職務経歴書の職務要約は「200文字から300文字」が正解。採用担当者が読みやすい最適な文字数と構成のコツ
職務経歴書の冒頭に記載する「職務要約」は、採用担当者が最初に目にする非常に重要な項目です。ここを読んで「興味深い経歴だ」と思ってもらえなければ、その下に続く詳細な経歴を熟読してもらえない可能性さえあります。しかし、いざ書き始めると「短すぎて伝わらない」あるいは「長すぎて読みづらい」と、文字数やボリューム感に悩む方は少なくありません。職務要約には、ビジネス文書として最も効果的で読みやすい「黄金の文字数」が存在します。ここでは、書類選考を通過するために知っておくべき職務要約の最適な文字数と、その範囲内で最大限に魅力を伝えるための構成テクニックについて解説します。
職務要約の最適な文字数は200文字から300文字
結論から申し上げますと、職務要約の最適な文字数は「200文字から300文字程度」です。行数にすると、横書きの職務経歴書で「3行から5行程度」に収まる分量が理想的です。
この文字数が推奨される理由は、採用担当者が応募書類1通あたりにかける時間にあります。多忙な採用担当者は、一次選考の段階では1通につき数分、場合によっては数十秒しか目を通さないこともあります。200文字から300文字という分量は、人が無理なく黙読して30秒から45秒程度で読み切れる長さであり、採用担当者にストレスを与えずにキャリアの全体像を伝えられるギリギリのラインなのです。
文字数が極端に少ない場合と多い場合のリスク
文字数が適切でない場合、内容以前の問題として「ビジネススキルに欠ける」というネガティブな印象を与えてしまうリスクがあります。
100文字以下(少なすぎる場合)
「営業として5年間勤務しました。売上目標を達成し頑張りました。」のように極端に短い要約は、キャリアの厚みを感じさせないだけでなく、「入社意欲が低い」「アピールする実績がない」と判断される可能性があります。余白が目立ちすぎると、書類全体がスカスカに見えてしまうのもデメリットです。
400文字以上(長すぎる場合)
熱意を伝えようとして長文になりすぎると、文字が詰まって読みづらくなります。「要約」と書かれているにもかかわらず長々と詳細を書くことは、「情報を整理して要点を伝える能力(要約力・プレゼン力)がない」というマイナス評価に直結します。詳細は下の経歴欄で書けば良いため、要約はあくまで「あらすじ」に徹する必要があります。
200文字から300文字に収めるための「3部構成」
適切な文字数で説得力のある職務要約を書くためには、以下の3つの要素を順番に組み立てるのが効果的です。この構成に沿って各要素を1文から2文で書けば、自然と200文字から300文字程度に収まります。
- キャリアの概要(誰に・何を・どれくらい)「大学卒業後、〇年間にわたり食品商社にて法人営業に従事してまいりました。」
- コアスキルと実績(強み・成果)「新規開拓を得意としており、徹底した顧客分析に基づいた提案営業により、昨対比120パーセントの売上目標を3年連続で達成しました。」
- 結び(今後の意欲)「これまでの経験で培った課題解決能力を活かし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えています。」
文字数を調整するためのリライトテクニック
書いているうちに文字数が足りなくなったり、オーバーしてしまったりすることはよくあります。そのような場合の調整テクニックを紹介します。
文字数を削る場合(長すぎる時)
- 接続詞を減らす「〜を行いましたが、その後〜を担当したので、〜という成果が出ました」といった長い一文を、「〜を行いました。その後〜を担当し、〜という成果を出しました」と短い文に切ります。
- 詳細を省く具体的なエピソードや苦労話は職務経歴の詳細欄や自己PR欄に譲り、要約では「実績(数字)」だけを残します。
文字数を足す場合(短すぎる時)
- 数字と固有名詞を入れる「営業をしました」を「大手製造業向けに、単価1,000万円規模のシステム営業を担当しました」と具体化します。
- スキルやツール名を加える「事務をしていました」を「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を活用した計数管理業務に従事しました」とスキルの詳細を加えます。
まとめ
職務要約は、あなたのキャリアを忙しい相手に「30秒でプレゼンする」ためのスペースです。200文字から300文字という制限の中で、いかに具体的かつ簡潔に自分を売り込めるかが、書類選考突破の第一関門となります。書き上げた後は必ず一度声に出して読み、リズム良く頭に入ってくるかを確認してください。適切なボリュームと密度の職務要約を作成し、採用担当者に「続きを詳しく読みたい」と思わせる応募書類を完成させてください。





