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転職回数は武器になる。2社以上の経験を職務経歴書の職務要約で一本の線に繋げる書き方と例文集

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2社以上の企業を経験していることは、採用担当者にとって「即戦力」と「適応力」の両方を期待できる魅力的な要素です。しかし職務経歴書の冒頭にある職務要約において、単に「A社で営業をし、次にB社で事務をしました」と時系列に並べるだけでは、キャリアの一貫性が伝わらず「飽きっぽい」や「計画性がない」といった誤解を招くリスクがあります。重要なのは、複数の経験をバラバラの点としてではなく、一本の線で繋がったストーリーとして伝えることです。ここでは2社以上の経歴を持つ方が、自身のキャリアを魅力的に統合し、書類選考を通過するための職務要約の書き方のポイントとパターン別の例文を紹介します。

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採用担当者が2社以上の経験者に見ている3つのポイント

採用担当者は複数の企業を知っている応募者に対し、新卒や1社経験者にはない強みを求めています。職務要約では以下の3点を明確にする必要があります。

  1. キャリアの軸(一貫性)会社や職種が変わっても、根底にある「仕事へのスタンス」や「得意とするスキル」に共通点があるかを確認しています。ここが一貫していると、納得感のあるキャリアパスとして評価されます。
  2. 環境適応能力複数の組織を経験しているからこそ、新しい企業文化や人間関係、業務フローに素早く馴染める適応力があるかを見ています。
  3. 直近の成果と即戦力性過去の経歴も大切ですが、最も重要なのは「直近で何ができるか」です。古い経歴よりも直近の経験に重きを置いて書かれているかがチェックされます。

バラバラな経歴をまとめる「共通項探し」のテクニック

2社以上の経歴をまとめる際は、それぞれの会社での経験を「共通のキーワード」で括ることで一貫性を持たせます。

  • 職種が同じ場合「一貫して営業職に従事」「計2社にて経理業務を担当」と職種を軸にします。
  • 職種が異なる場合「顧客折衝」「課題解決」「業務改善」など、ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を軸にします。
  • 業界が異なる場合「異業界での知見を融合できる柔軟性」や「多角的な視点」を強みとして軸にします。

【同職種・キャリアアップ】専門性の深まりをアピールする例文

1社目と2社目以降で同じ職種を経験している場合は、経験社数ではなく「経験年数の合計」と、転職によってスキルがどう向上したかをアピールします。

例文

大学卒業後、一貫して8年間、食品商社およびIT企業の計2社にて法人営業に従事してまいりました。

1社目の食品商社では、ルートセールスを通じて顧客との長期的な信頼関係構築の基礎を固めました。その後、より提案力を高めたいと考え2社目のIT企業へ転職し、SaaS商材の新規開拓営業を担当しました。同社では課題解決型の提案を実践し、昨対比120パーセントの売上目標を達成しました。2社で培った「関係構築力」と「提案力」を活かし、貴社のソリューション営業として事業拡大に貢献したいと考えています。

【異業種・異職種】ポータブルスキルで一貫性を出す例文

職歴が一見バラバラに見える場合は、共通する「能力」や「姿勢」を軸にして、意図を持ってキャリアを積んできたことを伝えます。

例文

新卒で入社したアパレル販売会社および通信回線の販売代理店の計2社にて、一貫して「対人折衝」と「顧客満足度の追求」を軸に業務に取り組んでまいりました。

1社目の販売職では、顧客ニーズを引き出すヒアリング能力を培い、店舗の売上目標達成に貢献しました。2社目の通信回線販売では、より複雑な商材を扱う中で、論理的な説明能力とクレーム対応力を身につけました。異なる商材や客層においても、常に相手の立場に立った対応で成果を出してきた適応力があります。これまでの接客・販売経験で培ったコミュニケーション能力を活かし、貴社の営業事務として円滑な業務遂行に貢献します。

【3社以上・転職回数が多い】適応力と即戦力を強調する例文

3社以上の経験がある場合は、社名をすべて列挙すると長くなるため、経験した業界や業務の幅広さを「環境適応能力」としてポジティブに変換します。

例文

約10年間にわたり、大手電機メーカー、物流企業、人材サービス企業など計3社にて、一般事務および部内アシスタント業務に従事してまいりました。

各社において専用システムを使用した受発注業務や、エクセル(VLOOKUP・ピボットテーブル)を用いた計数管理を担当し、即戦力として業務遂行が可能です。また、多くの職場を経験する中で、異なる企業文化や新しい業務フローに即座に適応し、就業開始直後からチームの一員として円滑に業務を回す適応力を身につけました。これまでの豊富な実務経験を活かし、貴社の事務部門において安定した業務遂行と効率化に貢献したいと考えています。

職務要約を書く際の注意点

2社以上の職務要約を書く際、文字数は200文字から300文字程度に収めるのが理想的です。それぞれの会社での退職理由(「ノルマがきつくて」「残業が多くて」など)を書く必要はありません。職務要約はあくまで「あなたのキャリアのハイライト」です。ネガティブな情報は削ぎ落とし、「私がどのような強みを持つプロフェッショナルであるか」を一言で定義づけるポジティブなサマリーを作成することで、採用担当者に安心感を与えることができます。

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キャリアアドバイザー
人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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