営業事務の職務経歴書書き方ガイドとそのまま使える例文

営業事務は、企業の売上を支える営業部門の要として、非常に人気が高く競争率の激しい職種です。そのため、書類選考を突破するためには、単に業務経験を羅列するだけでは不十分です。採用担当者は、応募者がどれだけ正確に業務をこなし、営業担当者をサポートして組織の成果に貢献できるかを見極めようとしています。

ここでは、営業事務の職務経歴書を作成する際に押さえておくべき評価ポイントと、実務経験を魅力的に伝えるための具体的な書き方、そしてそのまま参考にできる例文を紹介します。

営業事務の採用担当者が職務経歴書で重視する3つのポイント

営業事務の選考において、企業側が求めている能力は明確です。以下の3つの要素が職務経歴書の中に盛り込まれているかどうかが、合否を分ける大きな要因となります。

ひとつ目は、正確性とスピードを両立する事務処理能力です。受発注業務や見積書作成など、数字を扱う業務においてミスは許されません。同時に、顧客や営業担当者からの急な依頼にも迅速に対応できるスピード感が求められます。

ふたつ目は、PCスキルと業務効率化への意識です。WordやExcelが使えることは大前提として、関数やピボットテーブルを活用して作業時間を短縮した経験や、業務フローを見直して効率化を図った実績は高く評価されます。

みっつ目は、コミュニケーション能力とホスピタリティです。社内の営業担当者や他部署、そして社外の顧客と円滑に連携を取る調整力は必須です。営業担当者がコア業務に集中できるよう、先回りしてサポートする姿勢が重要視されます。

ルーチンワークを魅力的な実績に変える書き方のテクニック

営業事務の業務は定型的なものが多いため、「書くことがない」「実績がない」と悩む方が少なくありません。しかし、書き方を工夫することで、日常業務を立派なアピール材料に変えることができます。

1. 業務の規模感を数字で具体的に示す

例えば、電話対応業務であれば「1日平均50件の受電対応」、受発注業務であれば「月間約300件の伝票処理」といったように、具体的な数字を記載します。これにより、採用担当者はあなたがどの程度の業務量をこなせるのかを客観的に判断できます。

2. PCスキルは機能名まで詳しく書く

単に「Excelが使える」と書くのではなく、「VLOOKUP関数を用いたデータ集計」「ピボットテーブルによる売上分析」「マクロを使用した定型業務の自動化」など、機能名まで詳しく記載することで即戦力としての期待値を高めることができます。

3. 業務改善のエピソードを加える

「マニュアルを作成して新人教育の時間を短縮した」「ファイル管理の方法を変えて検索性を高めた」など、自発的に工夫した経験は、指示待ちではなく能動的に働ける人材であることの証明になります。

【経験者向け】営業事務の職務経歴書例文

ここでは、営業事務の実務経験がある方向けの職務経歴書例文を紹介します。即戦力であることを伝えるために、担当していた業務の幅広さと、具体的な改善実績を強調する構成にしています。

職務要約

IT商社にて5年間、営業事務として10名の営業担当者のサポート業務に従事しました。受発注処理、見積書・請求書作成、納期管理などの基幹業務に加え、営業資料の作成補助や顧客からの問い合わせ対応を担当しました。正確かつ迅速な処理を心がけるとともに、Excelを活用した集計フォーマットの改善を提案し、部内の月次作業時間を約10時間削減することに貢献しました。

職務詳細

期間： 20XX年4月～現在

会社名： 株式会社〇〇（IT機器専門商社／従業員数150名）

担当業務：

• 専用システムを使用した受発注入力業務（月間平均400件）
• 見積書、請求書、納品書の作成および発送業務
• 顧客からの電話、メール対応による納期回答および在庫確認
• 営業会議用資料の作成補助（PowerPoint使用）
• 商品在庫の管理および発注業務

実績・取り組み：

• 業務効率化による残業時間の削減従来手作業で行っていた売上集計業務に対し、Excelの関数を組み込んだ自動集計シートを作成しました。これにより、集計ミスをゼロにするとともに、月末の作業時間を大幅に短縮し、部署全体の残業削減に寄与しました。
• 営業サポート体制の強化営業担当者が外出している間の顧客対応フローを見直し、一次対応で完結できる案件を増やしました。また、チャットツールを活用してリアルタイムでの報告連絡を徹底し、顧客をお待たせしない体制を構築しました。

【未経験者向け】営業事務を目指す場合の職務経歴書例文

一般事務や接客業など、異業種から営業事務へ転職する場合の例文です。実務経験がなくても、ポータブルスキル（持ち運び可能な能力）を営業事務の業務に変換して伝えることがポイントです。

職務要約

アパレル販売員として3年間勤務し、接客販売および店舗運営のサポート業務を行ってまいりました。顧客一人ひとりのニーズを汲み取る傾聴力と、混雑時でも臨機応変に対応する柔軟性を磨いてまいりました。また、店舗の在庫管理や売上報告書の作成業務を通じて、数字を正確に扱う重要性とPCを用いた業務効率化に関心を持ちました。販売職で培ったホスピタリティとコミュニケーション能力を活かし、営業事務として貴社の円滑な業務運営に貢献したいと考えております。

活かせる経験とスキル

• コミュニケーション能力幅広い年齢層のお客様への接客経験で培った対人スキルは、電話対応や社内調整業務において円滑な人間関係を構築するために活かせると考えています。
• 正確性と責任感店舗でのレジ締め業務や在庫管理業務において、金銭や商品を扱ってきた経験から、数字に対する責任感と正確な処理能力を持っています。
• PCスキルへの学習意欲現在はMOS（マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト）資格の取得に向けて学習を継続しており、Wordでの文書作成やExcelでの基本的な表計算、関数使用に支障はありません。

採用担当者の心を掴む自己PRの書き方

職務経歴書の最後には、あなたの人柄や仕事へのスタンスを伝える自己PRを記載します。営業事務として好まれる人物像を意識して作成しましょう。

【自己PR例文】

私の強みは、相手が求めていることを先回りして察知する「サポート力」と「正確性」です。

前職では、繁忙期などの多忙な状況下でも、冷静に優先順位をつけて業務を遂行することを心がけました。ダブルチェックを徹底し、ミスを未然に防ぐことで、周囲から信頼される事務職を目指します。また、営業担当者が何を必要としているかを常に考え、指示される前に資料を準備したり、スケジュールを確認したりすることで、スムーズな業務進行を支えたいと考えております。

営業事務の職務経歴書は、あなたの事務処理能力とサポートマインドを証明するプレゼンテーション資料です。具体的な数字とエピソードを交えて作成し、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる魅力的な書類に仕上げてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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