職務経歴書のテンプレはどれを使うべきか。書類選考に通るフォーマットの選び方と活用術
職務経歴書を作成する際、インターネット上で「職務経歴書 テンプレート」や「フォーマット」と検索すると無数の種類が出てきます。どれを使えば正解なのか迷うところですが、実は「どのテンプレートを選ぶか」の時点で、採用担当者へのアピールは始まっています。自分に合わない型を選んでしまうと、強みが伝わりにくくなり、書類選考で不利になることもあります。ここでは、数あるテンプレートの中から自分に最適なものを選ぶ基準と、ダウンロードしたフォーマットを「受かる書類」に仕上げるための活用術について解説します。
迷ったらこれを選ぶ。「3つの基本型」と選び方
職務経歴書のテンプレートは、大きく分けて3つのタイプに分類されます。自分のキャリアや職種に合わせて、最も強みが伝わる型を選んでください。
1. 逆編年体式(最も推奨される王道フォーマット)
直近の経歴から過去に遡って記載する形式です。
- 特徴:採用担当者が一番知りたい「今、何ができるか(直近のスキル)」が最初に目に入ります。
- 向いている人:一般的な転職者、キャリアアップを目指す人、直近の職歴を強調したい人。
- 選び方のコツ:特段の事情がなければ、まずはこの形式のテンプレートを選べば間違いありません。
2. 編年体式(時系列順)
新卒入社時から現在まで、時系列順に記載する形式です。
- 特徴:習熟度やキャリアの積み上げ過程をストーリーとして見せることができます。
- 向いている人:同一職種での経験が長く、着実にステップアップしてきた人。はじめて転職する人。
- 注意点:直近の実績が最後まで読まないと出てこないため、即戦力アピールとしてはやや弱くなる可能性があります。
3. キャリア式(職能別・プロジェクト形式)
時系列ではなく、業務内容やプロジェクト単位でカテゴリー分けしてまとめる形式です。
- 特徴:特定のスキルや専門性を強調できます。
- 向いている人:エンジニア、クリエイター、コンサルタント、転職回数が多い人。
- 活用法:時系列がバラバラになるため、必ず冒頭か末尾に「略歴表(時系列リスト)」がついているテンプレートを選んでください。
ファイル形式はWordかExcelか
テンプレートにはWord形式とExcel形式がありますが、基本的には**「Word(ワード)形式」**を選ぶことを強くおすすめします。
Wordが推奨される理由
職務経歴書は、文章でプレゼンテーションする書類です。「職務要約」や「自己PR」、「業務での工夫点」など、文章を記述するエリアにおいては、ワープロソフトであるWordの方が圧倒的に読みやすく、レイアウトも崩れにくいからです。
Excelが許容されるケース
エンジニアや経理職など、数字や表組みで実績を管理・提示することがメインとなる職種の場合は、Excel形式でも問題ありません。ただし、印刷した際にページが切れないよう、印刷範囲の設定には細心の注意が必要です。
ダウンロードしたテンプレを「自分のもの」にする加工テクニック
無料配布されているテンプレートはあくまで「汎用的な型」です。そのまま空欄を埋めるだけでなく、自分の経歴に合わせて微調整(カスタマイズ)することで、より読みやすい書類になります。
1. 不要な項目は削除する
テンプレートに「語学力」や「海外経験」という欄があっても、自分に該当しない場合は「特になし」と書くのではなく、行ごと削除してください。空いたスペースで「自己PR」や「職務要約」の行数を増やし、アピールしたい内容を厚くする方が効果的です。
2. 項目名(見出し)を書き換える
デフォルトの項目名が「自己PR」となっていても、もし「実績」を強調したいなら「主な実績と成果」と書き換えても構いません。自分の強みが最も伝わる見出しに変更することで、採用担当者の視線を誘導できます。
3. 余白と行間を調整する
テンプレートによっては、行間が詰まりすぎていたり、余白が極端に狭かったりするものがあります。
- フォント:明朝体かゴシック体で統一する。
- 文字サイズ:本文は10.5ポイントから11ポイントが見やすい。
- 余白:上下左右20ミリ程度を確保する。これらを調整し、A4用紙2枚程度にきれいに収まるように整えてください。
テンプレート入手時の注意点
JIS規格にとらわれる必要はない
履歴書にはJIS規格がありますが、職務経歴書には決まった規格はありません。そのため、転職サイトやエージェントが配布している「標準フォーマット」であれば、どれを使ってもマナー違反にはなりません。
スマホ作成アプリの利用
最近はスマホアプリで職務経歴書を作成できるサービスもあります。テンプレートを選ぶ手間が省けて便利ですが、PDF出力した際にレイアウトが固定的で、細かい文字数調整ができない場合があります。本命企業の応募には、PC(Word)で作成したテンプレートを使用し、細部までこだわり抜くことをおすすめします。
テンプレートは、あなたのキャリアを盛るための「器」です。中身(経験)が素晴らしくても、器(フォーマット)選びを間違えると魅力は半減します。自身の職種とアピールポイントを見極め、最適なテンプレートを使いこなしてください。





