ハローワーク経由の書類選考にかかる期間の目安と連絡が遅い時の対処法

ハローワーク（公共職業安定所）を通じて求人に応募する場合、転職サイト経由での応募とは異なる流れや特有のルールが存在します。特に書類選考にかかる期間については、郵送でのやり取りが中心となることもあり、Web応募よりも時間がかかる傾向にあります。紹介状をもらって応募書類を送付した後、いつ頃連絡が来るのか、なかなか連絡が来ない場合はどうすればよいのかと不安になる方も多いでしょう。ここではハローワーク経由での書類選考にかかる平均的な期間や、連絡が遅れる理由、そして結果待ちの間に取るべき適切な行動について詳しく解説します。

一般的な選考期間は紹介状の記載を目安にする

ハローワークで求人に応募する際、窓口で発行される「紹介状」には、選考結果の通知時期や選考方法が記載されています。多くの求人票では「書類到着後7日以内」や「10日程度」と設定されていることが一般的です。したがって、まずはこの紹介状や求人票に記載されている日数を基準として考えるのが基本です。

ただしハローワークの応募は、現在でも紙の履歴書と職務経歴書を郵送で提出するケースが主流です。Web応募であればデータ送信と同時に企業へ届きますが、郵送の場合は投函してから企業の手元に届くまでに1日から2日、土日を挟めばさらに日数がかかります。そのため「7日以内」という記載があっても、郵送にかかる往復の日数を考慮すると、実際の結果連絡までは1週間から10日、場合によっては2週間近くかかることも珍しくありません。Web応募に比べて物理的なタイムラグが発生することをあらかじめ想定しておく必要があります。

ハローワーク求人ならではの連絡が遅くなる事情

ハローワークに掲載されている求人は、地域の中小企業や小規模事業所が多くを占めています。こうした企業では専任の採用担当者がおらず、社長や現場の責任者が通常業務の合間を縫って採用活動を行っているケースが多々あります。そのため繁忙期や業務上のトラブルが発生すると、どうしても選考業務が後回しになり、書類の確認自体が遅れてしまうことがあります。

またハローワークのシステム上、企業側には「選考結果を必ず通知する義務」がありますが、その期限に対する意識が企業によってまちまちであることも事実です。ルーズな企業の場合、紹介状に記載された期限を過ぎても連絡がないという事態が発生することがあります。さらに「書類選考通過者のみに電話連絡し、不採用者には書面で通知」という方法をとっている場合、不採用通知の郵送に時間がかかり、結果を知るまでに長い時間を要することもあります。

連絡が来ない時はまずハローワークへ相談するのが鉄則

もし紹介状に記載された期限や、目安となる2週間を過ぎても企業から何の連絡もない場合は、状況を確認する必要があります。この時、ハローワーク経由の応募で最も推奨される対処法は、自分で直接企業に連絡するのではなく、ハローワークの窓口に相談することです。

ハローワークには企業に対して選考状況の確認や結果通知の催促を行う権限があります。求職者が直接企業に「結果はまだですか」と問い合わせると、担当者の心証を害してしまうリスクがありますが、ハローワークの職員を通じて「応募者から連絡がないと相談が入っている」と伝えてもらうことで、角を立てずに状況を確認することができます。企業側も公的機関からの連絡であれば無下にはできず、速やかに対応してくれる可能性が高まります。相談する際は、応募した年月日と企業名、そして「〇日経過しましたが連絡がありません」という事実を冷静に伝えましょう。

自分で問い合わせる場合の注意点とマナー

ハローワークに相談する時間が取れない場合や、どうしても自分で直接確認したい場合は、企業へ電話で問い合わせることも可能です。その際は、紹介状に記載された期限を確実に過ぎていることを確認してから連絡します。

電話では「ハローワークより応募いたしました〇〇と申します」と名乗り、「〇月〇日に応募書類をお送りいたしましたが、選考状況について確認させていただきたくご連絡いたしました」と丁寧に伝えます。この時、「連絡が遅いのですが」といった不満を漏らすのではなく、あくまで「郵送事故などの行き違いがないか心配で連絡した」というスタンスで話すのがマナーです。またハローワークの求人票を見て電話していることが伝わるよう、求人番号などを手元に控えておくとスムーズです。

待っている時間を次のチャンスにつなげる

ハローワークの求人は、採用決定までのスピードが企業によって大きく異なります。一社の結果を待っている間に、他の良い求人が募集を終了してしまうことも少なくありません。特にハローワークを利用する層は、地域密着で長く働ける職場を探していることが多く、条件の良い求人は競争率が高くなります。

結果連絡を待っている期間は、不安になる時間ではなく、次の行動を起こすための時間と捉えることが大切です。ハローワークの求人検索機やインターネットサービスを使って新しい求人をチェックしたり、履歴書や職務経歴書の内容を見直してブラッシュアップしたりすることで、時間を有効活用できます。もし連絡が遅い企業が不採用だったとしても、並行して他の準備を進めていれば、すぐに気持ちを切り替えて次の応募に取り組むことができます。ハローワークという仕組みを上手く活用しつつ、自分主導で積極的に活動を進める姿勢が納得のいく就職につながります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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