初めての転職。職務経歴書の書き方と基本
職務経歴書とは。履歴書との違い
転職活動では、多くの場合、履歴書と職務経歴書の二つの書類の提出が求められます。履歴書が、氏名、学歴、資格といった応募者の基本的なプロフィールを伝えるものであるのに対し、職務経歴書は、これまでに「どのような会社で」「どのような業務を」「どのように行ってきたか」を具体的に説明し、自身の経験や実務能力をアピールするための書類であります。採用担当者は、この職務経歴書の内容を見て、応募者が即戦力として活躍できるか、どのようなスキルを持っているかを判断します。
初めての転職(1社経験)での重要性
社会人になって初めての転職活動、つまり1社のみの経験で転職する場合、「職務経歴書に書けるような立派な経験がない」と不安に思う方も少なくありません。しかし、採用担当者は、その1社でどのような業務に取り組み、何を学んだのか、そして仕事に対してどのような姿勢を持っているのかを、この書類から読み取ろうとしています。経験が浅いからこそ、その1社での経験を具体的に記述し、自身のポテンシャルや学習意欲を示すことが非常に重要となります。
基本的なフォーマット(形式)の選び方
職務経歴書には、履歴書のような決まったフォーマット(形式)はありません。しかし、初めての転職で、経験企業が1社のみの場合、キャリアの変遷を時系列に沿って記載する「編年体式」が、最も一般的で分かりやすい形式であります。まずは、この形式を基本として作成することをお勧めします。用紙の枚数は、A4用紙1枚程度に情報を整理してまとめるのが目安となります。
職務要約の書き方。1社での経験のまとめ方
職務経歴書の冒頭には、自身のキャリアの概要を簡潔にまとめた「職務要約(経歴要約)」を記載します。採用担当者が最初に目を通す、いわば「つかみ」の部分です。ここでは、1社でどのような業界の、どのような職種として、どのような業務に従事してきたのかを、3行から5行程度で簡潔にまとめます。その経験を通じて得た基本的なスキル(例。〇〇(PCソフト)の操作、基本的なビジネスマナー)なども添えると、自身の能力が伝わりやすくなります。
職務経歴欄の具体的な書き方。1社での経験を詳細に
職務経歴欄は、職務経歴書の核となる部分です。経験が1社のみだからこそ、その内容を「どれだけ具体的に書けるか」が重要となります。まず、会社概要(事業内容、従業員数など)、在籍期間、所属部署、役職などを明記します。その上で、担当した業務内容を具体的に記述します。単に「〇〇を担当」と羅列するのではなく、どのような目的で、どのような相手(顧客や社内)に対し、どのような工夫をしながら業務を遂行したのかを、具体的に記述するよう心がけます。
実績が少ないと感じる場合の工夫
「まだ経験が浅く、数値で示せるような大きな実績がない」という場合でも、アピールできることは必ずあります。その場合、業務に対する「取り組み姿勢」や「工夫した点」に焦点を当てて記載します。例えば、「業務を効率化するために、〇〇の作業手順を提案し改善した」「ミスを減らすために、独自のチェックリストを作成し運用した」「先輩の業務をサポートするため、〇〇の知識を自主的に学習した」といった、主体的に行動したエピソードは、実績として高く評価されます。
自己PRでのアピール方法
自己PR欄では、職務経歴欄で示した経験や取り組みを踏まえ、1社目の経験で培ったスキルや強みが、応募先企業(2社目)でどのように活かせるのかを具体的に述べます。専門的なスキルだけでなく、1社目の社会人経験で身につけた「基本的なビジネスマナー」や「報告・連絡・相談の徹底」「新しい業務への学習意欲」なども、未経験者とは一線を画す強みとしてアピールできます。1社で何を学び、それを次のステージでどう発揮したいのか、という前向きな意欲を伝えることが重要であります。





