履歴書と「ビズリーチ」。登録すべき内容と、採用担当者が見るポイント
ハイクラス転職サイトとして知られる「ビズリーチ(BizReach)」に登録する際、「履歴書はどれを提出すればいいのか?」「登録する内容が、そのまま履歴書になるのか?」と、その仕組みや書き方に悩む方は少なくありません。
ビズリーチのようなスカウト型の転職サイトは、従来の「応募者が企業に履歴書を送る」という形式とは、少し異なる特徴があります。
ここでは、ビズリーチにおける履歴書(職務経歴書)の役割と、採用担当者やヘッドハンターの目に留まるための、正しい「書き方」のポイントを解説します。
1. 履歴書と「ビズリーチ」の仕組みの違い
まず、日本の転職活動における「履歴書」と「職務経歴書」、そして「ビズリーチ」の役割を整理する必要があります。
- 従来の転職活動「履歴書(あなたのプロフィール)」と「職務経歴書(あなたの実績)」の2つをファイル(WordやPDF)で作成し、応募する企業一社一社に送付します。
- ビズリーチでの転職活動ビズリーチのサイト上に、ご自身の「職務経歴書」にあたる詳細な**「Webレジュメ(職務経歴)」**を登録・公開します。企業の人事や、提携するヘッドハンターがそのWebレジュメを見て、「この人に会いたい」と判断した場合に「スカウト」が届きます。
つまり、ビズリーチにおいては、あなたが登録する「Webレジュメ」こそが、従来の「履歴書」であり、かつ「職務経歴書」の役割を果たす、最も重要な応募書類なのです。
2. 採用担当者(ヘッドハンター)が見る「職務経歴」の書き方
採用担当者やヘッドハンターは、毎日何百というWebレジュメを見ています。その中で「この人は優秀そうだ」と目に留めてもらうためには、単に経歴を羅列(られつ)するだけでは不十分です。
ビズリーチのレジュメ入力で、最低限押さえるべき「書き方」のポイントを紹介します。
ポイント1:「職務要約(サマリー)」に全力を注ぐ
採用担当者が最初に目にするのが、あなたの「職務要約」です。これは、あなたのキャリアの「キャッチコピー」や「見出し」にあたります。
ここで興味を持たれなければ、その先の詳細な経歴は読まれません。
(NG例):「営業として、〇〇会社で頑張ってきました。」
(OK例):「大学卒業後、一貫してIT業界(SaaS)の法人営業に従事。〇〇(商材)の新規開拓を得意とし、〇名のチームマネジメントも経験。3年連続で売上目標120%を達成しました。」
ポイント2:「実績」は必ず「数字」で示す
中途採用(特にハイクラス)では、「何をしていたか(業務内容)」よりも、「どんな成果を出したか(実績)」が重視されます。「頑張った」という抽象的な言葉ではなく、客観的な「数字」で示しましょう。
(NG例):「売上向上に貢献しました。」
(OK例):「新規開拓営業として、〇〇(行動)を徹底した結果、担当エリアの売上を前年比130%(〇〇円)まで引き上げました。」
ポイント3:「キーワード」を意識して入力する
採用担当者やヘッドハンターは、「Python」「プロジェクトマネジメント」「SaaS 営業」「人事制度設計」といった**「キーワード」で、候補者を検索**しています。
あなたのレジュメに、これらの「専門用語」や「スキル」のキーワードが入力されていないと、検索結果に表示されず、見つけてもらうことすらできません。
ご自身の専門分野のキーワードは、職務経歴やスキル欄に、具体的に、かつ豊富に盛り込む必要があります。
ポイント4:「概要」ではなく「詳細」を書く
「職歴」欄には、「株式会社〇〇 営業部」とだけ書くのではなく、**「どのような商材を」「どのような顧客に」「どのような手法で」**販売していたのか、その「業務内容」を具体的に記載します。
採用担当者は、あなたの「具体的な行動」を知りたがっています。
3. ビズリーチの履歴書(レジュメ)を「ダウンロード」して使えるか
「ビズリーチのサイト上で作成したWebレジュメを、他の応募先にも使いたい」と考える方もいるでしょう。
ビズリーチの機能を使えば、あなたが入力した内容を、履歴書や職務経歴書のファイル(WordやPDF形式など)として「ダウンロード」すること自体は可能です。
4. ビズリーチのテンプレート(雛形)利用時の「注意点」
ビズリーチのダウンロード機能は便利ですが、万能ではありません。
ビズリーチのWebレジュメは、あくまで「ビズリーチのプラットフォーム上で、スカウトを受けるため」に最適化されています。
そのため、ダウンロードしたフォーマット(様式)が、一般的な転職活動(例:A4・2枚に収める職務経歴書)と比べ、少し特殊であったり、レイアウトが崩れたりする可能性もあります。
最も賢い「活用術」
ビズリーチのダウンロード機能は、あくまで「下書き」の出力として使うのが賢明です。
もし、ビズリーチ以外の転職サイトや、企業の採用ページに直接応募する場合は、
- ビズリーチ上で、上記のポイント(実績、キーワードなど)を押さえて、完璧な「Webレジュメ(中身)」を作成する。
- 別途、インターネット上で標準的な**「履歴書(A4)」と「職務経歴書(A4)」のテンプレート(WordやExcel)**をダウンロードする。
- ビズリーチで作成した「中身(文章)」を、その標準テンプレートにコピー&ペーストして、体裁を整える。
この方法が、最も「内容が充実」し、かつ「ビジネスマナーに沿った」応募書類を作成する、効率的な方法と言えます。
5. 結論。ビズリーチは「見られる」履歴書(レジュメ)を作ることが鍵
履歴書(職務経歴書)は、応募先企業への「ラブレター」と例えられることがあります。
しかし、ビズリーチのようなスカウト型サイトにおける「Webレジュメ」は、**街頭に立てる「あなたの魅力的な看板」**です。
どれだけ多くの、そしてどれだけ優秀な採用担当者(ヘッドハンター)に足を止めてもらい、「この人の話を詳しく聞きたい」と思わせるか。
そのために、ご自身の経歴を「数字」と「キーワード」で具体的に磨き上げることが、書類選考を通過するための最も重要な鍵となります。





