看護師の職務経歴書で採用担当者の心を掴む職務要約の書き方と診療科別例文集
売り手市場と言われる看護師の転職ですが、人気の高い病院や好条件のクリニック、あるいは企業看護師などのレア求人に応募する場合、書類選考の倍率は決して低くありません。特に採用担当者が最初に目にする「職務要約」は、あなたの第一印象を決定づける重要な項目です。ここで「自院で活躍してくれそうだ」と思わせることができれば、その後の詳細な経歴や自己PRも前向きに読んでもらえます。逆に要約が雑だと、経験豊富なベテランであっても魅力が伝わりきらない可能性があります。ここでは、看護師が書類選考を通過するために知っておくべき職務要約の書き方のポイントと、診療科や経験に合わせた具体的な例文を紹介します。
看護師の採用担当者が職務要約でチェックする3つのポイント
病院の看護部長やクリニックの院長は、多忙な業務の合間を縫って応募書類に目を通しています。そのため職務要約では、短時間で「即戦力かどうか」を判断するための以下の情報を求めています。
- 経験した診療科と規模感「内科」だけでなく「300床規模の総合病院の循環器内科」のように、規模と専門領域が具体的に書かれているかを見ます。これにより、どの程度の忙しさや重症度に対応してきたかが判断できます。
- 具体的な看護スキルと役割一般的な看護業務に加え、リーダー業務、プリセプター(新人教育)、委員会活動、特殊な処置(人工呼吸器管理や透析など)の経験があるかを確認します。
- 転職の軸と意欲これまでの経験を活かして、なぜ今回の応募先を選んだのかという一貫性を見ます。「急性期で培ったスキルを活かし、訪問看護で在宅ケアに深く関わりたい」といったポジティブな動機が含まれているかが重要です。
職務要約の最適な文字数と構成
職務要約の適切な文字数は「200文字から300文字程度」です。長すぎると読まれず、短すぎるとアピール不足になります。以下の3部構成で書くことで、スムーズに要点を伝えることができます。
- キャリアの概要「正看護師として〇年間、〇〇病院(〇〇床)の〇〇科病棟にて勤務してまいりました。」
- 強み・実績・役割「周術期の患者様への看護を中心に、リーダー業務やプリセプターとして後輩指導にも従事しました。」
- 結び(貢献の意思)「これまでの経験で培ったアセスメント能力を活かし、貴院の地域医療への貢献に尽力したいと考えています。」
【急性期病棟】対応力とスキルをアピールする例文
急性期での経験は強みになります。多忙な環境で培った優先順位の判断力や、幅広い疾患への対応力をアピールします。
例文
正看護師取得後、5年間にわたり地域中核病院(400床)の消化器外科および内科混合病棟にて勤務してまいりました。周術期の患者様を中心に、術後管理から退院支援まで幅広く担当し、急変時の対応や多重課題における優先順位の判断力を養いました。また、直近の2年間は病棟リーダーを務め、スタッフ間の調整や医師との連携強化に努めました。これまでの経験で培った迅速な判断力とアセスメント能力を活かし、貴院の救急外来においても即戦力として貢献したいと考えています。
【慢性期・療養型】寄り添う看護と観察力をアピールする例文
慢性期や療養型病院の経験者は、長期的な関わりの中で培った観察力や、患者様・ご家族との信頼関係構築力をアピールします。
例文
准看護師を経て正看護師を取得後、計8年間、療養型病院(150床)にて高齢者看護に従事してまいりました。脳血管疾患後遺症や認知症を抱える患者様に対し、日々のバイタルサインや表情の変化から異常を早期発見する観察力を磨いてきました。また、寝たきりの患者様への褥瘡予防ケアや、ご家族への精神的なサポートにも力を入れてきました。貴施設においても、利用者様一人ひとりの尊厳を大切にした丁寧なケアを提供し、穏やかな療養生活を支えたいと考えています。
【クリニック】即戦力性と事務能力をアピールする例文
クリニックへの転職では、手技の正確さに加え、受付業務や掃除などの雑務も厭わない柔軟性や、接遇スキルをアピールします。
例文
正看護師として総合病院の内科病棟で3年間勤務した後、直近の4年間は内科・小児科クリニックにて外来看護業務に従事してまいりました。採血、点滴、心電図検査などの日常的な処置を正確かつ迅速に行うスキルには自信があります。また、少人数の職場環境において、受付業務の補助や院内清掃、備品管理などにも能動的に取り組み、円滑なクリニック運営に貢献してまいりました。貴院においても、患者様への温かい接遇と正確な手技を両立させ、地域のかかりつけ医としての役割を支えます。
【訪問看護】在宅ケアへの意欲と判断力をアピールする例文
訪問看護への挑戦や経験者は、一人で訪問する責任感や判断力、そして利用者様の生活背景を尊重する姿勢をアピールします。
例文
総合病院の循環器内科で6年間勤務し、退院支援に関わる中で在宅医療の重要性を感じ、訪問看護ステーションへ転職いたしました。直近の3年間は訪問看護師として、ターミナルケアを含む月間80件の訪問を担当してまいりました。限られた医療資源の中で最適なケアを提供するための判断力と、多職種と連携して利用者様の在宅生活を支える調整力を培いました。貴ステーションの「最期まで家で過ごしたい」という想いを叶える理念に共感し、これまでの経験を活かして地域医療に貢献したいと考えています。
【美容クリニック】接遇と美意識をアピールする例文
美容クリニック志望の場合は、臨床経験に加え、サービス業としての高い接遇スキルや、美容への関心・学習意欲をアピールします。
例文
正看護師として皮膚科クリニックで3年間勤務し、保険診療における処置や患者様対応を行ってまいりました。患者様の肌悩みが改善され笑顔になる瞬間にやりがいを感じ、より専門的な美容医療に携わりたいと考え志望いたしました。臨床での採血や点滴スキルに加え、接客業の経験もあり、丁寧な言葉遣いやホスピタリティには自信があります。現在は美容皮膚科の施術内容やドクターズコスメについて独自に学習を進めており、貴院においても高い技術と接遇でお客様の美をサポートしたいと考えています。
職務要約を書く際の注意点
看護師の職務要約を書く際、専門用語や略語(NS、Dr、エントなど)を多用しすぎないよう注意が必要です。採用担当者が事務長や人事担当者の場合、専門的な略語が伝わらない可能性があります。「看護師」「医師」「退院」など、正式名称または一般的な用語を用いることで、読み手への配慮を示すことができます。また、転職回数が多い場合でも、ネガティブな理由は書かず、「一貫して患者様に寄り添う看護を実践してきました」といったポジティブな共通項でまとめることが重要です。





