職務経歴書をメールで送付する際のマナーとそのまま使える例文集
転職活動において、応募書類をメールで送付する機会は非常に多くなりました。郵送とは異なり、メールでの送付はスピード感が求められる一方で、件名の付け方や本文の書き方、ファイルの添付方法など、ビジネスパーソンとしての基本的なITリテラシーやマナーが問われる場面でもあります。
採用担当者は、送られてきたメールの文面や形式から、応募者の実務能力や配慮の細やかさを判断しています。ここでは、好印象を与え、スムーズに書類選考へと進むためのメール作成のポイントと、状況別にそのまま使える例文を紹介します。
メール送付における基本マナーと事前準備
メールを作成する前に、まずは送付するファイル自体の準備と、メールを送る際の基本的なルールを確認します。これらの配慮があるかどうかで、採用担当者の受ける印象は大きく変わります。
ファイル形式はPDFに変換する
WordやExcelで作成した職務経歴書は、必ずPDF形式に変換してから送付します。Wordのまま送付すると、採用担当者のパソコン環境(OSやソフトのバージョン)によってレイアウトが崩れてしまったり、誤って内容が書き換えられてしまったりするリスクがあるからです。PDFであれば、どのような環境でも意図した通りのレイアウトで表示され、印刷もしやすいため、相手への配慮となります。
採用担当者が管理しやすいファイル名にする
ファイル名は、中身を見なくても誰の何の書類かが分かるように設定します。「職務経歴書.pdf」や「syourei.pdf」といったファイル名では、採用担当者が保存した際に誰の書類か分からなくなってしまいます。
日付、氏名、書類名の順で記載するのが一般的です。
例:20251203_転職太郎_職務経歴書.pdf
例:20251203_転職太郎_履歴書.pdf
件名は用件と氏名を明確にする
採用担当者は1日に何十通ものメールを受信しています。件名を見ただけで、誰からどのような用件で届いたのかが分かるようにします。
件名の例:応募書類のご送付(氏名)
件名の例:【履歴書・職務経歴書送付の件】氏名
このように、用件と氏名を件名に含めることで、他のメールに埋もれることを防ぎ、優先的に開封してもらえる可能性が高まります。
【ケース別】職務経歴書送付メールの例文
ここでは、具体的なシチュエーションに合わせたメールの文面を紹介します。ご自身の状況に合わせて、カッコ内の部分を書き換えて使用してください。
ケース1:企業の採用担当者へ直接応募する場合
最も標準的な形式です。求人サイトや企業のホームページを見て、指定されたアドレスに送る場合に使用します。
件名:
応募書類のご送付(氏名)
本文:
株式会社〇〇
人事部 採用担当者様
初めてご連絡いたします。
〇〇と申します。
貴社の求人情報を拝見し、〇〇職に応募したく、
下記の通り応募書類を送付いたします。
【添付書類】
- 履歴書(20251203_氏名_履歴書.pdf)
- 職務経歴書(20251203_氏名_職務経歴書.pdf)
ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、
ぜひ面接の機会をいただけますと幸いです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
氏名:〇〇 〇〇 郵便番号:〒000-0000 住所:〇〇県〇〇市〇〇区1-2-3 電話番号:090-0000-0000 メールアドレス:sample@email.com
ケース2:パスワードを設定して送付する場合
セキュリティへの配慮として、ファイルにパスワードを設定する場合は、ファイルを添付したメールと、パスワードを記載したメールの2通に分けて送ることが一般的です。ただし、近年はパスワード付きZIPファイル(PPAP)を廃止する企業も増えているため、企業の指示がない場合はケース1のようにそのまま送付しても問題ない場合が多いです。もし設定する場合は以下の手順で行います。
1通目:ファイルを添付したメール
件名:
応募書類のご送付(氏名)
本文:
株式会社〇〇
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇と申します。
この度、貴社の〇〇職に応募したく、
履歴書および職務経歴書を送付いたします。
セキュリティ保護のため、添付ファイルにはパスワードを設定しております。
後ほどお送りするメールにて、パスワードをご連絡いたします。
お手数をおかけいたしますが、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
(以下、署名)
2通目:パスワードを通知するメール
件名:
【パスワード】応募書類のご送付(氏名)
本文:
株式会社〇〇
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇です。
先ほどお送りした応募書類のパスワードをご連絡いたします。
パスワード:Pass1234
お手数をおかけいたしますが、ご確認をお願い申し上げます。
(以下、署名)
ケース3:転職エージェントへ送付する場合
転職エージェントの担当者に送る場合は、少し表現を柔らかくしつつ、丁寧な姿勢を保ちます。
件名:
職務経歴書・履歴書のご送付(氏名)
本文:
〇〇株式会社
キャリアアドバイザー 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
〇〇です。
先日ご依頼いただきました応募書類を作成しましたので、
PDF形式にて送付いたします。
【添付書類】
- 履歴書
- 職務経歴書
内容について修正すべき点やアドバイスなどがございましたら、
ご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、
ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
(以下、署名)
送信前に確認すべきチェックリスト
メールを作成し、ファイルを添付したら、送信ボタンを押す前に必ず最終確認を行います。以下のポイントをチェックしてください。
宛先の会社名、部署名、担当者名に間違いはないか
件名は分かりやすく記入されているか
本文に誤字脱字はないか
正しいファイルが添付されているか(古いバージョンのファイルを送っていないか)
ファイル形式はPDFになっているか
署名(氏名、住所、連絡先)は入っているか
特に、他社へ送ったメールの文面を使い回す際に、会社名の修正漏れが発生するケースがあります。これは致命的なミスとなるため、送信前には指差し確認をするくらいの慎重さが求められます。
メールも選考の一部であるという意識を持つ
職務経歴書を送るメールは、単なる事務的な手続きではありません。ビジネスメールのマナーを守り、相手が見やすく、管理しやすい状態で送ることは、入社後の仕事ぶりを予感させるポジティブなアピールになります。
丁寧で配慮の行き届いたメールを送ることで、書類選考の通過率を高め、面接へのチャンスを掴み取ってください。





