履歴書が「濡れた」。雨の日の対処法と、提出してはいけない理由
転職活動において、応募書類(履歴書・職務経歴書)はあなたの「顔」とも言える重要なものです。しかし、面接に持参する途中や、郵送の準備中に、不意の雨や飲み物をこぼしてしまい、履歴書が「濡れた」状態になってしまうトラブルは、誰にでも起こり得ます。
「少し濡れただけだから、乾かせば大丈夫だろうか」
「締め切りが近いのに、どうしよう」
このように焦ってしまうかもしれませんが、その「濡れた履歴書」をどう扱うかは、あなたの社会人としての危機管理能力や仕事の丁寧さを示す、重要な判断の場面となります。
なぜ「濡れた履歴書」を提出してはいけないのか
結論から言いますと、一度濡れてしまった履歴書(たとえ乾かしたとしても)を、そのまま応募先に提出することは、原則としてNGです。
たとえ乾かしたとしても、紙は一度濡れると必ず「ヨレ」や「シワ」が残ります。インクがにじんで文字が読みにくくなっている可能性もあります。
採用担当者が、そのような状態の履歴書を受け取った場合、どのように感じるでしょうか。
- 「自己管理能力が低い」大切な応募書類を、万全の状態で準備・管理できない人、という印象を与えます。
- 「仕事が雑である」書類の扱いが雑であることは、「入社後の仕事も雑なのではないか」という不安に直結します。
- 「入社意欲(志望度)が低い」「濡れた書類を平気で提出する=自社への志望度(熱意)が低い」と見なされる可能性が非常に高いです。
このように、濡れた履歴書をそのまま提出する行為は、書類選考において致命的なマイナスイメージを与えるリスクしかありません。
履歴書が濡れた場合の「唯一の正しい対処法」
もし履歴書が濡れてしまった場合、アイロンをかけてシワを伸ばそうとしたり、ドライヤーで乾かしたりするのは逆効果です。かえってインクがにじんだり、紙が変質したりして、状態が悪化する可能性があります。
履歴書が濡れてしまった場合の、正しい対処法はただ一つです。
「新しいものを作成し直す(書き直す、または印刷し直す)」
手書きで作成していた場合
非常に手間がかかりますが、諦めて新しい用紙に、最初からすべて書き直す必要があります。これが、応募書類という公的な書類に対する正しい向き合い方です。
パソコンで作成していた場合
現代の転職活動で、パソコン作成(データでの管理)が推奨される最大の理由が、こうしたトラブルへの対応力です。
濡れてしまった紙は破棄し、保存してある**データを再度、新しい綺麗な紙に「印刷し直す」**だけで解決します。
履歴書を「濡らさない」ための予防策が何より重要
トラブルが起きた時の対処法も大切ですが、それ以上に「濡らさない」ための予防策を講じておくことが、社会人としての危機管理です。
1. クリアファイルへの封入は「必須」
これは、雨対策だけでなく、カバンの中で書類が折れたり汚れたりするのを防ぐための基本マナーです。履歴書や職務経歴書は、必ず**「無色透明の新品のクリアファイル」**に入れましょう。
2. 書類は「封筒」に入れて持ち運ぶ
面接に持参(手渡し)する場合でも、クリアファイルに入れた書類は、さらに**「封筒(A4が折らずに入る白封筒)」**に入れて持ち運ぶのがマナーです。この封筒が、雨や汚れから書類を守る「第二の盾」となります。
3. 天候が悪い日の「+α」の備え
雨や雪が降っている、あるいは降る予報の日は、さらに万全を期しましょう。
封筒に入れた書類一式を、さらに**「ビニール袋(ジップロックなど)」**に入れる、あるいは、カバン自体を「防水性の高いビジネスバッグ」にする、といった対策が有効です。
4. (可能であれば)「予備」を一部持参する
もし、どうしても心配な場合は、応募書類の「予備(コピーではなく、原本のセット)」をもう一部、別のファイルに分けてカバンに入れておくと、万が一メインの書類が濡れても対応できます。
結論。書類の扱いは「仕事の丁寧さ」そのもの
履歴書が濡れてしまった場合、それを「少しだから大丈夫だろう」と楽観視し、そのまま提出してしまうか、「完璧な状態で提出すべきだ」と判断し、手間をかけて作り直すか。
その小さな判断の一つひとつが、あなたの「仕事に対する姿勢」として、採用担当者に伝わっています。
アクシデントは誰にでも起こります。大切なのは、その後の「リカバリー」と、同じ失敗を繰り返さないための「予防」です。完璧な状態の書類を準備することが、書類選考を通過するための第一歩となります。





