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病院の職務経歴書は「規模」と「科目」で決まる。採用担当者が会いたくなるフォーマットと書き方の鉄則

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医師、看護師、医療事務、コメディカルなど、病院への転職を目指す方にとって、職務経歴書は単なる経歴の羅列ではありません。それは、あなたが「どの程度の忙しさ」の現場で、「どのような症例」に向き合ってきたかを証明する、いわば「臨床能力のカルテ」です。

病院の採用担当者(事務長や看護部長、部門長)は、一般企業の採用とは少し異なる視点を持っています。「協調性」や「熱意」も大切ですが、それ以上に**「即戦力として、安全に業務を遂行できるか」**をシビアに見極めています。

ここでは、病院勤務の経験を最大限に評価させ、書類選考を突破するための最適なフォーマット選びと、書き方の鉄則について解説します。


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病院への応募に最適なのは「逆編年体式」のWordフォーマット

病院の職務経歴書において、奇をてらったデザインは不要です。最も好まれるのは、**「逆編年体式」**の標準的なWordフォーマットです。

形式は「逆編年体式」が鉄則

直近の経歴から過去へと遡る形式を選びます。医療技術や制度は日々変化しており、採用担当者は「今、どの診療科で、どのような処置(または事務処理)ができるか」を最優先で確認したいからです。

手書きではなく「PC作成」を推奨

「医療現場は手書き文化」というのは過去の話です。電子カルテやレセプトコンピュータの普及により、現在はどの職種であってもPCスキルが求められます。きれいにレイアウトされたWord書類を提出すること自体が、「電子カルテの入力も問題なく任せられる」という安心感につながります。

採用担当者が必ずチェックする4つの「病院スペック」

「総合病院に勤務」「病棟業務に従事」と書くだけでは、あなたの実力は伝わりません。病院の機能や規模によって業務内容は全く異なるからです。以下の4つの項目(病院スペック)を具体的な数字や名称で記載し、あなたが働いていた環境を正確に伝えてください。

1. 病院の機能と規模(病床数)

これが最も重要な指標です。

  • 機能:特定機能病院、地域医療支援病院、療養型病院、クリニックなど。
  • 規模:病床数(全体〇床/担当病棟〇床)、1日の平均外来数。これにより、「多忙な急性期で揉まれた経験がある」のか、「慢性期でじっくり患者と向き合った経験がある」のかが伝わります。

2. 診療科と対象疾患

配属されていた診療科目を明記します。

  • 「内科、外科、整形外科の混合病棟」
  • 「循環器内科専門クリニック」さらに、「主な対象疾患:脳血管疾患(4割)、大腿骨頸部骨折(3割)」のように内訳を書くと、臨床経験の解像度が一気に高まります。

3. 人員体制と役割

チーム医療の規模感を伝えます。

  • 「看護師:日勤〇名、夜勤〇名体制」
  • 「医療事務:常勤5名、パート3名体制」また、リーダー業務、プリセプター(新人指導)、委員会活動(感染対策委員など)の役割があれば、組織貢献度のアピールになります。

4. 実施した手技・業務量

職種ごとの具体的な業務内容を数字で示します。

  • 看護師:オペ出し件数、化学療法件数、受け持ち患者数。
  • 医療事務:レセプト請求件数(月間〇件)、カルテ入力数。
  • コメディカル:1日あたりの検査数、リハビリ単位数。

【職種別】評価を上げる書き方のポイント

看護師・准看護師の場合

「リスク管理」と「重症度への対応」を強調します。

急変時の対応実績や、人工呼吸器などの医療機器管理、ターミナルケアの経験などを具体的に記述します。「インシデントレポートの提出と改善策の提案」など、安全管理への意識も高く評価されます。

医療事務・クラークの場合

「処理スピード」と「接遇スキル」を強調します。

使用していたレセコン(メーカー名)や電子カルテの種類を明記し、即戦力性をアピールします。また、患者様からのクレーム対応や、医師・看護師との連携(クラーク業務)のエピソードは強みになります。

コメディカル(技師・PT/OT等)の場合

「専門性」と「件数」を強調します。

取得している認定資格はもちろん、扱えるモダリティ(機器)のメーカー名や型番、実施件数を詳細に記載します。

異業種から病院事務へ転職する場合

一般企業から病院の事務職(総務、人事、医療事務など)を目指す場合は、民間企業のスピード感や効率化のノウハウを「病院の課題解決」に結びつけてアピールします。

  • 営業経験 → 「地域連携室での病病連携・病診連携の調整力」
  • 接客経験 → 「患者様へのホスピタリティあふれる窓口対応」
  • 一般事務経験 → 「業務フローの見直しによる待ち時間短縮やコスト削減」

自己PRで伝えるべき「医療人としての資質」

フォーマットの最後にある自己PR欄では、スキル以外のマインドセットを伝えます。

  • チーム医療への貢献「他職種と連携し、患者様の早期退院に向けて情報共有を徹底した」
  • 患者様ファーストの視点「忙しい中でも、患者様の不安に寄り添う声掛けを忘れず、信頼関係の構築に努めた」
  • 学習意欲「院内勉強会への参加だけでなく、外部研修にも積極的に参加し、最新の知見を取り入れている」

病院の職務経歴書は、あなたの「医療現場での足跡」です。

病床数や科目といった「現場の事実」を正確に記載し、そこで培った確実な実務能力と、命を預かる現場ならではの責任感を伝えることで、採用担当者に「この人なら安心して現場を任せられる」という信頼感を与えてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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