職務経歴書の自己PRを2つ記載して強みを立体的に伝える書き方と例文
転職活動において職務経歴書は採用担当者に自分の実力を詳細に伝えるための重要なプレゼンテーション資料です。特に自己PR欄は応募者の強みや仕事に対する姿勢をアピールできる自由度の高い項目ですが何をいくつ書けば良いのか迷う方は少なくありません。実は自己PRを一つに絞らずあえて2つの要素を記載することは非常に有効な戦略です。一つの強みだけでは伝えきれないあなたの魅力を多角的に表現し採用担当者に立体的な人物像をイメージさせることができるからです。ここでは職務経歴書の自己PRを2つ書く際のメリットや効果的な組み合わせ方そして職種別の具体的な例文について解説します。
自己PRを2つ書くことで得られるメリットと効果
自己PRを一つに絞ることは強みを明確にする上で有効ですが場合によってはあなたの魅力が限定的に伝わってしまうリスクもあります。一方で自己PRを2つ記載することには大きなメリットがあります。まず最大の利点はスキルの幅広さをアピールできることです。例えば営業力という一つの軸だけでなくチームワークや管理能力といった別の軸を加えることで組織の中で多様な役割を果たせる人材であることを証明できます。またハードスキルと呼ばれる専門技術とソフトスキルと呼ばれる人間性や対人能力の両方を伝えることができるのも強みです。技術力はあるがコミュニケーションに不安があると思われないように技術力と協調性の両方を記載することで採用担当者に安心感を与えることができます。
読みやすさを損なわない2つの自己PRの構成テクニック
自己PRを2つ書く際に最も注意すべき点は読みやすさです。ただ文章を長く繋げてしまうと要点がぼやけてしまい採用担当者の読む気を削いでしまう可能性があります。そのため2つの要素を記載する場合はそれぞれの項目に見出しを付けて区切ることが鉄則です。見出しをつけることで何について書かれているかが一目で分かり文章全体にメリハリが生まれます。構成としてはまず一つ目の強みの見出しを書きその下に結論と具体的なエピソードそして貢献の意思を書きます。一行空けて二つ目の強みの見出しを書き同様に構成します。また2つの自己PRの文章量は極力揃えるようにしましょう。片方が極端に短いと自信のなさが露呈してしまうためバランス感覚を持つことが大切です。
効果的な2つの組み合わせパターン
自己PRを2つ選ぶ際にはその組み合わせ方が重要です。似たような強みを2つ並べても効果は薄いため異なる角度からの強みを組み合わせることで相乗効果を狙います。最も王道で効果的なのは実務能力と人間性の組み合わせです。例えば営業実績という数字で表せる成果と顧客との信頼関係構築力というプロセス重視の姿勢を組み合わせることで結果も出せるし過程も大切にする人物であることをアピールできます。また専門性と汎用スキルの組み合わせも有効です。特定のプログラミング言語が使えるという専門スキルと誰とでも円滑に業務を進められるコミュニケーション能力をセットにすることで技術職としてだけでなく組織人としても優秀であることを伝えられます。
営業職が実績とプロセスをアピールする例文
営業職の場合は定量的な成果とそれを支える行動特性を組み合わせることで説得力を高めます。
粘り強い交渉による目標達成能力
現職では法人営業として毎月課せられる売上目標の達成に拘ってきました。特に新規開拓においては一度断られても諦めずにアプローチを続け顧客の課題を深くヒアリングすることで信頼を獲得してきました。その結果3年連続で目標達成率120パーセントを維持し部内MVPを受賞することができました。この目標達成への執着心は貴社の営業活動においても必ず活かせると確信しています。
社内外を巻き込む調整力とチームワーク
個人の数字だけでなくチーム全体の成果を最大化することを常に意識しています。大型案件の受注に際しては社内の技術部門や法務部門と密に連携を取り顧客の要望にスピーディーに応える体制を構築しました。また後輩の育成にも力を入れナレッジ共有会を主催するなど組織力の向上に貢献してきました。貴社においても周囲と協力しながら大きな成果を生み出したいと考えています。
事務職が正確性と改善意欲をアピールする例文
事務職の場合は業務の正確さという守りのスキルと業務改善という攻めのスキルを組み合わせることで能動的な人材であることを伝えます。
正確かつスピーディーな事務処理能力
事務職として最も重要なのは正確性であると考え日々の業務においてダブルチェックの徹底やミスの起きにくい仕組みづくりを実践してきました。月間500件以上の請求書処理を担当していましたが独自のチェックリストを活用することで3年間ミスゼロを継続しています。またショートカットキーの活用などで作業時間を短縮し急な依頼にも柔軟に対応できる体制を整えています。
業務効率化に向けた課題発見と改善提案力
与えられた業務をこなすだけでなくより効率的な方法がないかを常に模索しています。前職では紙ベースで管理されていた備品発注フローのデジタル化を提案し導入を主導しました。その結果発注にかかる工数を月間20時間削減することに成功し部署全体の残業時間削減に貢献しました。貴社においても現状に満足することなく業務改善の視点を持って組織の生産性向上に寄与したいと考えています。
技術職やエンジニアがスキルと学習意欲をアピールする例文
技術職の場合は現在の技術力とそれを支える学習意欲や将来性を組み合わせることで成長性をアピールします。
要件定義から実装まで対応できるフルスタックな開発経験
システムエンジニアとして5年間の経験があり上流工程から下流工程まで一貫して対応できることが私の強みです。特にJavaを用いたWebアプリケーション開発を得意としており顧客の要望を的確にシステム仕様に落とし込む設計能力には定評があります。貴社のプロジェクトにおいても即戦力として開発の中核を担い高品質なシステムの構築に貢献いたします。
最新技術をキャッチアップし続ける探究心
IT技術の進化に対応するため業務外でも自己研鑽を欠かしません。現在はAI技術に関心を持ちPythonを用いた機械学習の基礎を独学で学んでいます。また社内の勉強会では講師を務めチーム全体の技術力底上げにも尽力しています。新しい技術への好奇心と学ぶ姿勢を持ち続けることで貴社の技術革新に貢献できるエンジニアであり続けたいと考えています。
自己PRを2つ書く際の注意点と最終確認
自己PRを2つ書く際には内容に矛盾が生じないように注意が必要です。例えば一つ目で「自分の意見を強く主張して引っ張っていくリーダーシップ」をアピールし二つ目で「相手の意見に合わせる柔軟な協調性」をアピールすると人物像がブレてしまい採用担当者を混乱させてしまいます。2つの強みはあくまで一人の人間の中に共存しているものであるため一貫性を持たせることが大切です。また応募先の企業が求めている人物像と乖離していないかも確認してください。企業が求めている要素を2つの自己PRの中にバランスよく散りばめることでこの人なら活躍できそうだと感じさせる魅力的な職務経歴書を作成してください。





