履歴書の「主任」という役職。職歴欄での正しい書き方とアピール術
転職(中途採用)における「主任」という役職の価値
転職活動で履歴書を作成する際、「主任(しゅにん)」という役職をどう書くべきか、また、それがアピールになるのかどうか悩む方もいるかもしれません。
「主任」は、多くの企業において、一般社員から一歩進んだ、最初の管理職・監督職(あるいは、それに準ずる立場)として認識されます。これは、あなたが前職(または現職)において、一定の業務スキルと経験を評価され、一般社員以上の責任(例:後輩の指導、チームの進捗管理など)を任されていたことの客観的な証明となります。
採用担当者は、この「主任」という経歴から、あなたの「リーダーシップの素養」や「信頼性」「責任感の強さ」などを読み取ろうとします。したがって、「主任」の経験は、転職活動において間違いなくアピールポイントとなるため、履歴書(職歴欄)に正確に記載することが重要です。
履歴書の職歴欄への「主任」の正しい書き方
役職は、「職歴」欄に、時系列に沿って記載します。
「会社名」「入社年月」を記載した後、配属された「部署名」などと共に記載するのが一般的です。
【最重要】昇進(昇格)した場合の書き方
転職者にとって、最も強力なアピールとなるのが、勤務の途中で「主任」に昇進(昇格)した場合の書き方です。
これは、あなたの勤務実績が社内で認められ、キャリアアップしたという明確な証拠となるからです。
この場合は、「昇進(昇格)した年月」を明記し、その事実を記載します。
昇進(昇格)の記載例
2015年 4月 株式会社〇〇 入社
営業部に配属
(〇〇(商材)の新規開拓営業に従事)
2020年 4月 営業部 主任に昇格
(メンバー〇名の指導、およびチームの進捗管理を担当)
2024年 10月 一身上の都合により退社
このように記載することで、「一般社員として入社し、実績を評価されて主任に昇進した」という、非常にポジティブなキャリアの流れを採用担当者に伝えることができます。
役職が「主任」のみ(または入社時から)の場合
中途採用で「主任」のポジションとして入社した場合や、その会社での主な立場が「主任」であった場合は、入社(入職)の時点からその役職を明記します。
入社時から役職がある場合の記載例
2018年 4月 株式会社△△ 入社
(営業本部 〇〇課 主任として入職)
2025年 3月 現在に至る
正式な役職ではない「実質的なリーダー」だった場合
ここで注意が必要なのが、社内での呼称として「リーダー」と呼ばれていたが、辞令としては「主任」といった正式な役職名ではなかった、というケースです。
履歴書は「公的な応募書類」であり、客観的な事実を記載する場です。もし「主任」という正式な辞令(役職)がなかったにも関わらず、履歴書に「主任」と記載すると、「経歴詐称」を疑われるリスクがあります。
履歴書ではなく「職務経歴書」でアピール
「主任」という正式な役職名はなくても、「実質的なリーダー」や「後輩の指導役」を任されていた経験は、非常に価値のあるスキルです。
その貴重な経験は、履歴書ではなく、セットで提出する**「職務経歴書」**で存分にアピールしましょう。
職務経歴書であれば、「正式な役職はありませんでしたが、3名の後輩スタッフのOJT(新人指導)を担当し、業務マニュアルの改訂にも携わりました」といった形で、あなたの「具体的な行動」と「実績」を自由にアピールすることができます。
「主任」の経験からアピールできる強み
「主任」という役職は、履歴書の「自己PR」欄や「職務経歴書」において、以下の「強み」の根拠としてアピールできます。
- リーダーシップ・マネジメント(初級)後輩や部下の指導(OJT)、タスク管理、モチベーション管理を行った経験。
- 調整力(中間管理職の素養)上司(課長など)と、現場の一般社員との「橋渡し役」として、情報を伝達し、業務を円滑に進めた経験。
- 責任感・実行力一般社員以上の責任を任され、業務を遂行した実績。
結論。「主任」はあなたの成長を証明する経歴
履歴書において、「主任」という役職は、決して小さなものではありません。それは、あなたが組織の中で「信頼」され、「責任」ある立場を任されたという「成長の証」です。
正式な役職であった場合は、履歴書の職歴欄に、昇進(昇格)の年月と共に「正確」に記載すること。
もし正式な役職ではなかった場合も、その「実質的なリーダー経験」を、職務経歴書で具体的にアピールすること。
この使い分けを意識して、あなたの貴重な経験を、採用担当者に正しく伝えましょう。





