歯科衛生士の転職。職務経歴書の書き方と専門性のアピール術

歯科衛生士の転職と職務経歴書の重要性

歯科衛生士が転職を考える際、職務経歴書は自身の専門的なスキルと実務経験を具体的に伝えるために非常に重要な書類であります。履歴書だけでは伝えきれない、どのような歯科医院で、どのような診療内容（一般歯科、矯正、インプラント、予防歯科など）に携わり、どのような技術を培ってきたのかを、採用担当者（院長や採用責任者）に分かりやすく示す必要があります。

職務経歴書の基本構成と形式

歯科衛生士の職務経歴書も、基本構成は一般の転職書類と同様であります。「職務要約」でキャリアの概要を示し、「職務経歴」で詳細な業務内容を説明し、「活かせる経験・スキル」や「自己PR」で強みを補足します。形式としては、キャリアの変遷が分かりやすい「編年体式」（時系列順）が一般的であります。PC（パソコン）で作成し、A4用紙1枚から2枚程度にまとめるのが読みやすいでしょう。

職務要約。歯科衛生士としてのキャリアの概要

職務要約は、採用担当者が最初に目を通す部分です。ここでは、歯科衛生士としての臨床経験年数、主に経験してきた診療分野（例。予防歯科中心、小児歯科、歯周病治療など）、そして自身の強み（例。スケーリング・SRPの技術、患者様への丁寧な指導）を、3行から5行程度で簡潔にまとめます。

職務経歴（勤務先医院）の概要記載

職務経歴欄では、まず勤務した法人名、医院名、在籍期間を明記します。その上で、採用担当者が業務の規模感や特性を把握できるよう、勤務先医院の概要を補足します。例えば、診療内容（一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、インプラントなど）、1日の平均来院患者数、ユニット（診療台）数などを記載すると効果的であります。

歯科衛生士業務（1）歯科予防処置

職務経歴欄の業務内容として、歯科衛生士の三大業務である「歯科予防処置」の経験を具体的に記述します。例えば、スケーリング（歯石除去）、SRP（スケーリング・ルートプレーニング）、PMTC（機械的歯面清掃）、フッ化物塗布、シーラント処置といった業務の実施経験を記載します。特に歯周病治療におけるSRPの経験などは、スキルを示す上で重要であります。

歯科衛生士業務（2）歯科保健指導

次に、「歯科保健指導」の経験を記載します。TBI（歯磨き指導）や、食事指導、生活習慣のアドバイスなど、患者様の年齢層（小児、成人、高齢者）や特性に合わせて、どのような指導を行ってきたのかを具体的に示します。患者様のセルフケア意識の向上にどう貢献したかを伝えます。

歯科衛生士業務（3）歯科診療補助

最後に、「歯科診療補助」の経験を記載します。一般的な診療のアシスト業務に加え、例えばインプラント手術のアシスタント、矯正歯科でのワイヤー交換や調整の補助、ホワイトニングの施術経験など、専門性の高い補助業務に従事していた場合は、必ず明記します。これは、応募先医院の診療内容と合致する場合、即戦力として高く評価されるポイントとなります。

その他の業務とスキルのアピール

上記の主要業務に加え、担当していた他の業務も重要なアピール材料となります。例えば、使用機材の滅菌・消毒・管理、歯科材料の在庫管理、予約管理や会計などの受付業務、使用経験のあるレセコン（レセプトコンピュータ）の名称、後輩の指導経験なども記載します。PCスキル（Word、Excel）なども補足すると良いでしょう。

自己PR。応募先で活かせる経験と姿勢

自己PR欄では、これまでの経験を通じて培った知識や技術が、応募先（次の医院）でどのように活かせるのかを具体的に述べます。例えば、患者様とのコミュニケーションで心がけてきたこと、チーム医療の一員としての協調性、新しい知識や技術を学ぶ意欲など、自身の強みと応募先の医院の方針や特色を結びつけてアピールすることが、転職成功の鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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