Macユーザーのための職務経歴書作成ガイド。Numbers(ナンバーズ)で作る場合の注意点とPDF化の鉄則
Macユーザーの中には、Microsoft Office(WordやExcel)を持っておらず、Macに標準搭載されている表計算ソフト「Numbers(ナンバーズ)」を使って職務経歴書を作成したいと考える人も多いでしょう。結論から言えば、Numbersで作成すること自体に問題はありません。しかし、日本の就職活動においてはWindows環境が標準であるため、提出の仕方やフォーマット選びには特有の注意点があります。ここではNumbersを使って採用担当者に評価される職務経歴書を作成する方法と、絶対に守るべき鉄則について解説します。
Numbersで作成しても書類選考は通過できるか
職務経歴書の本質は「中身」であるため、作成ツールがNumbersであることだけで不採用になることはありません。しかし、それは「相手が読める状態で提出すれば」という条件付きです。
企業の採用担当者の大半はWindowsパソコンを使用しており、Numbersのファイル形式(.numbers)を開くことができません。もし、そのままの形式でファイルを送付してしまうと、採用担当者はファイルを開けず、その時点で選考対象外になってしまうリスクすらあります。Numbersを使う場合は、あくまで「自分の手元で作成するためのツール」と割り切り、提出時には必ず汎用的な形式に変換する必要があります。
既存テンプレート使用時の落とし穴
Numbersには、アプリを開いた直後に選べるテンプレートギャラリーがあり、その中には「履歴書」というテンプレートも存在します。しかし、これを使用するのは避けたほうが無難です。
Appleが用意しているテンプレートは欧米式の「レジュメ」をベースにしており、顔写真の配置や項目の並び順が、日本の職務経歴書や履歴書の慣習とは大きく異なるからです。おしゃれではありますが、採用担当者からすると「必要な情報(和暦や詳細な職歴)が見当たらない」「見慣れない形式で読みづらい」と判断される可能性があります。
推奨されるテンプレートの入手方法
Numbersで作成する場合でも、ベースとなるフォーマットは日本の転職サイトなどが配布している「Excel形式(.xlsx)」のものをダウンロードして使うのが正解です。
NumbersはExcelファイルとの互換性が高いため、ダウンロードしたExcelファイルをNumbersで開くことができます。レイアウトが多少崩れることがありますが、それをNumbers上で修正して使う方が、日本企業向けの標準的な構成を保つことができます。
提出時は絶対に「PDF書き出し」をする
Numbersで作成した職務経歴書を提出する際、最も重要なのがファイル形式の変換です。ここでは「Excel形式」ではなく、必ず**「PDF形式」**に書き出してください。
なぜExcel書き出しではダメなのか
Numbersには「Excel形式で書き出す」という機能がありますが、これを使うとフォントが置き換わったり、レイアウトが崩れたり、改ページの位置がずれたりすることが頻繁に起こります。自分が見ている画面と、採用担当者が開いた画面で全く違う見た目になってしまうリスクが高いため推奨できません。
PDF書き出しの手順
- 画面上部のメニューバーから「ファイル」を選択します。
- 「書き出す」をクリックし、「PDF」を選択します。
- イメージの品質を「標準」または「最高」にし、「次へ」をクリックして保存します。
PDFであれば、文字やレイアウトが画像のように固定されるため、Macで作ってもWindowsで見ても、スマホで見ても、意図した通りのデザインで相手に届けることができます。
Numbersならではのメリットと活用法
注意点はありますが、Numbersには職務経歴書作成において有利な点もあります。
直感的なレイアウト調整
WordやExcelに比べて、画像やテキストボックスの配置が直感的で、デザインの微調整が簡単です。余白の調整や、スキルの表組みなどをきれいに作成しやすいため、クリエイティブ職や、見やすさにこだわりたい人には向いています。
スマホ(iPhone)との連携
iCloudを使えば、Macで作成した職務経歴書をiPhoneのNumbersアプリで確認・修正することができます。面接直前に内容を見直したり、外出先で誤字に気づいた際にスマホで修正してPDF化し、再送したりといった柔軟な対応が可能です。
Word指定がある場合の対処法
稀にですが、応募企業や転職エージェントから「添削を行うためWord形式で提出してください」と指定されることがあります。
この場合、Numbersで作成してWord形式等に変換するとレイアウトが崩れてしまうため、Numbersの使用は諦めたほうが賢明です。Googleドキュメント(ブラウザ上で使える無料のWord互換ツール)を使用するか、Mac用のMicrosoft Officeを購入して作成することをおすすめします。
Numbersは素晴らしいツールですが、ビジネス標準ではありません。そのギャップを「PDF化」というひと手間で埋めることで、Macユーザーであってもプロフェッショナルな職務経歴書を作成することは十分に可能です。





