転職活動の職務経歴書。退職理由(転職理由)の書き方と注意点
職務経歴書への退職理由(転職理由)の記載
転職活動において職務経歴書を作成する際、退職理由(あるいは転職理由)を記載すべきか、また、どのように記載すべきか悩む方は少なくありません。職務経歴書において、退職理由は必須の記載項目ではありません。しかし、採用担当者は、応募者が「なぜ前職を辞めた(辞めようとしている)のか」という点に、必ず強い関心を持っています。
退職理由を記載する目的
採用担当者が退職理由を知りたい背景には、応募者の「定着性(自社でもすぐに辞めてしまわないか)」や「キャリアの一貫性」を確認したいという意図があります。職務経歴書に納得感のある退職理由を簡潔に記載することは、こうした採用担当者の懸念を事前に払拭し、自身のキャリアプランに基づいた前向きな転職であることを示す効果が期待できます。特に転職回数が多い場合や、在籍期間が短い職歴がある場合には、その理由を補足することが有効です。
ネガティブな退職理由のポジティブな変換
転職を決意する理由は、必ずしも「キャリアアップ」といった前向きなものばかりとは限りません。実際には、人間関係や待遇、労働環境への不満がきっかけとなることもあります。しかし、こうしたネガティブな理由をそのまま職務経歴書に記載することは、採用担当者にマイナスの印象を与えかねません。
重要なのは、事実を基にしつつも、それを「自身の将来のキャリアを見据えた、主体的な選択」として、前向きな言葉に変換して表現することです。
退職理由の具体的な書き方例
退職理由を記載する際は、簡潔かつ具体的に、そして次へのステップにつながるように構成します。
例えば、「キャリアアップのため」という理由は、「現職では経験できない〇〇の業務に挑戦し、専門性を高めたいと考えたため」と具体化します。「過度な残業」が理由であれば、「業務効率を追求し、生産性の高い環境で長期的に貢献したいと考えたため」といった表現が考えられます。「会社の業績不安」であれば、「より安定した経営基盤のもとで、自身のスキルを活かしたい」と言い換えることができます。
退職理由と志望動機の一貫性
職務経歴書や面接において、退職理由と志望動機には明確な一貫性が求められます。退職理由は「過去(なぜ辞めるか)」であり、志望動機は「未来(なぜ応募先か)」であります。
例えば、「前職では実現できなかった〇〇(退職理由)を、御社の〇〇という環境であれば実現できる(志望動機)」というように、二つが論理的に結びついていると、転職に対する真剣さと説得力が増します。
記載する際の注意点
退職理由を記載する上で最も重要なことは、嘘偽りを書かないことです。事実は一つでも、その表現方法は複数あります。また、前職への不平不満や批判的な内容は、一切記載すべきではありません。あくまで「自身がどうしたいか」という未来志向の視点で記述します。職務経歴書に記載する内容は、面接でさらに深く質問されることを前提に、簡潔にまとめることが賢明です。





