受付の職務経歴書で採用される自己PRの書き方とパターン別例文集
企業の顔となる「受付」の仕事は、華やかなイメージがあり転職市場でも非常に人気の高い職種です。しかし、人気があるゆえに倍率は高く、単に「人と接するのが好き」「笑顔に自信がある」というだけでは書類選考を通過することは困難です。採用担当者は、接遇マナーが良いのは当たり前として、予期せぬ事態への対応力や、事務処理能力、そして社員と来客をスムーズにつなぐ調整力を求めています。ここでは、受付職への転職を目指す方が、自身の経験を魅力的なスキルとしてアピールし、書類選考を通過するための自己PRの書き方のポイントと、経験や経歴に合わせた具体的な例文を紹介します。
採用担当者が受付の自己PRで重視する4つの実務能力
企業受付、ショールーム受付、病院受付など、活躍の場は多岐にわたりますが、求められる資質には共通点があります。以下の4つのポイントを意識して自己PRを構成してください。
- 「会社の顔」としての接遇マナーと品位第一印象で企業のイメージが決まります。正しい言葉遣い、所作、身だしなみはもちろん、相手に安心感を与えるホスピタリティが不可欠です。
- 臨機応変な対応力と判断力アポイントのない来客や、クレーム対応、急なスケジュール変更など、マニュアル通りにいかない場面で冷静かつ適切に判断し行動できるかが問われます。
- 正確な事務処理能力とPCスキル現代の受付業務は、来客対応だけでなく、会議室の予約管理、データ入力、代表電話の取り次ぎなど、事務職としての側面も強くなっています。ExcelやWordなどのPCスキルは必須のアピールポイントです。
- 社内連携を円滑にする調整力お客様と社員の間に立ち、スムーズに引き継ぎを行うための伝達能力や、秘書的なサポート能力も評価されます。
異業種の経験を受付のスキルに変換する書き方
未経験から受付を目指す場合、前職の経験を受付業務に役立つスキルに変換して伝えることが重要です。
- 接客・販売の経験→「お客様のニーズを瞬時に察知する観察力」「クレームを信頼に変える対応力」
- 一般事務の経験→「正確なデータ管理とスピーディーな事務処理」「電話対応における正確な取り次ぎ」
- 営業職の経験→「相手の立場に立ったコミュニケーション能力」「自社のサービスや商品を深く理解する学習意欲」
- 秘書の経験→「役員のスケジュールを把握した先回りの行動」「機密情報の取り扱いに関する高い意識」
【企業受付・ショールーム】経験者がホスピタリティをアピールする例文
すでに受付や接客の経験がある場合は、どのような規模で、どのような質のサービスを提供してきたかを具体的にアピールします。
私は、企業のブランドイメージを体現する品格ある接遇と、状況に応じた臨機応変な対応力に自信があります。前職の自動車ショールーム受付においては、平日で1日30組、休日には100組以上のお客様をお迎えしてまいりました。単にお席へ案内するだけでなく、商談中の営業担当者の状況を常に把握し、適切なタイミングでお飲み物を出すなど、商談がスムーズに進むためのサポートを徹底しました。また、待ち時間が長引くお客様には雑誌やタブレットをお渡しするなど、退屈させない配慮を行うことで、顧客満足度アンケートでは店舗内トップの評価をいただきました。貴社においても、お客様に「来てよかった」と感じていただける最高のおもてなしを提供します。
【未経験・接客業から】観察力と対応力をアピールする例文
ホテルや航空業界、飲食などの接客経験者は、高いホスピタリティと、忙しい状況でも笑顔を絶やさないタフさをアピールします。
私の強みは、お客様一人ひとりに合わせた柔軟なコミュニケーション能力と、予期せぬ事態にも動じない冷静な対応力です。これまではホテルスタッフとしてフロント業務に従事し、国内外の多様なお客様に対してチェックイン業務や観光案内を行ってまいりました。マニュアル通りの対応ではなく、お急ぎの方には手短に、ご高齢の方にはゆっくりと話すなど、相手のペースに合わせた接客を心がけてきました。また、クレーム発生時にはまず傾聴に徹し、迅速に解決策を提示することで信頼回復に努めました。受付業務は未経験ですが、持ち前の観察力とホスピタリティを活かし、貴社の顔として信頼される受付を目指します。
【未経験・事務職から】正確性とPCスキルをアピールする例文
事務職からの転職では、電話対応のスキルや、会議室予約などの管理業務を正確にこなせる事務処理能力をアピールします。
私は、正確かつスピーディーな事務処理能力と、電話対応における丁寧な取り次ぎスキルを持っています。前職の一般事務では、代表電話の一次対応を担当しており、1日平均50件の電話を受けてまいりました。相手の社名や名前を正確に聞き取ることはもちろん、担当者が不在の際には用件を詳細に伺い、メールで迅速に共有することでビジネスチャンスを逃さないよう配慮しました。また、Excelを使用した備品管理やスケジュール調整も日常的に行っており、PC操作には自信があります。貴社の受付業務においても、笑顔での来客対応と並行して、裏方の事務作業も正確に遂行し、社員の皆様が働きやすい環境作りに貢献します。
【医療事務・クリニック受付】安心感とテキパキした対応をアピールする例文
病院やクリニックの受付では、患者様の不安を取り除く優しさと、混雑時でも待たせないスピーディーな処理能力が求められます。
私は、患者様の不安に寄り添う温かい対応と、混雑時でも業務を滞らせない事務遂行能力を持っています。現職の内科クリニックでは、受付・会計業務に加え、電子カルテの入力やレセプト業務を担当しています。体調の優れない患者様には受付カウンターから出てお声をかけるなど、安心感を与える接遇を心がけました。一方で、待ち時間を少しでも短縮するために、カルテの事前準備や会計処理の効率化を図り、回転率を高める工夫も行いました。貴院においても、患者様への優しさと業務の正確性を両立させ、地域医療の窓口として貢献したいと考えています。
自己PRを書く際の注意点
受付の自己PRでよくある失敗として、「座って笑顔でいればいい」という受け身の姿勢が見えてしまうことです。受付は、来客がない時間帯には事務作業を行ったり、社内の美化に努めたりと、能動的な動きが求められます。「お客様を待つ」だけでなく、「自ら気づいて動く」姿勢を強調することが重要です。また、身だしなみや清潔感もスキルのひとつと見なされる職種ですので、証明写真の印象にも十分に気を配って職務経歴書を作成してください。





