iPadで職務経歴書は完璧に作れる。PCなしで内定を勝ち取る作成術とおすすめアプリ
「職務経歴書を作りたいけれど、手元にパソコンがない」「iPadだけで本格的な書類を作成したい」と考える求職者は増えています。結論から言えば、iPadを使えばパソコンで作成したのと遜色のない、高品質な職務経歴書を作成することは十分に可能です。キーボード入力やタッチ操作の利便性が向上した現在のiPadは、単なる閲覧端末ではなく、立派なビジネスツールとして機能します。ここでは、iPadを使って採用担当者に評価される職務経歴書を作成するための手順、アプリの選び方、そしてiPadならではの注意点について解説します。
iPadでの作成に必須のアプリは「Microsoft Word」一択
iPadには標準で「Pages」という文書作成アプリが入っていますが、職務経歴書の作成においては「Microsoft Word」のiPad版アプリを使用することを強くおすすめします。
理由は「互換性」です。ビジネスの世界ではWindowsとWordが標準であり、Pagesで作成したファイルをそのまま送ると、企業のパソコンでは開けなかったり、レイアウトが崩れてしまったりするリスクが高くなります。Wordアプリであれば、PC版とほぼ同じレイアウトで表示・編集ができ、多くの企業が指定する形式にスムーズに対応できます。基本機能は無料(画面サイズによっては有料サブスクリプションが必要な場合もありますが、閲覧や基本編集は可能)で使えるため、まずはWordアプリをインストールすることから始めてください。
職務経歴書フォーマットの入手方法
iPadで一から表組みを作ったり、レイアウトを整えたりするのは手間がかかります。効率的に作成するために、インターネット上で無料配布されている「職務経歴書フォーマット(テンプレート)」をダウンロードして活用します。
1. Safariなどのブラウザで検索
「職務経歴書 フォーマット Word」などで検索し、転職サイトやエージェントが提供しているテンプレートを探します。
2. Word形式(.docx)をダウンロード
自分の経歴に合った形式(逆編年体式など)を選び、ファイルをダウンロードします。このとき、「ファイルに保存」を選択し、iPad内の「ファイル」アプリまたはiCloud Driveに保存します。
3. Wordアプリで開く
Wordアプリを立ち上げ、「開く」から先ほど保存したファイルを選択すれば、すぐに編集を開始できます。
書類選考を通過するための「PDF化」の手順
iPadで作成する際に最も重要な工程が、完成した書類を「PDF形式」に変換することです。Word形式のまま企業に送付すると、iPad特有のフォントがWindows環境で正しく表示されず、レイアウトが崩れる可能性があります。PDFに変換してデザインを固定することで、どの端末で見ても美しい書類になります。
iPad版WordでのPDF変換手順
- 画面右上の「…(3点リーダー)」アイコンをタップします。
- 「エクスポート」または「コピーを送信」を選択します。
- 「形式」で「PDF」を選択します。
- 「エクスポート」をタップし、保存先(ファイルアプリなど)を指定して保存します。
この手順で作成されたPDFファイルであれば、メール添付やWeb応募フォームからのアップロードもスムーズに行えます。
iPadならではの便利機能「Split View」を活用する
iPadで職務経歴書を作成する大きなメリットの一つが、画面分割機能「Split View(スプリットビュー)」です。
画面の左半分にWordアプリを開き、右半分にブラウザ(Safariなど)で転職サイトの「書き方見本」や「自分の過去の実績データ」を表示させることで、情報を参照しながら効率よく執筆できます。いちいちアプリを切り替える必要がないため、集中力を維持したまま作業を進めることができます。また、もしApple Pencilを持っていれば、PDF化した後の書類に手書きでチェックを入れたり、校正を行ったりする際に、紙と同じ感覚で推敲作業ができるのも強みです。
作成時の注意点と「フォント」の罠
iPadで作成する際に気をつけたいのが「フォント(字体)」の問題です。iPadには、Windows標準の「MS明朝」や「MSゴシック」といったフォントが標準では搭載されていません。そのため、iPad上ではきれいに見えていても、WordファイルのままWindowsパソコンで開くと、別のフォントに置き換わり、文字間隔がズレて行からはみ出してしまうことがあります。
これを防ぐためには、前述した「PDF化」を徹底することが最良の策です。また、使用するフォントは、iPadにも搭載されており、ビジネス文書として違和感のない「遊明朝」や「ヒラギノ明朝」などを選ぶと、比較的きれいに仕上がります。
物理キーボードの使用を推奨
iPadの画面上のキーボード(ソフトウェアキーボード)でも入力は可能ですが、長文となる職務経歴書の作成には、Bluetooth接続などの「物理キーボード」の使用を強くおすすめします。画面の半分がキーボードで隠れることを防げるため、全体のバランスを見ながら作業ができ、タイピング速度も格段に上がります。カフェや外出先でも、PCと同じような環境で集中して書類作成ができるのは、iPadならではの機動力です。
iPadは、使い方次第で強力な転職活動ツールになります。適切なアプリとフォーマットを選び、PDF化というルールを守れば、PCで作成した書類と何ら変わらない、採用担当者の目に留まる職務経歴書を完成させることができます。





