職務経歴書における「業種」の正しい書き方と伝え方|職種との違いを理解してアピール力を高めるコツ
「業種」とは?職務経歴書で混同されがちなポイント
転職活動で必須となる職務経歴書を作成する際、意外と多くの人が混乱するのが「業種と職種の違い」です。
「営業をやっていたけど、業種は何て書けばいいの?」
「IT業界の事務だけど、それって業種はIT?事務?」
というように、**職種(=仕事の内容)と業種(=企業の事業内容)**を混同してしまい、職務経歴書にうまく表現できない人も多くいます。
この記事では、職務経歴書における「業種の書き方・定義・伝え方のコツ」を解説するとともに、業種を活かして自己PRにつなげる方法や記載例も詳しく紹介します。
「業種」と「職種」の違いを正しく理解しよう
まずは基本から。転職書類における「業種」と「職種」の違いを明確に理解しておくことが大切です。
項目 | 定義 | 具体例 |
---|---|---|
業種 | 企業が属する業界・事業分野 | IT業界、金融業界、製造業、小売業、不動産業 など |
職種 | 個人が担当する職務の内容 | 営業、経理、事務、エンジニア、接客、設計 など |
つまり、**「どんな業界の企業で」「どんな仕事をしていたか」**を分けて記載するのがポイントです。
職務経歴書における業種の記載ポイント
✅ 会社名と一緒に業種を明記するのが基本
職務経歴書では、企業名・在籍期間・職種に加え、「業種(事業内容)」も簡潔に添えると読み手に伝わりやすくなります。
✅ できるだけ具体的に書く
「IT業」や「製造業」などの大分類だけでなく、「ソフトウェア開発」「自動車部品製造」「不動産仲介業」など、細分化された業種表現を使うとより良いです。
✅ 異業種転職の場合は「業種に関するスキルの汎用性」を意識
業種が異なる企業への転職では、**「業種は違ってもこの経験は活かせる」**という視点で業種と職務の関係性を伝えましょう。
業種の記載例(職務経歴欄)
■ 株式会社アクティブソリューション(2020年4月〜2024年3月)
【業種】ソフトウェア開発(SIer)
【職種】法人営業
【業務内容】
- 大手製造業向け業務システムの提案・導入支援
- 受注金額年間3億円、営業チームリーダーとしてメンバー育成を担当
- 提案書作成、案件進捗管理、ベンダー折衝などを担当
■ 株式会社グリーンフード(2017年4月〜2020年3月)
【業種】食品製造業(冷凍食品)
【職種】品質管理・生産管理
【業務内容】
- HACCP導入プロジェクトに参画、衛生管理体制の見直しを担当
- 製造ラインの歩留まり向上により、月間生産ロスを15%削減
- ISO22000取得に向けた社内研修の実施・資料作成も担当
職種別:業種のアピールポイント例
営業職 × 異業種への転職
「IT業界での法人営業経験を活かし、今後は製造業向けのソリューション営業としてより深い課題解決に貢献したいと考えています。」
事務職 × 業界特有の知識
「金融業界での事務経験により、顧客情報管理・規制対応・個人情報保護といった業界特有の業務に精通しています。」
技術職 × 多業種経験の強み
「医療機器、精密機器、航空機部品といった多様な製造業での設計経験があり、業種を超えた技術応用力に自信があります。」
異業種転職を目指す場合の業種の伝え方
異業種へのキャリアチェンジを考えている場合、業種そのものよりも「職種・業務内容にどんなスキルがあったか」を強調しましょう。
例文:
前職はアパレル業界で販売職を担当しておりましたが、顧客対応・在庫管理・売上分析といった業務経験は、業種を問わず応用できると考えております。
業種の分類例(参考)
日本標準産業分類や一般的な業界区分に沿った業種例:
- IT・情報通信業(ソフトウェア開発、Webサービス、通信インフラ)
- 製造業(自動車、電機、食品、医薬品)
- 金融業(銀行、証券、保険、リース)
- 流通・小売業(百貨店、スーパー、EC)
- サービス業(介護、教育、広告、旅行)
- 建設・不動産業(住宅、設備、仲介)
- 運輸・物流業(運送、倉庫、配送)
※職務経歴書には、これらをもとに自社の事業内容に即した業種表現を記載しましょう。
まとめ|職務経歴書では「業種」と「職種」を正しく伝えることが評価につながる
✅ 業種とは「企業の事業内容」、職種は「あなたの仕事の内容」
✅ 職務経歴書では企業名とあわせて業種を明記するのが基本
✅ できるだけ具体的かつ適切な分類で業種を表現する
✅ 異業種転職では、「業種を超えたスキルの汎用性」が鍵
✅ 職種との組み合わせで、あなたの経験の魅力が伝わる
「どんな業界で、どんな仕事をしてきたか」を明確に書くことで、あなたの経歴に説得力が生まれます。職務経歴書の中で業種を正しく活用し、企業に“伝わる経験”をアピールしましょう。