職務経歴書はコンビニ印刷でOK。失敗しないフォーマット設定と印刷手順

自宅にプリンターがない場合や、面接直前に急いで書類を用意しなければならない場合、職務経歴書をコンビニエンスストアで印刷することは全く問題ありません。むしろ、家庭用プリンターよりもコンビニのマルチコピー機の方が印刷品質が高く、ビジネス文書として見栄えの良い仕上がりになることが多々あります。ここでは、コンビニ印刷を利用する際に注意すべきフォーマットの設定と、トラブルなく印刷するための手順について解説します。

コンビニ印刷の絶対ルールは「PDF化」

WordやExcelで作成した職務経歴書をコンビニで印刷する場合、最も重要なルールは「必ずPDF形式に変換すること」です。

多くのコンビニのマルチコピー機は、Word（.docx）やExcel（.xlsx）のファイルを直接読み込んで印刷することができません。また、仮に読み込めたとしても、自宅のPCとコピー機の環境が異なるため、文字化けしたり、改行位置がずれてレイアウトが崩れたりするリスクが非常に高いです。

作成したフォーマットをコンビニで完璧に再現するためには、PCやスマホ上で「PDF」として保存し、その画像化されたデータを印刷機に送信するのが鉄則です。

印刷で失敗しないフォーマットの設定

コンビニのコピー機は高性能ですが、家庭用とは異なる仕様があります。印刷ミスを防ぐために、フォーマット作成段階で以下の設定を確認してください。

1. 余白（マージン）を広めにとる

コンビニのコピー機には「印刷不可領域（フチ）」があり、用紙の端ギリギリまで文字が入っていると、印刷時に切れてしまうことがあります。上下左右の余白は「20ミリ（2cm）」以上確保しておくと安心です。特にページ番号（フッター）が下すぎて切れてしまうケースが多いため、少し内側に配置するよう調整します。

2. 用紙サイズはA4に設定する

職務経歴書の標準サイズはA4です。フォーマットの設定がB5やレターサイズになっていないか確認してください。異なるサイズで作られたデータを無理やりA4で印刷すると、縮小や拡大がかかり、全体のバランスが悪くなります。

3. フォントと文字の濃さ

コンビニのレーザープリンターは細い線もくっきりと出ますが、薄いグレーなどの色は読みづらくなることがあります。文字色は「黒（自動）」または「K100%」にし、フォントは明朝体やゴシック体などの標準的なものを使用することで、かすれのない美しい書類になります。

コンビニ印刷の具体的な利用手順

コンビニで印刷する方法は大きく分けて「ネットプリント（アプリ）」と「USBメモリ」の2通りがあります。

1. ネットプリント（アプリ）を使用する場合

スマホやPCからクラウド上にデータをアップロードし、予約番号を使って店舗で印刷する方法です。ケーブルやメモリが不要で、最も手軽です。

• セブン-イレブン：「かんたんnetprint」アプリを使用。
• ファミリーマート・ローソン・ポプラなど：「PrintSmash」または「ネットワークプリント」アプリを使用。

事前にアプリをダウンロードし、PDF化しておいた職務経歴書をアップロードします。発行された「プリント予約番号」を店内のマルチコピー機に入力すれば印刷できます。

2. USBメモリを使用する場合

PDFデータを入れたUSBメモリを店舗に持参し、マルチコピー機に直接差し込んで印刷する方法です。通信環境に左右されず、大量枚数を印刷する場合などに便利です。ただし、USBメモリの取り忘れには十分注意が必要です。

コンビニ印刷ならではのメリット

コンビニ印刷は単なる代用手段ではなく、品質面でのメリットがあります。

耐久性が高いレーザー印刷

家庭用のインクジェットプリンターは水に濡れるとインクが滲んでしまいますが、コンビニのレーザープリンターはトナーを熱で定着させるため、水濡れやマーカーに強く、文字がくっきりとしています。

用紙の質が良い

コンビニのコピー機にセットされている用紙は、白色度が高くコシのある上質紙（PPC用紙）が使われています。ペラペラのコピー用紙よりも厚みがあり、裏写りしにくいため、履歴書や職務経歴書として提出するのに十分な品質があります。

印刷後のチェックポイント

印刷が終わったら、その場ですぐに以下の点を確認してください。

• 汚れや黒い点がないか：コピー機のガラス面が汚れていると、書類に黒い筋や点が入ることがあります。
• ページの順序：複数枚ある場合、ページ順が正しいか確認します。
• 持ち帰り用のクリアファイル：印刷した用紙をそのままカバンに入れると折れ曲がってしまいます。必ずA4サイズのクリアファイルを持参し、きれいな状態で持ち帰るようにします。

コンビニ印刷を使いこなせれば、外出先での急な修正や、プリンターのインク切れといったトラブルにも慌てず対応できます。PDF化という基本さえ守れば、自宅で印刷する以上にプロフェッショナルな仕上がりの職務経歴書を手に入れることができます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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