2025.12.02

介護福祉士の職務経歴書例文と採用担当者に響く書き方完全ガイド

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介護業界は慢性的な人手不足と言われていますが、好条件の施設や人気の高い事業所への転職となると競争率は決して低くありません。特に国家資格である「介護福祉士」を持つ方には、現場リーダーや即戦力としての期待が寄せられるため、その実力を書類で適切にプレゼンテーションする必要があります。

採用担当者は、資格の有無だけでなく、どのような環境で、どのようなケアを実践し、チームにどう貢献できる人物かを見極めようとしています。ここでは、介護福祉士の経験を最大限に評価してもらうための職務経歴書の書き方と、状況別の具体的な例文を紹介します。

Contents

介護福祉士の職務経歴書で採用担当者が重視する3つのポイント
基本構成と「介護福祉士」資格のアピール方法
【ケース別】介護福祉士の職務経歴書例文
書類作成時の注意点と仕上げ

介護福祉士の職務経歴書で採用担当者が重視する3つのポイント

職務経歴書を作成する前に、採用側が介護福祉士に求めている要素を整理しておくことが重要です。以下の3点を意識して書類を構成することで、説得力が格段に増します。

経験した施設形態と業務の幅

特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、訪問介護など、施設形態によって求められるスキルやスピード感は異なります。また、身体介助だけでなく、看取りケア、認知症ケア、リハビリ補助など、どの程度の業務に対応できるかという「対応力」が評価の鍵となります。

施設の規模と担当した利用者様の状況（数値化）

単に「介護業務全般」と書くだけでは、忙しさや難易度が伝わりません。入所定員数、平均介護度、担当していた利用者数、夜勤の回数などを具体的な数字で示すことで、あなたがどの程度の環境でスキルを磨いてきたかが客観的に伝わります。

チームマネジメントと指導経験

介護福祉士には、現場のリーダー役としての期待がかかります。フロアリーダーの経験、新人職員や実習生の指導経験、委員会活動（事故対策、感染症対策など）への参加実績は、マネジメント能力の証明となり、給与アップやキャリアアップに直結する重要なアピール材料です。

基本構成と「介護福祉士」資格のアピール方法

職務経歴書は、A4用紙1枚から2枚程度にまとめるのが一般的です。

職務要約

冒頭には、これまでのキャリアのあらすじを記載します。経験年数、経験した施設形態、得意とするケア（認知症ケアやターミナルケアなど）、そして介護福祉士として大切にしているスタンスを200文字から300文字程度でまとめます。

資格欄の書き方

「介護福祉士」は必ず正式名称で、登録年月とともに記載します。実務者研修や初任者研修、喀痰吸引等研修、認知症ケア専門士など、関連する資格も漏れなく記載し、専門性の高さをアピールします。

職務経歴詳細

在籍した施設ごとに、以下の項目を整理して記載します。

事業所名と施設形態（特養、デイサービスなど）
施設の規模（定員、居室数）
利用者層（平均介護度、認知症割合）
担当業務（身体介助、生活援助、夜勤、送迎など）
役割・実績（リーダー、プリセプター、委員会活動）

【ケース別】介護福祉士の職務経歴書例文

ここからは、経験や役割に応じた具体的な例文を紹介します。ご自身のキャリアに近いものをアレンジして活用してください。

ケース1：特別養護老人ホームでの経験（リーダー経験あり）

職務要約

介護福祉士として7年間、特別養護老人ホーム（定員100名）にて勤務しました。平均介護度4.0の重度化対応が必要な環境下で、身体介助全般および看取りケアに従事しました。直近3年間はフロアリーダーとして、スタッフ10名のシフト管理や育成、事故防止委員会の委員長を担当し、チームケアの質向上と安全管理に尽力しました。これまでの経験を活かし、貴施設においても利用者様の尊厳を守るケアと、円滑なチーム運営に貢献したいと考えています。

職務詳細

期間：20XX年4月～現在

勤務先：社会福祉法人〇〇会特別養護老人ホーム△△

施設概要：入所定員100名（従来型）、平均介護度4.0

担当業務

食事、入浴、排泄介助等の身体介護全般
夜勤業務（月5回程度、2名体制）
看取り介護の実践（年間約5名の看取りを担当）
ご家族への連絡、相談対応

役割・実績

フロアリーダー業務スタッフ10名の勤怠管理、シフト作成、業務分担の調整を行いました。定期的なミーティングを実施し、情報共有の漏れを防ぐ体制を構築しました。
事故防止への取り組み事故防止委員長として、ヒヤリハット報告の分析と共有会を毎月開催。ベッド柵の選定見直しや移乗介助の手順統一を行い、転倒事故件数を前年比20パーセント削減しました。
新人指導（プリセプター）新人職員および実習生の指導担当として、マニュアルに基づいたOJTを実施し、定着率の向上に努めました。

