パティシエの転職。職務経歴書で技術と経験を伝える書き方
パティシエの転職と職務経歴書の重要性
パティシエの転職活動において、技術やセンスは非常に重要でありますが、それらを客観的な事実として採用担当者(シェフやオーナー)に伝えるために、職務経歴書もまた不可欠な書類であります。採用担当者は、履歴書だけでは分からない、応募者がどのような環境(例。ホテル、街のパティスリー、レストラン、ブライダル施設など)で、どのようなポジション(役職)で、どのような菓子製造に携わってきたのかを、職務経歴書を通じて具体的に把握しようとしています。
職務経歴書の基本的な構成
パティシエの職務経歴書も、基本構成は一般の転職書類と同様であります。「職務要約」でキャリアの概要を示し、「職務経歴」で詳細な業務内容を説明し、「活かせる経験・スキル」や「自己PR」で強みを補足する流れが一般的です。PC(パソコン)で作成し、A4用紙1枚から2枚程度にまとめるのが読みやすいでしょう。
職務要約。パティシエとしてのキャリア概要
職務要約は、採用担当者が最初に目を通す部分です。ここでは、パティシEとしての経験年数、主に経験してきた業態(ホテル、専門店、レストランなど)、そして自身の得意とする分野(例。生菓子、焼菓子、アシェットデセール、ショコラ、ヴィエノワズリーなど)を、3行から5行程度で簡潔にまとめる必要があります。
職務経歴。勤務先(店舗・ホテル)の概要
職務経歴欄には、勤務した法人名、店舗(ホテル)名、在籍期間を記載します。その上で、採用担当者が業務の規模感や環境を把握できるよう、勤務先(店舗)の概要、例えばスタッフ数や業態(テイクアウト中心、イートイン併設、レストランのデセール部門など)、1日の平均的な製造量といった情報を補足すると、自身の経験の背景が具体的に伝わりやすくなります。
担当した製造部門と具体的な業務内容
パティシエの仕事は、店舗の規模によって、一人で全般を担当する場合もあれば、部門ごとに分業制が敷かれている場合もあります。そのため、自身が担当した「ポジション」や「セクション」を明記することが重要です。例えば、「生菓子部門(アントルメ、プチガトー)の仕上げ担当」「焼菓子部門(フールセック、パウンドケーキなど)の仕込みから焼成まで全般」「ショコラ(ボンボンショコラ)製造担当」といった形で、具体的な業務範囲を記述します。
ポジション(役職)とマネジメント経験
もし、シェフパティシエ、スーシェフ(二番手)、シェフ・ド・パルティ(部門責任者)といった役職を経験しているのであれば、その事実は必ず明記します。役職名は、自身の技術力だけでなく、責任の範囲やリーダーシップを示す重要な情報となります。また、正式な役職でなくとも、「後輩スタッフ(〇名)への技術指導」「新人教育の担当」といった指導経験も、協調性や指導能力のアピールポイントとなります。
製造以外の業務経験(商品開発・管理業務)
高い技術力に加え、店舗運営に関わる経験も高く評価されます。例えば、「新商品の開発(月〇品程度)」「季節メニューの考案」「原材料の発注・在庫管理」「原価計算の補助」「衛生管理(HACCPの知識に基づく管理体制の構築)」といった、製造技術以外の業務経験も、自身の能力の幅を示すために具体的に記載します。
コンクール受賞歴や資格のアピール
自身の技術力を客観的に証明するものとして、コンクール(製菓コンテスト)での受賞歴は非常に強力なアピール材料となります。国内外を問わず、受賞歴がある場合は、大会名、受賞年、賞の名称を正確に記載します。また、「製菓衛生師」や「菓子製造技能士(〇級)」といった国家資格も、専門知識と技術の裏付けとして必ず明記します。
自己PR。技術への探究心と貢献意欲
自己PR欄では、これまでの経験を通じて培った得意技術や、仕事に対するこだわり、新しい技術やトレンドを学ぶ探究心をアピールします。そして、それらの強みを、応募先の店舗(企業)の方針や特色と結びつけ、「貴店(御社)の〇〇という点に魅力を感じており、私の〇〇の技術を活かして貢献したい」という形で、入職後の意欲を具体的に伝えることが、転職成功の鍵となります。





