職務経歴書における「退職」の書き方と伝え方|印象を損ねずに伝えるための実践ガイド
転職活動において、自分の経歴を伝える重要な書類である職務経歴書。その中で意外と悩む人が多いのが「退職」の扱い方です。「どこまで書くべきか?」「退職理由は必要?」「在職中とどう違う?」など、書き方ひとつで採用担当者の受け取り方が変わることもあります。
本記事では、「職務経歴書 退職」というキーワードをテーマに、職務経歴書における退職の正しい記載方法、退職理由の扱い方、印象を下げない表現例、そして面接へのつなげ方までを詳しく解説します。
1. 職務経歴書に「退職」の情報は書くべき?
結論から言うと、職務経歴書には退職の事実は明記すべきです。職歴の流れを時系列で記載する上で、「いつ・どの会社に在籍していたのか」「今は在職中か・退職済みか」を明らかにすることは、採用担当者にとって非常に重要な情報となります。
ただし、退職理由の詳細については必ずしも書く必要はありません。退職の事実と時期は明示しつつ、理由は面接で説明する方がベターなケースもあります。
2. 職務経歴書における「退職」の正しい記載方法
◆ 書き方の基本構成
【会社名(在籍期間)】
職種・業務内容:
…
退職理由:〇〇
◆ 表記のポイント
- 在籍期間は「○○年○月〜○○年○月」と明記し、退職済みであることを示す
- 「現在 在職中」や「退職済み」など、現状を一目でわかるようにする
- 複数社ある場合は、各社ごとに在籍期間と退職の有無を明記する
3. 退職理由は書くべき?書かなくてよい?
基本的に退職理由の記載は任意です。ただし、以下のようなケースでは簡潔に書いておくと、書類選考の通過率が上がることがあります。
【退職理由を記載した方が良いケース】
- 短期間での離職が複数回ある場合
- 契約社員・派遣社員などで契約満了による退職
- 会社都合(倒産、業績悪化など)による退職
- 転職理由が応募先企業への志望動機と密接に関わっている場合
【記載しなくても良いケース】
- 長期的な勤務ののち円満退職した場合
- 面接で丁寧に説明する予定がある場合
- 退職理由が個人的・繊細な内容の場合(体調、家庭事情など)
4. 職務経歴書で使える退職理由の記載例(前向き表現)
退職理由を記載する場合は、以下のように前向きな言葉に言い換えるのが基本です。
状況 | NG例 | 記載すべき表現(例) |
---|---|---|
人間関係が悪かった | 上司と合わなかった | より風通しの良い職場環境を求めて退職 |
激務で体調を崩した | 長時間労働が原因で退職 | ワークライフバランスを見直すため退職 |
仕事内容が希望と異なった | 思っていた仕事と違った | 自身の志向と業務内容のギャップを感じ、転職を決意 |
会社が倒産した | 経営が破綻した | 会社の事業縮小に伴い、やむを得ず退職 |
契約期間が終了した | 雇い止めされた | 契約期間満了に伴い、次のキャリアを検討 |
5. 職務経歴書での退職に関する記載例
【例文①】退職理由あり(契約終了)
【株式会社〇〇(2021年4月〜2023年3月)】
職種:物流事務
業務内容:
・出荷データ入力、納品書・伝票作成
・在庫管理、取引先との納期調整
退職理由:契約期間満了に伴い退職。
【例文②】退職理由を簡潔に表現
【株式会社△△(2018年6月〜2022年12月)】
職種:営業担当
業務内容:
・法人向けルート営業、新規顧客開拓
・売上管理、顧客折衝、見積もり作成
退職理由:キャリアアップのため転職を決意。
【例文③】退職理由は書かず、在職状況のみ記載
【株式会社××(2020年3月〜2024年2月)】
職種:経理担当
業務内容:
・月次・年次決算処理、伝票入力、仕訳作業
・会計ソフト(弥生会計)によるデータ管理
※2024年2月末をもって退職済み
6. 面接で退職理由を問われたときの対応
職務経歴書で退職について触れた場合でも、面接で改めて詳しく聞かれることがほとんどです。その際のポイントは次の通り:
- 感情的にならず、事実と理由を簡潔に説明する
- 否定的な内容は前向きな表現に置き換える
- 退職を通じて得た学びや、次に活かしたい点を話す
例:
「営業職として多くの経験を積む中で、より専門性の高い提案営業にチャレンジしたいと考えるようになり、転職を決意しました。」
まとめ
職務経歴書における「退職」の記載は、あなたのキャリアの流れや価値観を伝える大切な情報です。ネガティブに見せないためには、前向きな表現と一貫性のある内容が重要です。
退職は決して後ろ向きな出来事ではなく、新しいステップへの準備段階です。職務経歴書ではその背景を丁寧に、かつ簡潔に伝えることで、企業からの信頼を得ることができます。あなたのキャリアを魅力的に伝えるために、「退職」の記載も戦略的に活用していきましょう。