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病院とは「評価基準」が違う。看護師が介護施設への転職で失敗しない志望動機と自己PRの書き方

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「病院の忙しさに疲れたので、施設でゆったり働きたい」

「夜勤を減らして、高齢者の生活に寄り添う看護がしたい」

高齢化社会に伴い、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、有料老人ホームといった「介護施設」へ転職を希望する看護師が増えています。

しかし、病院での経験が豊富だからといって、施設の書類選考が簡単に通るわけではありません。

実は、施設の採用担当者は、病院出身の看護師に対して**「上から目線ではないか」「介護職とうまくやれるか」「医療行為が少ないことに不満を持たないか」**という強い警戒心を持っています。

本記事では、病院と施設で異なる「求められる看護師像」を理解し、採用担当者の警戒心を解いて「ぜひ来てほしい」と思わせるための応募書類の作成術について解説します。


1.病院脳を捨てよ。「治療」から「生活」への意識改革

まず、書類を書く前に意識を切り替える必要があります。

病院の役割は「病気を治して退院させること(Cure)」ですが、施設の役割は**「その人らしい生活を最期まで支えること(Care/Life)」**です。

履歴書や職務経歴書の中で、「高度な医療スキル」ばかりをアピールしてしまうと、「うちは医療設備が整っていないから、この人は満足できないだろう」と判断され、不採用になります。

施設が求めているのは、以下の3つの能力です。

  1. 判断力: 医師が常駐していない環境で、救急搬送すべきか様子を見るかを判断するトリアージ能力。
  2. 協調性: 介護スタッフ(ケアワーカー)をリスペクトし、連携して動けるコミュニケーション能力。
  3. 生活視点: 医療的な管理だけでなく、利用者の楽しみやQOL(生活の質)を尊重する姿勢。

2.施設形態別・刺さる「志望動機」の書き分け

ひとくちに「施設」といっても、その目的によってアピールすべきポイントは異なります。応募先がどのタイプかを確認し、志望動機を使い分けてください。

① 特別養護老人ホーム(特養)の場合

「終の棲家」としての性格が強いため、**「看取り(ターミナルケア)」「長期的な関わり」**がキーワードになります。

  • 記述例:「急性期病棟では、治療優先で患者様の最期に十分寄り添えないことに葛藤を感じておりました。貴施設のように『自然な形での看取り』を大切にされている環境で、入居者様ご本人とご家族が穏やかな最期を迎えられるよう、生活の場における看護を実践したいと考え志望しました。」

② 介護老人保健施設(老健)の場合

在宅復帰を目指すリハビリ施設であるため、**「在宅復帰支援」「多職種連携」**がキーワードです。

  • 記述例:「回復期リハビリテーション病棟での経験を通じ、病院から自宅へ戻る際の不安を取り除くケアの重要性を学びました。貴施設において、PT・OTや介護職と密に連携し、利用者様が一日も早く住み慣れた地域へ戻れるよう、医療と生活の両面からサポートしたいと考えています。」

③ 有料老人ホームの場合

サービス業としての側面が強いため、**「接遇」「個別ケア」**が重視されます。

  • 記述例:「一人ひとりの利用者様とじっくり向き合い、その方らしい生活を尊重したケアがしたいと考えました。貴ホームの『おもてなしの心』という理念に共感し、私の強みである丁寧な接遇と、変化を見逃さない観察力を活かして、利用者様の安心で快適な暮らしを支えたいと思います。」

3.職務経歴書で「介護職との連携」をどう書くか

施設の採用担当者が最も恐れているのは、「看護師だから偉い」と勘違いして、介護スタッフとトラブルを起こす人材です。

職務経歴書の自己PRでは、**「介護職へのリスペクト」**を必ず盛り込んでください。

  • NGな書き方:「看護助手に対して、的確な指示出しを行いました。」(上から目線に見える)
  • OKな書き方:「病棟では看護助手とペアを組み、互いの専門性を尊重しながらケアを行いました。移乗介助や環境整備など、職種の垣根を作らず協力して業務に取り組むことを大切にしています。」

また、施設では看護師が「オンコール(待機)」を持つ場合が多いです。「救急外来での対応経験」や「急変時の対応力」をアピールできると、医師がいない夜間でも頼りになる存在として評価されます。

4.「医療行為が少ない」ことへの不安を払拭する

面接や書類選考でよく懸念されるのが、「医療行為が少なくて、スキルが落ちると不安になりませんか?」という点です。

これに対しては、以下のように**「視点の変化」**でポジティブに返してください。

  • 記述例(自己PRや備考欄):「確かに点滴や処置の機会は減るかもしれませんが、施設看護では『数値に表れない体調変化』を観察する力こそが重要だと認識しております。高度な医療機器がない分、フィジカルアセスメント能力を磨き、利用者様の健康管理のプロとして貢献したいと考えております。」

5.まとめ:施設看護は「楽」ではないが「深い」

「病院より楽そうだから」という安易な気持ちで応募書類を書くと、必ず見抜かれます。

施設看護師には、病院とは全く異なる難しさと、一人の人生に長く深く関われるやりがいがあります。

「治療の場から生活の場へフィールドを変え、利用者様の人生を支えたい」

その覚悟と、介護スタッフと共に働く謙虚さを応募書類に込めることができれば、施設側はあなたを「待ち望んでいた即戦力」として迎え入れてくれるはずです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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