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転職回数が多くても書類選考を通過する。複数社の経験を魅力的にまとめる「職務要約」の書き方と例文

keireki0530
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転職回数が多い方や、派遣社員・契約社員として多くの企業(複数社)を渡り歩いてきた方にとって、職務経歴書の冒頭にある「職務要約」の作成は大きな悩みどころです。正直に全てを羅列すれば長くなりすぎて要点がボヤけ、短くまとめすぎるとアピール不足になるからです。しかし、採用担当者は転職回数の多さそのものよりも、「そのキャリアを通じて何を得てきたのか」という一貫性や習熟度を見ています。バラバラに見える経歴の中から「キャリアの軸」を見つけ出し、一本のストーリーとして伝えることができれば、複数社の経験は「豊富な適応力」や「多角的な視点」という強力な武器に変わります。ここでは、複数社の経歴を持つ方が書類選考を通過するために知っておくべき職務要約の書き方のポイントと、パターン別の例文を紹介します。

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採用担当者が複数社の職務要約で確認したい3つのポイント

多くの企業を経験している応募者に対し、採用担当者は「即戦力性」と同時に「定着性」を懸念してチェックしています。職務要約では以下の3点をクリアにする必要があります。

  1. キャリアの一貫性(軸)はあるか会社は変わっても、「営業として顧客課題を解決してきた」「事務として業務効率化を推進してきた」といった共通のテーマがあるかを確認しています。
  2. 直近の経験が自社で活かせるか過去の全ての経歴を均等に扱う必要はありません。採用担当者が最も関心があるのは「直近のスキル」です。古い経歴は簡潔にし、直近の業務や応募先に関連する経験に重きを置いて構成します。
  3. 要約能力(プレゼン力)があるか複雑な経歴を200文字から300文字程度で分かりやすくまとめる構成力は、そのままビジネスにおける「文書作成能力」や「プレゼンテーション能力」として評価されます。

複数社の経験を一本の線で繋ぐ「抽象化」のテクニック

社名や職種がバラバラでも、業務内容を少し高い視点(抽象度)で見ると、共通点が見えてきます。これを「キャリアの軸」として冒頭に提示することで、読み手は安心して読み進めることができます。

  • 業界がバラバラだが職種は同じ場合「一貫して営業職に従事」「3社にわたり経理業務を担当」と職種を軸にします。(例:食品、IT、人材と業界は異なりますが、一貫して法人営業として新規開拓に従事してまいりました。)
  • 職種も業界もバラバラな場合「対人折衝」「課題解決」「サポート業務」など、ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を軸にします。(例:接客業、営業事務、コールセンターと異なる職種ですが、一貫して「顧客満足度の向上」をテーマに業務に取り組んでまいりました。)
  • 雇用形態が変わっている場合雇用形態には触れず、業務の規模感や役割を軸にします。(例:大手通信会社および関連企業計3社にて、一貫してネットワーク構築プロジェクトの進捗管理に従事しました。)

【同職種・キャリアアップ】専門性を強調する例文

会社は変わっても職種が一貫している場合は、経験社数ではなく「経験年数」の合計と「専門スキル」を強調して即戦力であることをアピールします。

【例文】

大学卒業後、一貫して10年間、食品および専門商社計3社にて法人営業に従事してまいりました。

1社目ではルートセールスを通じて関係構築の基礎を、2社目・3社目では新規開拓営業を中心に担当し、提案型営業のスキルを磨いてきました。特に直近の株式会社〇〇では、競合他社からのリプレイス提案に注力し、昨対比120パーセントの売上目標を2年連続で達成いたしました。これまでの経験で培った「顧客の潜在課題を引き出すヒアリング能力」と「粘り強い交渉力」を活かし、貴社の新規事業拡大に貢献したいと考えています。

【異業種・異職種】ポータブルスキルを軸にする例文

職歴に一貫性がないように見える場合は、共通する「スタンス」や「能力」を軸にしてまとめます。

【例文】

これまで販売職、営業事務、カスタマーサポートと計3社にて、一貫して「顧客対応と課題解決」を軸に業務に取り組んでまいりました。

販売職では顧客ニーズを汲み取る傾聴力を、営業事務では正確かつ迅速な処理能力を、直近のカスタマーサポートではクレーム対応を通じた問題解決能力を培ってきました。どの職種においても「相手の期待を超える対応」を心がけ、社内表彰を受けた実績があります。これら多様な顧客接点で培ったコミュニケーション能力と対応力を活かし、貴社の営業職として顧客との信頼関係構築に尽力します。

【派遣・契約社員】適応力と実務経験を強調する例文

派遣先などで多くの企業を経験している場合は、社名を列挙せず、経験した業界や業務の幅広さを「環境適応能力」としてアピールします。

【例文】

約8年間にわたり、派遣社員として大手電機メーカーやIT企業など計4社にて、一般事務および部内アシスタント業務に従事してまいりました。

Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を用いたデータ集計や、PowerPointによる会議資料作成を得意としており、即戦力として業務を遂行可能です。また、異なる企業文化や新しいシステム環境に即座に適応し、就業開始1週間後にはチームの一員として円滑に業務を回す適応力には自信があります。これまでの経験を活かし、貴社の事務部門において安定した業務遂行と効率化に貢献したいと考えています。

職務要約を書く際の注意点とNGパターン

複数社の経歴をまとめる際、最もやってはいけないのが「社歴の羅列」です。「A社に入社し退社、その後B社に入社し退社、現在はC社に…」と時系列で書くだけでは、履歴書を見れば分かる情報と同じになり、要約としての意味を成しません。また、「人間関係が悪く退職し…」といった退職理由を要約に盛り込むことも避けてください。要約はあくまで「あなたのキャリアのハイライト」です。ネガティブな情報は削ぎ落とし、「私がどのようなプロフェッショナルであるか」を一言で定義づけるポジティブなサマリーを作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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