Wantedlyの書類選考の実態とプロフィールを強化してカジュアル面談につなげる方法
ビジネスSNSとして知られるWantedly(ウォンテッドリー)は、給与や条件ではなく「共感」を軸にしたマッチングを行う独自のプラットフォームです。「話を聞きに行きたい」というボタン一つで気軽に企業へアプローチできる点が魅力ですが、実際にはボタンを押しても企業から返信が来ない、あるいは面談に進めないという悩みを抱えるユーザーが少なくありません。Wantedlyには従来の書類選考とは異なる独自のルールや通過基準が存在します。ここではWantedlyにおける実質的な書類選考の仕組みや、採用担当者の目に留まるプロフィールの作り方、そしてカジュアル面談への切符を掴むための戦略について詳しく解説します。
Wantedlyにも実質的な書類選考は存在します
Wantedlyは「カジュアル面談」を推奨しており、形式張った選考プロセスを排除しているようなイメージがありますが、実際には「話を聞きに行きたい」ボタンを押した時点で実質的な書類選考が始まっています。人気企業には毎日多くのエントリーが集まるため、採用担当者は全員と面談することは物理的に不可能です。そのため、まずは登録されているプロフィール情報を見て、会って話をするべき人材かどうかを判断しています。
従来の転職サイトのように履歴書や職務経歴書を添付して送るわけではありませんが、Wantedly上のプロフィールページがその役割を担っています。ここが空欄だらけであったり、情報が古かったりすると、判断材料がないためスルーされてしまいます。「気軽に話を聞きに行ける」というのは、あくまで企業側が「会いたい」と判断した場合に限られるという現実を理解しておく必要があります。
企業からの返信が来ない理由はプロフィールの充実度不足
Wantedlyでエントリーしたものの企業から連絡が来ない場合、その最大の理由はプロフィールの充実度不足にあります。採用担当者はプロフィールの「サマリー(自己紹介)」や「職歴」「学歴」を見て、自社のカルチャーに合うか、求めるスキルを持っているかを確認しています。特に写真は第一印象を大きく左右するため、ビジネスシーンに適した明るい表情の写真が設定されているかは重要なチェックポイントです。
またWantedlyでは、不採用の場合に連絡を行わない、いわゆる「サイレントお祈り」が一般的な文化として定着しています。エントリーから1週間から2週間経過しても企業からメッセージが届かない場合は、プロフィールの内容でマッチングしなかったと判断し、次の企業へアプローチを切り替えるのが賢明です。返信率を上げるためには、まず自身のプロフィールを見直し、情報を充実させることが最優先課題となります。
通過率を高めるプロフィールの作成ポイント
Wantedlyのプロフィール作成において、最も力を入れるべきなのは「この先やってみたいこと」の項目と、具体的なスキルの記述です。一般的な職務経歴書では「過去の実績」が重視されますが、Wantedlyでは「未来へのビジョン」や「価値観」が重視されます。自分が仕事を通じて成し遂げたいことや、どのような環境で働きたいかという想いを自分の言葉で綴ることで、企業のミッションとの共感を生み出すことができます。
一方で、ビジョンだけでなく実務能力の証明も不可欠です。職歴欄には具体的なプロジェクト内容や担当業務、使用したツールなどを詳細に記載します。エンジニアやデザイナーであればGitHubやポートフォリオのリンクを、ビジネス職であればnoteやブログ、Twitter(X)などのSNSリンクを貼ることで、スキルや人となりを立体的に伝えることができます。Wantedlyは「人」にフォーカスした媒体ですので、人間味と実力の両方をアピールする構成が効果的です。
エントリー時にメッセージを添えて熱意をアピールする
「話を聞きに行きたい」ボタンを押す際、企業によってはメッセージを添えてエントリーできる場合があります。また、プレミアムプランなどに加入していれば、ダイレクトメッセージを送ることも可能です。単にボタンを押すだけの応募者が多い中で、丁寧なメッセージが添えられていると採用担当者の目に留まりやすくなります。
メッセージの内容は長文である必要はありません。「なぜその会社に興味を持ったのか」「自分のどの経験が活かせそうか」を簡潔に伝え、まずは一度お話しさせていただきたいという謙虚かつ前向きな姿勢を示します。「プロフィールを拝見し、〇〇という理念に強く共感しました」といった具体的な言及があると、定型文ではない本気度が伝わり、返信率の向上が期待できます。
カジュアル面談に進むためのマインドセット
Wantedlyでの転職活動は、数打ちゃ当たるという考え方よりも、自分の価値観に合う企業を丁寧に探し、プロフィールを通じて対話するという姿勢が求められます。プロフィールは一度作って終わりではなく、反応を見ながら随時アップデートし続けることが大切です。
またWantedly経由で連絡が来て面談に進んだとしても、それは「合格」ではなく「相互理解のスタート」です。企業側もまだ選考という意識ではないことが多いため、リラックスして臨みつつも、しっかりと自分の魅力を伝え、企業の課題を聞き出す姿勢が必要です。カジュアル面談は実質的な一次面接の役割を果たすことも多いため、プロフィールの内容と面談での発言に一貫性を持たせることが、次のステップに進むための鍵となります。





