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言語聴覚士の職務経歴書は「対象疾患」と「検査手技」で差がつく。採用担当者が評価するフォーマットと書き方

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言語聴覚士(ST)の転職活動において、職務経歴書は単なる経歴の羅列ではありません。それは、あなたが「どの領域のスペシャリストか」を証明するための臨床記録そのものです。

STの業務領域は、成人の脳血管疾患(失語・高次脳機能障害)から、摂食嚥下、そして小児の発達支援や聴覚領域まで非常に多岐にわたります。そのため、一般的な事務職向けのフォーマットをそのまま使うと、あなたの専門性が埋もれてしまい、採用担当者(リハビリ科長や施設長)に実力が伝わりません。

ここでは、言語聴覚士としての経験値を正確に伝え、書類選考を確実に突破するための最適なフォーマット選びと、評価される書き方の鉄則について解説します。

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言語聴覚士に最適なのは「逆編年体式」+「臨床経験一覧表」

言語聴覚士の職務経歴書では、直近の経歴から過去に遡って記載する**「逆編年体式」**のフォーマットを選ぶのが基本です。医療・福祉技術は日々更新されており、直近でどのような症例を担当していたかが、即戦力性の最大の判断材料になるからです。

ただし、文章だけで経歴を説明するのは避けてください。STの業務は多岐に渡るため、職務経歴書の中に必ず**「臨床経験一覧表」**(または「対象疾患・検査手技一覧」)を組み込むことが重要です。

表形式で「対象領域(成人・小児・聴覚)」「主な疾患」「実施可能な検査・評価」「経験年数」を整理して見せるスタイルが、最も採用担当者に好まれます。作成はWord(ワード)で行い、パソコンでのサマリー作成や計画書作成能力があることも間接的にアピールしましょう。

採用担当者が必ずチェックする4つの「臨床スペック」

採用担当者は、あなたの「臨床家としての解像度」を見ています。どのフォーマットを使う場合でも、以下の4つの項目は必ず数字や専門用語を用いて具体的に記載してください。

1. 施設形態とリハビリ体制

勤務先の機能によって求められるスキルが異なります。

  • 形態:急性期病院、回復期リハビリテーション病棟、療養型、訪問看護ステーション、児童発達支援センターなど。
  • 体制:リハビリテーション科全体の人数と、その中のSTの人数。「ST1名体制」であれば自走力や多職種連携力が、「ST多数体制」ならチームワークや教育経験が評価されます。

2. 対象疾患と介入の割合

STの守備範囲は広いため、自分の得意領域を明確にします。

  • 「脳血管疾患(6割)、廃用症候群(2割)、摂食嚥下障害(2割)」
  • 「構音障害、吃音、学習障害(LD)、自閉スペクトラム症(ASD)」また、担当患者数(1日平均15名前後など)や取得単位数を記載し、業務量への耐性を示します。

3. 摂食嚥下リハビリテーションの実績

成人領域への転職において、最も重視されるのが「嚥下」です。

  • 評価:嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)の立ち会い・評価件数。
  • 訓練:間接訓練・直接訓練の内容、食形態の調整・指導経験。VF/VEの実施経験や、医師への食形態提案の実績は強力なアピールポイントになります。

4. 高次脳機能障害・失語症へのアプローチ

標準失語症検査(SLTA)やWAB失語症検査などの実施はもちろん、「復職支援に向けたアプローチ」や「代償手段の獲得支援」「家族へのコミュニケーション指導」など、生活を見据えた支援内容を記述します。

【領域別】評価を上げる書き方のポイント

応募先の領域に合わせて、強調すべきポイントをチューニングします。

【成人領域(病院・施設)の場合】

「リスク管理」と「栄養管理(NST)」を強調します。

急性期でのリスク管理実績や、NST(栄養サポートチーム)への参加、看護師や管理栄養士との連携による経口摂取移行率の向上など、チーム医療での貢献を具体的に書きます。

【小児・発達領域の場合】

「検査スキル」と「保護者支援」を強調します。

WISC-IV、K-ABCⅡ、LCスケールなどの発達検査の実施・分析スキルは必須です。また、保護者面談の経験や、ペアレント・トレーニングの実践、保育所等訪問支援での連携実績などを記載します。

【訪問リハビリの場合】

「環境調整」と「生活指導」を強調します。

実際の食事場面での指導や、誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア指導、介護者への食事介助方法の伝達など、在宅生活を支えるための具体的なアクションを伝えます。

認定資格で専門性を補強する

言語聴覚士免許以外に、関連学会や団体が認定する資格を持っている場合は、必ず正式名称で記載してください。

  • 認定言語聴覚士(摂食嚥下障害、失語・高次脳機能障害など領域も明記)
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
  • 認知症ケア専門士
  • NST専門療法士
  • 公認心理師(Wライセンスの場合は非常に強力な武器になります)

自己PRで伝えるべき「STとしてのスタンス」

フォーマットの最後にある自己PR欄では、技術面以外の強みを伝えます。

  • 「食」へのこだわり「『口から食べる』喜びを最期まで支えるため、多職種と連携し、リスクとQOLのバランスを追求した」
  • コミュニケーション支援「言葉が出にくい患者様の意図を汲み取るだけでなく、ご家族にもコミュニケーション方法を指導し、退院後の孤立を防いだ」
  • 他職種連携(チーム医療)「STだけで完結させず、病棟看護師や介護士に訓練内容を共有し、日常的なリハビリにつなげた」

言語聴覚士の職務経歴書は、専門性が高いからこそ「具体性」が命です。

「VF/VEの件数」や「実施できる検査名」を明確にし、あなたが即戦力として現場で動けるイメージを採用担当者に持たせてください。適切なフォーマットで情報を整理することで、あなたの専門性はより輝きます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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