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私の強みは、全体を俯瞰しチームを動かすリーダーシップです。多忙な現場においても、スタッフ一人ひとりの様子に気を配り、声を掛け合うことで協力体制を築いてきました。また、利用者様の些細な変化を見逃さない観察力を活かし、医療職と連携して早期対応を行うことで、重度化予防にも貢献できると自負しております。

ケース2：有料老人ホームでの経験（接遇・個別ケア重視）

職務要約

介護付有料老人ホームにて4年間勤務し、利用者様一人ひとりの生活スタイルを尊重した個別ケアを実践してまいりました。入浴や排泄などの介助業務に加え、レクリエーションの企画・運営や、ご家族様への生活報告など、サービス業としての接遇面も重視して取り組んでまいりました。介護福祉士としての専門技術とホスピタリティを活かし、貴施設の利用者様が快適に過ごせる環境づくりに貢献いたします。

職務詳細

期間：20XX年4月～20XX年3月

勤務先：株式会社〇〇介護付有料老人ホーム□□

施設概要：定員50名（全室個室）、平均介護度2.5

担当業務

自立支援を意識した身体介助および生活援助
外出同行、買い物代行などの個別の要望対応
レクリエーション、季節行事の企画・運営
タブレット端末を使用した介護記録の入力

役割・実績

レクリエーションの充実利用者様の趣味や特技を活かしたサークル活動（書道、園芸）を立ち上げ、参加率を向上させました。生活の質（QOL）向上に寄与し、ご家族様からも高い評価をいただきました。
接遇マナーの向上「施設」ではなく「住まい」としての空間を提供するため、言葉遣いや身だしなみ、挨拶を徹底しました。

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私は「その人らしさ」を大切にするケアを信念としています。業務効率だけでなく、利用者様のペースに合わせた介助や、傾聴の時間を大切にすることで信頼関係を築いてきました。有料老人ホームで培った高い接遇スキルと、変化に気づく観察力を活かし、貴施設の利用者様に選ばれるサービスを提供したいと考えています。

ケース3：訪問介護への転職（在宅未経験からの挑戦）

職務要約

介護老人保健施設（老健）にて5年間、在宅復帰を目指す利用者様のケアに従事しました。リハビリ専門職と連携した自立支援介助や、退所後の生活を見据えたADL向上支援に注力しました。施設での経験を通じ、住み慣れた自宅での生活を支えたいという思いが強くなり、訪問介護を志望しました。介護福祉士としての確かな技術と、多職種連携の経験を活かし、在宅生活の安心を支えるヘルパーとして貢献したいと考えています。

自己PR

老健での勤務経験から、自立支援の視点を持った介助が得意です。「すべて手助けする」のではなく、「できることを維持・向上させる」ための見守りや声かけを実践してきました。訪問介護は未経験ですが、利用者様やご家族の生活空間に入らせていただく責任感を持ち、誠実な対応を心がけます。また、急変時などの判断力や、ケアマネジャーへの報告・連絡・相談（ホウレンソウ）を徹底し、チームケアの一員として信頼される存在を目指します。

書類作成時の注意点と仕上げ

介護福祉士の職務経歴書を作成する際は、以下の点に注意して仕上げを行ってください。

専門用語の適切な使用「褥瘡（じょくそう）」「嚥下（えんげ）」「拘縮（こうしゅく）」などの専門用語は、正しく使うことで知識の深さをアピールできます。ただし、読み手への配慮として、文脈の中で自然に使うよう心がけます。
PCスキルの記載介護記録の電子化が進んでいるため、iPadやPCでの入力が可能であることや、WordやExcelの使用経験があれば記載しておくと、事務処理能力のアピールになります。
退職理由は前向きに人間関係や給与への不満があってもそのまま書かず、「より専門性の高いケアに挑戦したい」「資格を活かしてキャリアアップしたい」といったポジティブな理由に変換して伝えます。

介護福祉士としての経験は、日本の高齢社会を支える貴重なスキルです。日々の業務を「当たり前のこと」として片付けず、一つひとつを「専門的な実績」として捉え直し、自信を持って職務経歴書に記載してください。

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