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職務経歴書を「おしゃれ」にするメリットとリスク。採用担当者が好む洗練されたデザインの正解

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転職活動において、他の応募者と差別化を図るために「おしゃれな職務経歴書」を作成したいと考える方は少なくありません。インターネット上で「職務経歴書 おしゃれ フォーマット」と検索すれば、海外のレジュメのようなデザイン性の高いテンプレートが数多く見つかります。しかし、見た目を重視しすぎると、かえって採用担当者の評価を下げてしまうリスクもあります。ここでは、書類選考を通過するために知っておくべき「おしゃれ」の定義と、ビジネスシーンで好印象を与える洗練されたデザインの作り方について解説します。

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採用担当者が考える「おしゃれ」な職務経歴書とは

まず理解しておくべきなのは、転職市場における「おしゃれ」とは、装飾的なデザインのことではないという点です。デザイナーやクリエイター職を除き、一般的なビジネス職(営業、事務、企画など)において、採用担当者が求めているのは「読みやすさ(可読性)」と「情報の整理整頓」です。

ビジネスにおける「おしゃれ」とは、「洗練されている」と言い換えることができます。余白が適切に取られていて圧迫感がない、フォントが統一されていて美しい、重要な情報がパッと目に入ってくる。こうした「機能美」こそが、採用担当者に「仕事ができそう」「センスが良い」という印象を与える正解のデザインです。

クリエイティブ職と一般職での使い分け

応募する職種によって、許容されるデザインの範囲は大きく異なります。

クリエイティブ職(デザイナー・建築・アパレルなど)の場合

自身のセンスやスキルをアピールする必要があるため、IllustratorやCanvaなどで作成された、デザイン性の高いフォーマットを使用することは有効です。配色やレイアウト、タイポグラフィ(文字組)そのものがポートフォリオの一部として評価されます。

一般職(営業・事務・エンジニア・公務員など)の場合

基本的にはMicrosoft Wordで作成された、標準的なフォーマットを使用するのが無難です。過度な装飾やカラフルな背景は、「TPOをわきまえていない」「読みにくい」と敬遠される可能性があります。一般職の場合は、奇をてらったデザインではなく、中身(実績)で勝負し、レイアウトで清潔感を演出するのが鉄則です。

標準フォーマットを「洗練されたデザイン」に変える3つのテクニック

Wordの標準的なフォーマットを使用しながらも、野暮ったさを消して「洗練された印象」に変えることは十分に可能です。以下の3つのポイントを調整するだけで、書類のグレードは格段に上がります。

1. フォント(書体)を変更する

Windows標準の「MS明朝」や「MSゴシック」は、少し古風で事務的な印象を与えがちです。これを「游明朝」や「游ゴシック(Yu Gothic)」、「メイリオ」に変更するだけで、現代的でスマートな印象になります。ただし、特殊なデザインフォントや、丸文字のようなポップな書体はビジネスには不向きですので避けてください。

2. 「余白」と「行間」を広めにとる

文字がぎっしりと詰まった書類は、読む気を削ぐだけでなく、余裕のない印象を与えます。上下左右の余白を少し広めにとり、行間を適度に空ける(例えば行間1.1倍から1.2倍程度)ことで、ホワイトスペース(空白)を生かした上品なレイアウトになります。余白は「情報の風通し」を良くするための重要なデザイン要素です。

3. アクセントカラーを一色だけ使う

基本的に黒文字で作成しますが、見出し(ヘッダー)や罫線に一色だけアクセントカラーを取り入れると、ぐっと引き締まった印象になります。おすすめは「ネイビー(濃紺)」や「ダークグレー」です。これらの色は知的で誠実なイメージを与えます。赤や黄色などの蛍光色は、目がチカチカして読みにくくなるため避けたほうが賢明です。

デザイン重視のフォーマットを使う際のリスク

市販のデザインテンプレートや、海外風の2カラム(左右に分かれた)レイアウトを使用する場合、以下のリスクがあることを理解しておく必要があります。

ATS(採用管理システム)で正しく読み取れない

多くの大企業では、応募書類をATSというシステムで読み込み、キーワード検索などで管理しています。複雑なレイアウトや画像化されたテキスト、特殊なグラフなどが含まれていると、システムが情報を正しく抽出できず、検索対象から漏れてしまう可能性があります。

印刷時に文字が小さくなる

画面上ではきれいに見えても、A4用紙に印刷した際に文字が小さすぎて読めないケースが多発します。採用担当者は50代以上の管理職であることも多く、可読性の低い書類はそれだけでストレスになります。

まとめ

職務経歴書において最も重要なのは「中身」ですが、それを伝えるための「見た目」も無視できません。しかし、その方向性は「飾り立てる」ことではなく「ノイズを減らして読みやすくする」ことです。Wordなどの標準ツールを使いつつ、フォントや余白にこだわることで、採用担当者に「配慮ができる人」「仕事が丁寧な人」というポジティブな印象を与える洗練された書類を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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