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看護師の職務経歴書 自己PR例文集と採用担当者に響く書き方ガイド

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看護師の転職活動において、職務経歴書の「自己PR」は、あなたの看護観や実務能力を採用担当者に伝えるための最も重要なスペースです。

履歴書にも自己PR欄はありますが、職務経歴書ではより具体的かつ詳細に、「これまでどのような看護を実践し、どのような強みを持っているか」をアピールする必要があります。しかし、「書き方がわからない」「ありきたりな内容になってしまう」と悩む方は少なくありません。

ここでは、採用担当者の視点を踏まえた自己PRの書き方のコツと、診療科や経験年数、希望先に応じた具体的な例文を紹介します。


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採用担当者に響く自己PRの書き方 3つの鉄則

説得力のある自己PRを作成するためには、以下の3段構成で文章を組み立てるのが基本です。

1. 結論(私の強みは〇〇です)

最初に自分の強みを一言で言い切ります。「コミュニケーション能力」「アセスメント能力」「粘り強さ」など、キーワードを提示します。

2. 根拠・エピソード(具体的にどう発揮したか)

その強みが発揮された具体的な場面を記述します。

  • 「〇〇科病棟で〇年間勤務し~」
  • 「急変時対応において~」
  • 「患者様やご家族との関わりの中で~」このように、具体的な状況や行動、そして可能であれば数字(担当患者数、経験年数、病床数など)を盛り込むことで、話の信憑性が高まります。

3. 貢献・結び(入社後どう活かすか)

その強みを活かして、応募先の病院や施設でどのように貢献したいかで締めくくります。「貴院の理念である〇〇に貢献したい」「即戦力として〇〇の分野で力を発揮したい」といった前向きな意欲を示します。


【ケース別】そのまま使える自己PR例文集

ここからは、状況や希望先に合わせた具体的な例文を紹介します。ご自身の経験に近いものをベースに、エピソードを調整して活用してください。

ケース1:急性期病棟での経験をアピールする場合

【アピールポイント】 アセスメント能力、スピード、急変対応、多重課題への対応力

【的確なアセスメント能力と迅速な対応力】

私は、脳神経外科の急性期病棟で5年間勤務し、術直後の全身管理や急変時の対応力を養ってきました。意識レベルの変化やバイタルサインの微細な変動を見逃さず、早期発見・早期対応を行うことを常に心がけています。

特に、多重課題が重なる繁忙時においても、優先順位を瞬時に判断し、安全安楽な看護を提供することに自信があります。これまでの経験で培った観察力と判断力を活かし、貴院の救急外来においても、チーム医療の一員として迅速かつ的確な看護を実践したいと考えております。

ケース2:慢性期・療養型で「寄り添う看護」をアピールする場合

【アピールポイント】 傾聴力、患者・家族ケア、退院調整、長期的な関わり

【患者様とご家族の想いに寄り添う傾聴力】

回復期リハビリテーション病棟での経験を通じ、患者様一人ひとりの人生背景や価値観を尊重した看護を大切にしてきました。身体的なケアだけでなく、精神的な不安を抱える患者様やご家族の声を丁寧に傾聴し、多職種と連携して在宅復帰に向けた環境調整に尽力しました。

「あなたに話してよかった」と言っていただいた経験が私の原動力です。貴院においても、患者様が安心して療養生活を送れるよう、心に寄り添う看護を提供し、信頼関係の構築に努めてまいります。

ケース3:クリニックへ転職(即戦力と接遇重視)

【アピールポイント】 採血・点滴などの手技、事務処理能力、接遇マナー

【確実な看護技術と高い接遇スキル】

総合病院の内科病棟にて、採血、点滴、心電図モニター管理などの基礎的な看護技術を確実に習得してまいりました。特に血管確保が困難な患者様への対応経験も豊富で、手技の正確さとスピードには自信があります。

また、クリニックにおいては「病院の顔」としての役割も重要であると考え、患者様への丁寧な言葉遣いや笑顔での対応、待ち時間への配慮など、接遇面の向上にも努めてきました。即戦力として貴クリニックの円滑な診療をサポートし、患者様満足度の向上に貢献したいと考えております。

ケース4:訪問看護・介護施設へ転職

【アピールポイント】 判断力、生活を支える視点、他職種連携

【生活の場における判断力と多職種連携】

病棟勤務時代、退院後の生活に不安を抱える患者様を多く担当し、「生活の場」でその人らしく過ごすための支援がしたいと強く思うようになりました。

これまでの臨床経験で培ったアセスメント能力を活かし、医師が不在の環境でも利用者の状態変化を的確に捉え、適切な判断と連携を行うことができます。また、ケアマネジャーやヘルパーなど多職種との情報共有を密に行い、チーム全体で利用者様のQOL向上を支える看護を実践したいと考えております。

ケース5:リーダー・プリセプター経験をアピール

【アピールポイント】 マネジメント能力、新人教育、業務改善、調整力

【チームをまとめる調整力と新人育成の実績】

消化器外科病棟にてリーダー業務およびプリセプターを3年間担当いたしました。リーダーとしては、スタッフの業務負担を考慮した調整や、医師との連携強化による業務効率化を推進し、残業時間の削減に貢献しました。

また、新人教育においては、個々の習熟度に合わせた指導計画の立案とメンタルサポートを徹底し、担当した後輩全員が離職することなく独り立ちしました。このマネジメント経験と教育スキルを活かし、貴院の看護部においても組織の中核として貢献したいと考えております。

ケース6:経験が浅い(第二新卒)場合

【アピールポイント】 素直さ、吸収力、向上心、基本的な看護技術

【向上心を持って学び続ける吸収力】

循環器内科病棟で2年間勤務し、基本的な看護技術の習得と、患者様の安全を守るための報告・連絡・相談の徹底を身につけました。経験年数は浅いですが、新しい知識や技術を吸収する意欲は人一倍強く持っています。

前職では、自身の知識不足を補うために院内研修には全て参加し、自己学習ノートを作成して日々の業務に活かしてきました。貴院においても、先輩方からの指導を素直に受け入れ、一日も早く戦力となれるよう、誠実に業務に取り組んでまいります。


自己PRで避けるべきNG表現と改善策

せっかくの経験も、書き方ひとつでマイナス評価につながることがあります。以下のNGポイントに注意しましょう。

  • 「勉強させていただきます」という受け身の姿勢
    • NG: 「貴院で多くのことを勉強させていただきたいです。」
    • 改善: 病院は学校ではありません。「自ら学び、知識を還元して貢献する」という能動的な姿勢を示しましょう。
  • 抽象的すぎる表現
    • NG: 「コミュニケーション能力があります。」
    • 改善: 誰と、どのような場面で、どう工夫したコミュニケーションなのかを具体的に書きましょう(例:認知症患者様への対応、医師との調整など)。
  • 前の職場の不満
    • NG: 「前職は忙しすぎて患者様と向き合えなかったので…」
    • 改善: 「より一人ひとりの患者様とじっくり向き合う看護を実践したいと考え…」と、ポジティブな理由に変換しましょう。

自分の言葉で「看護観」を伝える

職務経歴書の自己PRは、あなたの看護師としての「顔」が見える場所です。

例文を参考にしつつも、必ずご自身が実際に体験したエピソード(忘れられない患者様との関わり、失敗から学んだこと、達成感を感じた瞬間など)を盛り込んでください。

きれいな文章を書くことよりも、「どのような看護師でありたいか」という熱意と、これまでの経験に基づいた実直な姿勢を伝えることが、採用担当者の心を動かす鍵となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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