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職務経歴書で「マネジメント経験」を高く売る書き方と職種別例文

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転職市場において、マネジメント経験は非常に需要が高く、年収アップやキャリアアップを狙うための強力な武器になります。しかし、「部長でした」「課長でした」という役職名を書くだけでは、あなたの実力は伝わりません。

採用担当者が見ているのは、あなたが「どのような組織で」「どれくらいの規模を」「どのように動かして成果を出したか」という具体的な手腕です。

ここでは、マネジメント経験を魅力的な実績としてアピールするための書き方のポイントと、職種・ポジション別の具体的な例文を紹介します。

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マネジメント経験で必ず記載すべき「3つの数字」

マネジメント能力を客観的に評価してもらうためには、定性的な表現(頑張りました、まとめました)ではなく、定量的な「数字」で事実を伝えることが鉄則です。以下の3つの要素を必ず盛り込んでください。

1. マネジメントの「規模」

あなたが動かしていた組織の大きさを数字で示します。

  • 部下の人数: 「課長として15名(正社員10名、派遣社員5名)のマネジメント」
  • 組織の階層: 「部長として3つの課(計50名)を統括」
  • 予算規模: 「年間予算3億円の管理および決裁権限」

2. 組織としての「成果(実績)」

個人の成果ではなく、チームや部署としてどのような成果を出したかを記載します。マネージャーの評価は「チームを勝たせたかどうか」で決まります。

  • 「営業部全体の売上を前年比120%へ成長させた」
  • 「部署内の残業時間を月平均20時間削減し、生産性を向上させた」
  • 「離職率を15%から5%へ改善し、組織の定着化に成功した」

3. 変革をもたらした「期間と改善率」

現状維持ではなく、課題に対してどのようなアクションを起こし、どれくらいの期間で変化させたかも重要です。

  • 「着任後半年で赤字部門を黒字化した」
  • 「3ヶ月で新システムの導入を完了させ、コストを10%削減した」

【職種別】マネジメント経験の職務経歴書 例文

それでは、職種ごとにマネジメント経験をアピールする例文を紹介します。ご自身の経験に合わせて、数値やエピソードを調整して活用してください。

例文1:営業マネージャー(課長・プレイングマネージャー)

【アピールポイント】

個人の実績よりも「仕組み化」や「人材育成」による組織力の底上げを強調します。

■ 職務要約

ITソリューション企業の営業課長として、約10名のメンバーマネジメントおよび年間予算2億円の予実管理を担当。着任当初、属人化していた営業プロセスを標準化するため、KPI管理の徹底とナレッジ共有の仕組みを構築しました。その結果、チーム全体の成約率を底上げし、2年連続で部内トップの売上目標達成(昨対比115%)を実現しました。

■ マネジメント実績・取り組み

  • 組織規模: 営業第二課 課長(部下12名:リーダー2名、メンバー10名)
  • 売上管理: 年間予算2.5億円の必達および四半期ごとの戦略策定

【主な取り組み】

1. 営業プロセスの可視化と標準化(型化)

トップセールスの商談手法を言語化し、トークスクリプトと提案資料のテンプレートを作成。チーム全体に展開することで、新人メンバーの初受注までの期間を平均3ヶ月から1ヶ月へ短縮しました。

2. 1on1ミーティングによるモチベーション管理

週次での1on1を実施し、数値目標だけでなくキャリアビジョンの共有を徹底。メンバーの主体性を引き出すコーチングを行い、直近3年間のチーム離職率ゼロを達成しました。

例文2:管理部門マネージャー(経理・総務・人事)

【アピールポイント】

業務効率化、コスト削減、制度設計、リスク管理など、組織基盤を強化した実績を強調します。

■ 職務要約

製造業の管理本部にて経理・総務マネージャーとして従事。実務を取り仕切りながら、部下7名の指導・育成および業務フローの再構築を担当しました。特に、ペーパーレス化とクラウド会計システムの導入を主導し、月次決算の早期化(5営業日短縮)と年間コスト300万円の削減に貢献しました。経営層への月次報告を通じ、経営判断に資する財務データの提供に尽力してきました。

