転職活動の応募書類。職務経歴書をメールで送付する際のマナーと例文
職務経歴書をメールで送付する際の心構え
転職活動において、作成した職務経歴書や履歴書を、応募先企業へEメールで送付する機会は非常に多くあります。その際、書類の中身(内容)が重要なのはもちろんですが、その書類を送付するメール本文の書き方一つにも、応募者のビジネスマナーや仕事に対する姿勢が現れます。採用担当者は、メールの文面も含めて応募者を評価しているという意識を持つことが、書類選考を通過するための第一歩となります。
メール作成の基本(1)件名の書き方
採用担当者は、日々多くのメールを受け取っています。そのため、メールの件名は、一目で「誰から」「何の用件で」送られてきたのかが明確に分かるように、簡潔に記載することが重要です。例えば、「〇〇職応募の件(氏名)」や「応募書類のご送付(氏名)」といった形で、必ず用件と自身の氏名(フルネーム)を記載するようにします。企業から件名について特定の指示がある場合は、必ずそれに従います。
メール作成の基本(2)本文の構成要素
メールの本文は、ビジネス文書としての基本的な構成を守る必要があります。まず、宛名として、応募先企業の正式名称、部署名、分かれば担当者名を記載します。次に、簡単な挨拶(「お世話になります。」など)と、自身の氏名を名乗ります。本文では、応募の経緯(例。求人サイトを見て応募した旨)や、職務経歴書と履歴書を添付した旨を明記します。最後に、結びの挨拶(例。「ご多忙のところ恐れ入りますが、ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。」)を述べ、自身の連絡先を明記した「署名」を記載します。
メールの具体的な記入例(初めて応募する場合)
求人サイトや企業の採用ページを見て、初めてコンタクトを取る場合のメール本文は、丁寧さが求められます。
例えば、「株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者様」といった宛名から始め、「初めてご連絡させていただきます。〇〇(氏名)と申します。貴社の〇〇(媒体名)に掲載されておりました〇〇職の求人を拝見し、応募させていただきたくご連絡いたしました。」と、応募の経緯を明確にします。
続けて、「つきましては、履歴書と職務経歴書を添付ファイル(PDF形式)にてご送付いたします。」と添付ファイルについて言及し、「お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。」と結びます。最後に、自身の氏名、住所、電話番号、メールアドレスを記載した署名を付けます。
添付ファイルの注意点。ファイル形式と名称
職務経歴書や履歴書をメールに添付する際は、そのファイル形式に注意が必要です。ワード(Word)やエクセル(Excel)で作成した場合でも、そのままの形式で送付すると、応募先のPC環境によってはレイアウトが崩れて表示されたり、意図せず編集可能な状態になったりする恐れがあります。
特別な指示がない限り、これらの書類はPDF形式に変換してから添付するのが、ビジネスマナーとして一般的です。また、ファイル名も「職務経歴書_〇〇(氏名).pdf」や「履歴書_〇〇(氏名).pdf」といった形で、採用担当者が一目で内容と応募者を識別できるように変更しておく配慮が重要です。
添付ファイルの注意点。パスワードの設定について
セキュリティ対策として、添付ファイルにパスワードを設定する方法もあります。しかし、これは採用担当者にとっては、ファイルを開くためにパスワードを確認するという一手間を増やすことにもつながります。企業側から「パスワードを設定して送付すること」といった明確な指示がある場合は、それに従います。指示がない場合は、パスワードは設定せずに送付する方が親切であるという考え方もあります。もし設定する場合は、パスワードを記載したメールを、応募書類を添付したメールとは「別送」するのが一般的です。
メール送信前の最終確認事項
メールの本文とファイルの準備が完了しても、すぐに送信ボタンを押してはいけません。送信前の最終確認が非常に重要です。宛先(To, Cc, Bcc)は間違っていないか、会社名や担当者名に誤字はないか、本文の日本語は正しいか、そして最も重要な「ファイルの添付漏れ」はないか、添付したファイルは正しいものか、ファイルは正常に開けるか、といった点を、指差し確認するくらいの慎重さで確認します。
送信の時間帯に関する配慮
メールは24時間送信可能ですが、応募先企業へ送るビジネスメールとして、送信する時間帯にも配慮するのが望ましいです。深夜や早朝といった、企業の一般的な営業時間から大きく外れた時間帯の送信は、応募者の生活リズムを懸念される可能性もゼロではありません。応募先企業の営業時間内(例。平日の午前9時から午後6時頃)に送信するのが最も無難です。やむを得ず時間外に作成した場合は、メールソフトの予約送信機能などを活用するのも一つの方法です。





