事務職の職務経歴書で好印象を与える自己PRの書き方と例文
事務職は有効求人倍率が低く人気が高い職種であるため、書類選考の難易度は比較的高い傾向にあります。採用担当者の目に留まり面接へと進むためには、単に業務内容を羅列するだけでなく、自己PR欄で自身の実務能力や仕事への取り組み方を効果的にアピールする必要があります。ここでは事務職の転職において評価されやすい自己PRの書き方やポイント、そしてそのまま参考にできる具体的な例文を紹介します。
事務職の採用担当者が求めている能力とは
自己PRを書く前に、企業側が事務職に対して何を求めているのかを理解しておくことが大切です。一般的に事務職には正確性とスピード、そして周囲へのサポート能力が求められます。売上に直接貢献する営業職とは異なり、事務職の成果は見えにくいものです。しかし採用担当者は職務経歴書の記述から、入社後にあなたがどのように組織を支え、業務効率化に貢献してくれるかをイメージしようとしています。具体的にはミスなく業務を遂行できる事務処理能力の高さや、パソコンスキル、そして社内外の人と円滑に業務を進めるコミュニケーション能力などが評価の軸となります。これらの要素がこれまでの経験の中にどのように含まれているかを言語化することが重要です。
評価される自己PRの構成テクニック
説得力のある自己PRを作成するためには、論理的な構成が不可欠です。思いついたことをそのまま書くのではなく、相手に伝わりやすい順序で文章を組み立てます。まずは結論として自分の強みを一言で言い切ります。次にその強みが発揮された具体的なエピソードや実績を記述します。ここで重要なのは可能な限り数字を入れることです。そして最後にその強みを活かして応募先の企業でどう貢献したいかで締めくくります。この3段構成を意識することで、読み手の頭にすっと入ってくる自己PRになります。
【例文1】一般事務経験者の自己PR
業務効率化と正確性をアピールする場合の例文です。
私は業務の効率化と正確な遂行に自信があります。現職の一般事務では月間約100件の請求書発行業務を担当していましたが、手作業による入力ミスや時間のロスが課題でした。そこでExcelの関数を活用して自動計算できるフォーマットを作成し、入力箇所を最小限に抑える改善を行いました。その結果、作業時間を月間10時間短縮し、計算ミスをゼロにすることができました。貴社においても現状の業務フローにとらわれず、常に改善意識を持って組織の生産性向上に貢献したいと考えています。
【例文2】営業事務経験者の自己PR
サポート力とコミュニケーション能力をアピールする場合の例文です。
私の強みは相手の状況を先読みして行動するサポート力です。前職の営業事務では10名の営業担当者をサポートしていましたが、単に依頼された資料を作成するだけでなく、商談の目的や相手先企業を把握した上で、プラスアルファのデータを添付することを心がけました。また営業担当者が外出している際は、顧客からの問い合わせに一次対応を行い、要点を整理して報告することでスムーズな商談進行を支えました。この経験を活かし、貴社の営業部の方々がコア業務に集中できる環境作りに尽力いたします。
【例文3】経理・総務経験者の自己PR
専門知識と責任感をアピールする場合の例文です。
数字に対する責任感と継続的な学習意欲が私の強みです。経理部門にて4年間、日次業務から月次決算補助までを担当しました。1円のズレも許されない環境下で、ダブルチェックの徹底とタスク管理を行うことで、ミスなく期限内に業務を完遂してきました。また業務の合間を縫って日商簿記2級を取得し、税務知識の習得にも励んでおります。実務で培った正確な処理能力と会計知識を活かし、貴社の管理部門の体制強化に貢献したいと存じます。
【例文4】未経験から事務職へ転職する場合の自己PR
販売・サービス業から事務職へ挑戦する場合の例文です。
私の強みは相手の立場に立った丁寧なコミュニケーション能力です。前職のアパレル販売員として3年間勤務し、幅広い年齢層のお客様に対して接客を行ってきました。お客様の要望を正確に聞き取り、期待以上の提案をすることで信頼関係を築いてきました。事務職は未経験ですが、販売職で培った傾聴力とホスピタリティは、電話対応や社内調整業務において活かせると考えています。また現在はPCスクールに通い、ExcelやWordの操作スキルを習得中です。早期に業務を覚え、貴社の円滑な業務運営に貢献できるよう努力いたします。
自己PRをブラッシュアップするためのポイント
書き上げた自己PRを見直す際は、客観的な視点を持つことが大切です。抽象的な言葉だけで終わっていないかを確認してください。「頑張りました」「貢献しました」という言葉だけでは説得力がありません。「作業時間を20パーセント削減しました」「顧客満足度アンケートで店舗1位を獲得しました」といったように、数字や事実に基づいて記述することで、あなたの実力がリアルに伝わります。また応募する企業の求める人物像と自分の強みが合致しているかも確認が必要です。企業がスピードを求めているのか、丁寧さを求めているのかによって、アピールするポイントを調整することで、書類選考の通過率は確実に高まります。





