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調理師の職務経歴書は「おいしさ」を数字で証明する。採用担当者が会いたくなるフォーマットと書き方

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調理師の転職活動において、職務経歴書は「腕前」と「経営感覚」を伝えるための重要なツールです。料理の味そのものは試食や面接まで伝わりませんが、これまでの経験を適切なフォーマットで表現することで、「この人は店に利益をもたらしてくれる」と採用担当者に確信させることは可能です。

ここでは、ホテル、レストラン、居酒屋、給食施設など、調理師が活躍するフィールドに合わせて、自身の価値を最大化するフォーマットの選び方と書き方の鉄則について解説します。

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調理師に最適なのは「店舗別」の逆編年体式フォーマット

調理師のキャリアは、修行した店や勤務した施設の数で語られることが多いです。そのため、基本的には直近の勤務先から過去に遡って記載する「逆編年体式」を選びます。

ただし、単に時系列で並べるだけでは不十分です。1つの店舗(または企業)ごとにブロックを分け、その店の「スペック(規模や客単価)」と、そこで果たした「役割」が一目でわかるようなレイアウトにする必要があります。作成ツールはWordが一般的です。メニュー開発の実績などを写真付きで別紙(ポートフォリオ)にする場合は、職務経歴書本体に「※料理写真は別紙参照」と記載してリンクさせます。

採用担当者が必ずチェックする4つの店舗スペック

採用担当者は、あなたが「どのような環境で調理をしていたか」を知ることで、自社での即戦力性を測ります。勤務先ごとに以下の4つの数字を必ず記載してください。

1. 業態と料理ジャンル

「イタリアン」「フレンチ」「日本料理(懐石・割烹)」「居酒屋」「集団調理(病院・学校)」など、具体的なジャンルを明記します。

2. 店舗規模(席数・食数)

「50席(テーブル30席・カウンター20席)」「1日平均150食提供」など、規模感を数字で示します。これにより、スピード重視の店か、クオリティ重視の店かが伝わります。

3. 客単価と客層

「ランチ1,500円/ディナー8,000円」「30代~40代のビジネス層が中心」といった情報は、調理技術のレベルや求められる接客スキルを判断する材料になります。

4. スタッフ体制とポジション

「キッチン4名・ホール3名」「料理長として勤務」「二番手(スーシェフ)」など、組織の中での立ち位置とマネジメント人数を記載します。

「腕前」だけでなく「数字」で実績を語る

「美味しい料理を作りました」という定性的なアピールは、職務経歴書では弱いです。調理師であっても、ビジネスマンとしての成果(数字)を盛り込むことが書類通過の鍵です。

原価率(F/Lコスト)の管理実績

「原価率を32パーセントから28パーセントへ改善」「廃棄ロス削減のために発注フローを見直した」といったコスト管理の実績は、特に料理長候補として採用される場合に最強のアピールになります。

売上への貢献

「考案した季節限定メニューが月間500食完売」「看板メニューのリニューアルにより、コース注文率が20パーセント向上」など、自分の料理がどう売上に結びついたかを記載します。

衛生管理と安全対策

「HACCPに基づいた衛生管理マニュアルの作成」「保健所検査の対応責任者」といった経験は、コンプライアンス意識が高まっている現在の飲食業界で非常に重宝されます。

業態別・アピールポイントの書き分け

レストラン・専門店の場合

技術の専門性と創造性を強調します。「ジビエの解体・調理が可能」「手打ちパスタの種類」「魚の熟成技術」など、具体的なスキル名を列挙します。

チェーン店・居酒屋の場合

オペレーション能力と教育力を強調します。「マニュアル作成による味の均一化」「アルバイトスタッフ10名の調理指導」「ピーク時の提供時間短縮への工夫」などを記載します。

給食・集団調理の場合

対応力と安全性を強調します。「アレルギー対応食(除去食・代替食)の調理経験」「刻み食・ミキサー食などの形態調整」「大量調理における温度管理の徹底」などが必須項目です。

資格欄は正式名称で正確に

調理師免許はもちろんですが、それ以外の関連資格も漏らさず記載することで専門性を補強できます。

  • 調理師免許(登録番号まで書くと丁寧です)
  • 専門調理師・調理技能士
  • ふぐ調理師免許
  • ソムリエ、利き酒師(飲料知識のアピール)
  • 栄養士、管理栄養士

自己PRで伝えるべき「料理への情熱」と「将来性」

フォーマットの最後にある自己PR欄では、スキル以外の部分を伝えます。

  • 探究心「休日は食べ歩きを行い、トレンドや盛り付けのヒントを得ている」「市場に通い、食材の目利き力を養っている」など、料理に対する能動的な姿勢。
  • コミュニケーション能力「オープンキッチンでお客様の反応を見ながら調理スピードを調整した」「ホールスタッフと連携しておすすめメニューの提案を行った」など、チームワークを重視する姿勢。

調理師の職務経歴書は、あなたの「料理人としての履歴」であると同時に、「店舗運営者としての資質」を問われる書類です。店舗のスペックと具体的な成果を数字で示すことで、プロフェッショナルとしての信頼感を醸成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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