自己PR(自己紹介)」欄の書き方として、これらの例文(サンプル)を参考にすることは非常に有効であります。しかし、最も注意すべきは、「例文をそのまま模倣(丸写し)しない」ということであります。例文はあくまで書き方の「型」や「表現方法」を学ぶためのものであり、採用担当者は、応募者自身の具体的な経験に基づいた、応募者自身の言葉で語られる熱意や強みを知りたがっています。
例文を参考にしつつも、必ずご自身の経験と、応募先企業への研究に基づいた「自分だけのオリジナルな自己PR(自己紹介)」を作成することが、書類選考を通過するための最も重要な鍵となります。また、履歴書のスペース(枠)に収まりきらない詳細なエピソードや実績については、併せて提出する「職務経歴書」の方で、より詳細にアピールする、という役割分担も意識すると良いでしょう。





