職務経歴書の作成が「めんどくさい」と感じる理由と、効率的な作成のコツ

転職活動と職務経歴書作成の「めんどくさい」という感情

転職活動を始める際、あるいは進める中で、多くの方が「職務経歴書の作成がめんどくさい」と感じた経験があるのではないでしょうか。履歴書とは異なり、形式が自由である分、何をどの程度書けば良いのか分からず、自身のキャリアを文章に落とし込む作業は、確かに時間と労力を要するものであります。しかし、この書類は、採用担当者に自身の経験やスキルを伝えるための最も重要な「プレゼンテーション資料」であり、書類選考の通過に直結します。

なぜ職務経歴書の作成は「めんどくさい」のか

職務経歴書の作成が「めんどくさい」と感じる背景には、いくつかの理由が考えられます。まず、「キャリアの棚卸し」という作業の煩雑さがあります。過去の職歴を全て思い出し、どのような業務を担当し、どのような役割を果たしたのかを整理することは、想像以上に骨の折れる作業であります。次に、その棚卸しした経験を、採用担当者に伝わるような「魅力的な文章」に落とし込むことの難しさがあります。特に、アピールできるような華々しい「実績」がないと感じている場合、何を書けば良いのか手が止まってしまいがちです。

めんどくさい作業の第一歩。「キャリアの棚卸し」のコツ

職務経歴書作成の「めんどくさい」を乗り越える最初のコツは、いきなり完璧な文章を作成しようとしないことです。まずは、過去の職歴ごとに、担当した業務内容、その中で工夫した点、困難だった点、結果（数値で示せなくても構いません）などを、箇条書きで構わないので、ひたすら書き出してみる（棚卸しする）ことが重要です。この「素材」を集める作業が、後の工程を格段に楽にします。

めんどくさい作業を効率化する「テンプレート」の活用

何もない状態からレイアウトや構成を考えることも、「めんどくさい」と感じる一因であります。この作業を効率化するためには、インターネット上で提供されている職務経歴書のテンプレート（雛形）を活用するのも有効な手段です。自身の経歴（例。編年体式、キャリア式）に合ったテンプレートを選び、まずはその枠組みに沿って、棚卸しした「素材」を流し込んでいくことで、作成の心理的なハードルを下げることができます。

実績が思いつかない場合の対処法

「アピールできる実績がなくて書くのがめんどくさい」という場合、視点を変える必要があります。採用担当者は、数値的な実績だけでなく、応募者が「どのように仕事に取り組んできたか」というプロセスや「主体性」も見ています。例えば、「業務フローを見直して、非効率な部分を改善した」や、「後輩のためにマニュアルを作成した」といった日々の「工夫」や「改善」も、立派なアピールポイントとなります。

第三者の力を借りて「めんどくさい」を軽減する

どうしても自分一人で作成するのが「めんどくさい」、あるいは客観的なアドバイスが欲しいという場合は、第三者の力を借りることも賢明な選択であります。例えば、転職エージェントに登録し、キャリアコンサルタントに相談することで、キャリアの棚卸しを手伝ってもらったり、作成した職務経歴書をプロの視点で「添削」してもらったりすることが可能です。客観的なフィードバックは、自身の強みを再発見するきっかけにもなります。

「めんどくさい」の先にある書類選考通過

職務経歴書の作成は、確かに「めんどくさい」と感じる作業かもしれません。しかし、この書類は、面接に進むための「通行手形」であり、自身の市場価値を企業に伝えるための唯一の手段でもあります。この「めんどくさい」という感情を乗り越え、自身のキャリアに真摯に向き合って作成された職務経歴書は、採用担当者の心に響き、次のステップへとつながる鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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