転職活動における職務経歴書と志望動機の書き方
職務経歴書への志望動機の記載は必要か
転職活動において、職務経歴書に志望動機を記載すべきかどうか、悩む方は少なくありません。履歴書には志望動機欄が設けられていることが一般的ですが、職務経歴書は形式が自由であるため、志望動機の記載は必須の項目ではありません。
しかし、応募先企業への入社意欲を強くアピールしたい場合、職務経歴書に志望動機を盛り込むことは非常に有効な手段となります。職務経歴書が「過去から現在までの実績やスキル」を示す書類であるのに対し、志望動機は「未来(入社後)にどう貢献したいか」という意志を示す役割を持つからであります。
職務経歴書に記載する際の適切な場所
職務経歴書に決まった形式はないため、志望動機を記載する場所も応募者の任意となります。一般的には、二つのパターンが考えられます。
一つは、冒頭の「職務要約」の直後に記載する方法です。最初に熱意を伝えることで、採用担当者に「なぜ自社を志望しているのか」という視点を持って、続く職務経歴の詳細を読んでもらう効果が期待できます。
もう一つは、書類の最後、「自己PR」の後ろに記載する方法です。これまでの経験やスキルを全て提示した上で、その集大成として「だからこそ、貴社を志望する」という、論理的な結論として示す構成となります。
「志望動機」と「自己PR」「転職理由」の明確な違い
職務経歴書を作成する際は、志望動機、自己PR、転職理由(退職理由)のそれぞれの役割を明確に区別する必要があります。
「転職理由」は、現職(前職)をなぜ辞める(辞めた)のかという背景を説明する項目であります。
「自己PR」は、自身の職務経験に基づいた「強み」や「スキル」が何であるかを客観的にアピールする項目です。
対して「志望動機」は、「なぜ他社ではなく、その応募先企業でなければならないのか」という理由と、「入社後に自身の強みをどう活かして貢献できるか」という未来への意志を示す項目であります。
職務経歴書における効果的な志望動機の書き方
職務経歴書に志望動機を記載する場合、その内容は具体的でなければなりません。「貴社の理念に共感した」といった抽象的な理由だけでは、採用担当者に熱意は伝わりません。
最も重要なのは、職務経歴欄に記載した自身の「経験」や「スキル」と、応募先企業の「事業内容」や「求めている人物像」を明確に結びつけることです。「私の〇〇という経験(職務経歴)が、貴社の〇〇という事業(応募先の強み)において、〇〇という形で貢献できると考え、強く志望しました」という論理的な流れを構築することが求められます。
応募先ごとに内容を見直す重要性
志望動機は、その企業の特性や求める人物像に合わせて作成するものであります。複数の企業に同じ内容の志望動機を使い回すことは、採用担当者に見抜かれやすく、入社意欲が低いと判断される原因となります。
職務経歴書の多くの部分は一度作成すれば流用できるかもしれませんが、志望動機だけは、応募先一社一社に対して真摯に向き合い、内容を最適化する手間を惜しまないことが、書類選考を通過するための重要な鍵となります。





