医療事務の職務経歴書例文と書き方完全ガイド 書類選考を突破するアピール術
安定した需要があり、長く働ける専門職として人気の高い医療事務。経験者・未経験者ともに競争率が高くなる傾向にあり、書類選考を突破するためには、採用担当者が求めるスキルと適性を的確に伝える職務経歴書が不可欠です。
医療機関の採用担当者は、事務処理能力の正確さはもちろん、患者様への接遇スキルや、医師・看護師との連携能力を厳しくチェックしています。ここでは、医療事務の転職において高く評価される職務経歴書の書き方と、経験者・未経験者それぞれの状況に合わせた具体的な例文を紹介します。
医療事務の採用担当者が重視する3つの評価ポイント
職務経歴書を作成する前に、医療機関側がどのような人材を求めているかを理解しておくことが重要です。以下の3つのポイントを意識して書類を作成することで、採用担当者の目に留まる確率は格段に上がります。
一つ目は、レセプト(診療報酬明細書)業務の経験値とスキルです。医療機関の収入に直結する重要な業務であるため、経験者の場合は「どの診療科で」「入院・外来どちらを」「月間何件程度」担当していたかが最大の評価基準となります。使用できるレセコン(レセプトコンピュータ)や電子カルテのメーカー名も具体的に記載することで、即戦力性をアピールできます。
二つ目は、患者様への接遇能力とホスピタリティです。病院の顔として、不安を抱える患者様に寄り添った対応ができるかは非常に重要です。クレーム対応の経験や、待ち時間短縮のための工夫など、患者満足度を上げるためにどのような行動をとったかが問われます。
三つ目は、正確かつ迅速な事務処理能力です。多忙な医療現場では、ミスなくスピーディーに業務をこなすことが求められます。PCスキルの高さや、業務効率化の実績は、未経験者であっても強力なアピール材料となります。
【経験者向け】医療事務の職務経歴書 例文
医療事務の実務経験がある方は、即戦力であることを証明するために、具体的な業務範囲と数値を詳細に記載します。
職務要約の例文
医療法人〇〇会 〇〇総合病院(200床)にて5年間、医療事務として従事しました。初診・再診受付、会計業務に加え、入院・外来のレセプト業務(月間約500件)を担当しました。また、レセプト点検のリーダーとして返戻率の改善に取り組み、前年比で返戻件数を20パーセント削減しました。幅広い診療科での知識と正確な請求業務のスキルを活かし、貴院の健全な病院経営に貢献したいと考えております。
職務経歴詳細の書き方
期間
20XX年4月~現在
勤務先
医療法人〇〇会 〇〇総合病院
病床数:200床(一般病棟)
診療科目:内科、外科、整形外科、小児科、眼科
従業員数:150名(うち事務職員15名)
担当業務
受付・会計業務
・保険証確認、新患登録、診察券発行
・外来会計入力、金銭授受
・電話応対(予約受付、問い合わせ対応)
レセプト業務(外来・入院)
・レセプト作成、点検、総括、請求業務
・返戻・減点対策および再請求処理
・医師への病名確認、記載漏れチェック
・月間担当件数:外来約800件、入院約50件
その他
・自賠責保険、労災保険の請求業務
・公費負担医療の手続き
・新人スタッフ(2名)の教育指導
使用機器・ソフト
・富士通 HOPE(電子カルテ・レセコン一体型)
・Word、Excel(データ集計、院内掲示物作成)
実績・取り組み
返戻率の改善による収益確保
病名漏れや算定ミスを防ぐため、独自のチェックリストを作成し、医師や看護師への確認フローを徹底しました。その結果、レセプト返戻率を大幅に低下させ、早期の収益確定に貢献しました。
待ち時間短縮への取り組み
会計待ち時間の短縮を目指し、自動精算機の導入プロジェクトに参加。患者様への操作案内を積極的に行い、スムーズな運用定着を実現しました。
自己PRの例文
私の強みは、正確なレセプト請求スキルと、多職種と円滑に連携するコミュニケーション能力です。前職では、医師や看護師に対して、診療報酬上の不明点を積極的に確認し、算定漏れを防ぐことに注力しました。また、忙しい医師の手を煩わせないよう、要点を整理して質問するなど、相手の立場に立った配慮を心がけてまいりました。即戦力として貴院の医事課業務を支え、病院経営に貢献いたします。
【未経験者向け】医療事務の職務経歴書 例文
未経験から医療事務を目指す場合は、前職で培ったポータブルスキル(接客力、事務処理能力、PCスキル)を医療現場でどう活かせるかをアピールします。また、資格取得や学習状況についても触れ、意欲の高さを示します。
職務要約の例文
大学卒業後、ホテルスタッフとして3年間勤務し、フロント業務および予約管理を担当しました。幅広い年齢層のお客様に対し、丁寧かつ迅速な対応を心がけ、顧客満足度の向上に努めました。医療事務は未経験ですが、接客業で培ったホスピタリティと臨機応変な対応力、および正確な金銭管理能力は、患者様対応や受付業務において必ず活かせると確信しております。現在は診療報酬請求事務能力認定試験の合格を目指して学習中です。
活かせる経験・スキルの書き方
接遇・コミュニケーション能力
ホテルでのフロント業務を通じて、相手の立場に立った丁寧な言葉遣いや、要望を先読みする対応力を身につけました。これは、不安を抱える患者様への対応や、クレームの一次対応において活かせると考えています。
事務処理・PCスキル
予約管理システムへのデータ入力や、日報作成業務を通じて、正確な入力スキルと基本的なPC操作(Word、Excel)を習得しています。新しいシステム(レセコン等)の操作も早期に習得できる自信があります。
学習意欲
現在、医療事務講座を受講しており、医療保険制度や診療報酬の仕組みについて基礎知識を習得済みです。入職後も継続的に学習し、早期に戦力となれるよう努力いたします。
自己PRの例文
私は、相手に安心感を与える笑顔と、ミスのない正確な業務遂行に自信があります。前職では、チェックイン・アウト時の金銭授受において、ダブルチェックを徹底し、3年間違算ゼロを達成しました。医療事務においても、患者様の大切な個人情報や金銭を扱う責任の重さを理解し、誠実に業務に取り組みます。未経験ではありますが、持ち前の向上心とホスピタリティで、貴院の顔として患者様に信頼されるスタッフを目指します。
書類作成時の注意点と仕上げのチェック
医療事務の職務経歴書を作成する際は、以下の点に注意して仕上げを行ってください。
専門用語の正確な使用
経験者の場合、レセコンの名称や専門用語を正しく使うことで、知識の深さをアピールできます。ただし、略語を使いすぎず、採用担当者に伝わりやすい表現を心がけてください。
具体的な数字の記載
病院の病床数、1日の来院数、担当していたレセプトの枚数など、数字を入れることで業務の規模感や忙しさが具体的に伝わります。
手書きではなくPC作成を推奨
現在はほとんどの医療機関で電子カルテやレセコンが導入されています。職務経歴書をWordやExcelできれいに作成すること自体が、パソコンスキルの証明になります。
医療事務は専門性が高く、一度スキルを身につければ長く活躍できる職種です。あなたのこれまでの経験を医療現場という新しいステージでどう活かせるか、採用担当者がイメージしやすいように具体的に記載し、自信を持って提出できる書類を作成してください。





