職務経歴書に書く転職理由。ケース別例文と作成のポイント
職務経歴書と転職理由の必要性
転職活動において、職務経歴書に転職理由を記載すべきか、また、どのように記載すべきかは多くの方が悩む点です。転職理由は必ずしも必須項目ではありませんが、採用担当者は応募者が「なぜ前の会社を辞めた(辞めようとしている)のか」に強い関心を持っています。特に転職回数が多い場合や在籍期間が短い場合、納得感のある理由を簡潔に記載することで、採用担当者の懸念を払拭し、面接への橋渡しをスムーズにする効果が期待できます。
転職理由作成の基本原則。ポジティブな表現
転職理由は、たとえ事実であったとしても、前職への不平不満やネガティブな内容をそのまま記載することは避けるべきです。「給与が低かった」「人間関係が悪かった」といった理由は、採用担当者に「自社でも同じ不満を持つのではないか」という印象を与えかねません。重要なのは、事実に基づきつつも、それを「自身の将来のキャリアプランを実現するため」という前向きな視点に変換して表現することです。
転職理由の例文(1)キャリアアップ・専門性の追求
自身の成長や、より高度なスキル習得を目的とした転職理由は、受け入れられやすい代表的な例です。
例文。「現職では〇〇の業務を通じて基礎的なスキルを習得しましたが、今後はより専門性の高い〇〇の分野(あるいは、より大規模なプロジェクト)に挑戦し、自身の市場価値を高めたいと考えるようになり、転職を決意しました」
転職理由の例文(2)会社都合・やむを得ない事情
会社の業績不振、事業所の閉鎖、倒産といった会社都合の理由は、事実を客観的に記載します。
例文。「勤務先の〇〇事業所の閉鎖(あるいは、業績不振による事業縮小)に伴い、退職勧奨を受けたため、転職活動を開始しました。これまでの〇〇の経験を活かせる環境を探しています」
また、家族の転勤や介護など、やむを得ない私的な事情も、簡潔に記載して問題ありません。
転職理由の例文(3)労働環境の改善希望
残業時間の多さや休日取得の困難さが理由の場合、それを直接的に不満として書くのではなく、働き方を見直したいという視点で記載します。
例文。「現職では〇〇の業務に従事し、やりがいを感じていましたが、恒常的な時間外労働(月平均〇〇時間程度)が続いておりました。今後は業務効率を意識し、生産性を高めながら長期的に安定して貢献できる環境を求めています」
転職理由の例文(4)社風や方向性の違い
社風や人間関係が理由の場合、最も表現に注意が必要です。他者を批判するのではなく、自身がどのような環境を求めているかという視点で記載します。
例文。「現職は個人の裁量が大きい環境でしたが、自身の強みである協調性を活かし、よりチーム全体で目標達成を目指す風土の中で働きたいと考え、転職を決意しました」
例文を参考に、自身の言葉で記載する重要性
ここで紹介したのはあくまで例文です。自身の具体的な状況や経験に基づき、自身の言葉で表現することが何よりも重要です。また、職務経歴書に記載した転職理由は、必ず面接で深掘りされます。記載内容と面接での回答に一貫性を持ち、さらに志望動機へとつながる論理的なストーリーを構築することが、転職成功の鍵となります。