■ マネジメント実績・取り組み

  • 組織規模: 管理部 マネージャー(部下7名)
  • 担当領域: 経理財務、総務、労務管理全般

【主な取り組み】

1. バックオフィス業務のDX推進

経費精算システムと勤怠管理システムを刷新・連携させ、手入力工数を大幅に削減。創出された時間で部下のスキルアップ研修を実施し、多能工化(業務の属人化解消)を推進しました。

2. 評価制度の改定と運用

人事部と連携し、事務職向けの評価制度(コンピテンシー評価)の設計に関与。定量化しにくい事務業務の評価基準を明確化し、部下の納得感とモチベーション向上に寄与しました。

例文3:エンジニア・プロジェクトマネージャー(PM/VPoE)

【アピールポイント】

QCD(品質・コスト・納期)管理、技術選定、採用、組織文化の醸成を強調します。

■ 職務要約

Webサービス開発企業にて、開発部長としてエンジニア組織(30名規模)の統括および採用責任者を担当。大規模リニューアルプロジェクト(予算1億円規模)のPMを兼務しながら、開発ラインの最適化とエンジニアの評価制度構築を行いました。技術的負債の解消に向けたリファクタリング計画を主導し、開発スピードと品質の向上を両立させました。

■ マネジメント実績・取り組み

  • 組織規模: 開発部 部長(部下30名:エンジニア、デザイナー、QA)
  • 採用・組織: エンジニア採用計画の立案・実行、技術広報活動

【主な取り組み】

1. 開発プロセスの改善(アジャイル導入)

ウォーターフォール型からスクラム開発への移行を指揮。スプリントごとの振り返りを定着させ、リリースサイクルを2週間から1週間へ短縮しました。

2. エンジニア採用と組織文化の醸成

テックブログの立ち上げや勉強会の主催により技術ブランディングを強化。年間10名のエンジニア採用に成功するとともに、心理的安全性の高いチーム作りを推進しました。

例文4:リーダー・主任(役職なし・後輩指導経験)

【アピールポイント】

正式な管理職でなくても、リーダーシップを発揮してチームを牽引した経験はマネジメント能力として評価されます。

■ 職務要約

店舗の販売リーダーとして、店長の補佐およびアルバイトスタッフ15名の教育・シフト管理を担当。現場のオペレーション改善を主導し、混雑時の回転率向上に取り組みました。また、新人教育カリキュラムを作成し、スタッフの戦力化までの期間を短縮することで、店舗全体の売上昨対比110%達成に貢献しました。

■ リーダー実績・取り組み

  • 役割: アルバイトリーダー(スタッフ15名の指導・管理)
  • 業務: シフト作成、新人教育、クレーム対応、発注管理

【主な取り組み】

1. 新人教育マニュアルの作成と定着率向上

業務が口頭伝承になっていた課題に対し、写真付きのマニュアルを作成。業務の標準化を図るとともに、新人スタッフの不安を解消するメンター制度を導入し、半年以内の離職率を30%から10%へ改善しました。

2. チーム目標の達成に向けた声掛け

個人目標だけでなく店舗目標を達成するため、日々の朝礼で進捗を共有し、スタッフ間の連携を強化。チームワークを醸成することで、繁忙期の売上最大化に貢献しました。

マネジメント経験を書く際の注意点

「プレイング」と「マネジメント」の割合を明確にする

多くの企業で求められる「プレイングマネージャー」の場合、個人の実績とチームの実績のバランスが重要です。

よくある失敗例は、個人の実績ばかりを書いてしまい、「この人は自分でやったほうが早いと考えて、部下を育てないタイプではないか」と懸念されることです。

職務経歴書では、「【個人実績】」と「【マネジメント実績】」を分けて記載し、「自ら背中を見せて引っ張る力」と「組織を育てる力」の両方を持っていることをアピールするのが効果的です。

「再現性」のあるスキルとして伝える

採用担当者が知りたいのは「前の会社で成果を出したこと」だけでなく、「自社に入っても同じように組織を良くしてくれるか」ということです。

そのため、「なぜその施策を行ったのか(課題分析)」、「どのように実行したのか(プロセス)」を論理的に記述し、どの組織でも通用するマネジメントスキルを持っていることを証明してください。

マネジメント経験は、キャリアにおける最大の強みです。これまでの経験を棚卸しし、具体的な数字とエピソードで「組織を動かす力」を職務経歴書に表現してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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