大学職員の転職。職務経歴書の書き方とアピール術
大学職員の転職と職務経歴書の重要性
大学職員の転職活動において、職務経歴書は自身のキャリアとスキルを伝えるための重要な書類であります。大学職員の業務は、学生支援、研究推進、入試広報、キャリア支援、国際交流、そして法人運営(総務、財務、人事)など、非常に多岐にわたります。そのため、職務経歴書には、自身がどの分野でどのような専門性を培ってきたのかを、採用担当者に分かりやすく示す必要があります。
特に、大学職員から民間企業へ転職する場合や、逆に民間企業から大学職員へ転職する場合は、それぞれのフィールドで培われた経験やスキルを、応募先の組織でどのように活かせるのか、その「翻訳」と「結びつけ」が書類選考を通過するための鍵となります。
【ケース1】大学職員から転職する場合(別の大学・民間企業へ)
大学職員としての経験を職務経歴書に記載する際は、単に業務内容を羅列するのではなく、その経験が応募先でどのように活かせる汎用的なスキル(ポータブルスキル)であるかを意識して記述することが重要であります。
業務経験(1)学生対応・窓口業務
日常的な学生対応や保護者からの問い合わせ対応、履修相談といった業務は、民間企業における高度な「顧客対応能力」や「調整能力」としてアピールできます。多様なニーズや時には難しい要望に対し、どのように傾聴し、解決に導いたのかを具体的に示します。
業務経験(2)入試広報・イベント企画
オープンキャンパスや入試説明会といったイベントの企画・運営経験は、そのまま「プロジェクト推進能力」や「企画力」、「広報・マーケティングスキル」として評価されます。どの程度の規模のイベントを、どのような役割(リーダー、担当者)で、どのように実施し、どのような成果(例。来場者数、志願者数の変化)につながったのかを記載します。
業務経験(3)研究支援・産学連携
教員の研究活動サポートや、外部資金(科研費など)の申請支援、産学連携のコーディネートといった経験は、専門家(教員)との「高度な折衝能力」や「プロジェクト管理能力」、「契約・知財に関する知識」としてアピールできます。
業務経験(4)キャリア支援(就職課)
学生の就職相談やキャリアガイダンス、企業との連携(求人開拓)といった経験は、キャリアカウンセリングのスキルや、企業との「リレーション構築能力」として、人事部門や人材業界などで高く評価される可能性があります。
業務経験(5)大学運営(総務・財務など)
学校法人の総務、人事、財務、経理といった管理部門での経験は、組織運営の根幹を支える専門スキルとして、そのまま他業種の管理部門でも活かせます。大学特有の会計基準や法規(私立学校法など)に関する知識も、同業種(他の学校法人)への転職では強みとなります。
【ケース2】民間企業から大学職員へ転職する場合
民間企業での経験を持つ方が大学職員へ転職を目指す場合、職務経歴書では、自身の経験が大学という組織のどのような課題解決に貢献できるのかを、具体的に結びつけてアピールする必要があります。
経験の結びつけ方(例1)営業職・マーケティング職
営業職で培った「顧客ニーズの把握力」「提案力」「折衝能力」は、入試広報部門での学生募集活動や、キャリア支援部門での企業開拓に直接活かせます。マーケティング職の「データ分析能力」や「広報戦略立案スキル」は、大学のブランディングや広報活動の強化に貢献できるでしょう。
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験の結びつけ方(例2)事務職・企画職
事務職で培った「正確かつ迅速な事務処理能力」や「PCスキル」は、教務課や総務課といった部署での学内事務の基盤となります。企画職での「プロジェクト推進能力」や「業務改善スキル」は、大学内の様々な改革プロジェクトや、業務効率化の取り組みで活かすことが期待されます。
志望動機と貢献意欲の明確化
民間企業から大学職員へ転職する場合、採用担当者は「なぜ民間ではなく、大学というフィールドを選んだのか」という志望動機を重視します。職務経歴書に付随する自己PRや志望動機欄において、自身のこれまでの経験を活かし、大学の「教育・研究」という公共性の高いミッションにどのように貢献したいのか、その熱意と具体的なビジョンを明確に示すことが不可欠であります。





