歯科衛生士で転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方
歯科衛生士の転職回数と職務経歴書
歯科衛生士の方が転職活動を行う際、これまでの転職回数が多いことが、応募書類、特に職務経歴書の作成における悩みとなる場合があります。採用担当者(院長や採用責任者)は、転職回数の多さから、「職場への定着性」や「協調性」に対して懸念を抱く可能性がないとは言えません。職務経歴書は、こうした懸念を払拭し、自身の多様な経験を強みとして伝えるための重要な書類となります。
職務経歴書のフォーマットの工夫
転職回数が多い場合、全ての職歴を時系列に沿って詳細に記載する「編年体式」のフォーマットでは、職歴の多さが目立ちやすくなることがあります。もし、これまでの経験に共通する分野があるならば、職務内容やスキル(例。「予防歯科・歯周病治療の経験」「小児歯科・矯正歯科の経験」「診療補助・オペ介助の経験」)ごとに経歴をまとめて記載する「キャリア式」のフォーマットを採用するのも一つの方法です。これにより、一貫した専門性をアピールしやすくなります。
職務経歴。経験の一貫性を示す
キャリア式のフォーマットを用いる場合、例えば「歯科予防処置(スケーリング、SRP、PMTC)」といった項目を立て、複数の医院で経験した関連業務をそこにまとめます。どの医院で、どのような対象者(例。成人、小児)に対し、どの程度の頻度でその業務に従事していたのかを簡潔に記述します。これにより、所属した医院の数は多くても、一貫して特定のスキルを磨いてきたことを示すことができます。
転職理由の適切な補足
転職回数が多い場合、それぞれの退職理由を採用担当者が気にするのは自然なことです。職務経歴書において、全ての転職理由を詳細に記載する必要はありませんが、面接では質問されることを想定しておく必要があります。もし、閉院や家族の都合といった、やむを得ない理由がある場合は、職歴欄に簡潔に書き添えることで、採用担当者の理解を得やすくなります。「キャリアアップのため」「〇〇の分野を学ぶため」といった前向きな理由も、キャリアの一貫性を示す上で有効です。
自己PR。多様な経験を強みに変える
自己PR欄は、転職回数の多さをポジティブな強みとしてアピールする場となります。複数の歯科医院(例。一般歯科、専門クリニック、総合病院の歯科)を経験したことは、見方を変えれば、「多様な診療方針や業務フローへの高い適応能力」や、「幅広い症例・治療への対応経験」、「異なるタイプの院長やスタッフとの円滑なコミュニケーション能力」を身につけている証とも言えます。これらの強みを具体的なエピソードと共に示します。
誠実さと今後の貢献意欲
転職回数が多いという事実に誠実に向き合い、隠すことなく経歴を記載した上で、これまでの多様な経験を活かし、「今後は貴院(御院)の方針に共感し、腰を据えて長期的に貢献したい」という真摯な意欲を伝えることが、採用担当者の懸念を和らげ、信頼を得るための鍵となります。





