職務経歴書への図やグラフの挿入について

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を伝える重要な書類であります。その作成にあたり、ご自身の経験や実績をより効果的に伝える手段として、図やグラフ、あるいは表といった視覚的な要素を入れることを検討する方もいらっしゃるかもしれません。

職務経歴書に図を入れる目的

職務経歴書に図や表といった要素を入れる主な目的は、文章だけでは伝わりにくい情報を「視覚的に分かりやすく」伝えることにあります。採用担当者は日々多くの書類に目を通すため、要点が瞬時に把握できる書類は好印象を与える可能性があります。

実績を視覚的に示すグラフの活用

例えば、営業職の方などがご自身の売上実績の推移を示すために、簡潔な棒グラフや折れ線グラフを用いるケースが考えられます。数値の羅列よりも、視覚的にご自身の成長や貢献度を示すことができるという利点があります。

スキルレベルを示す図や表

ご自身の持つスキルを一覧で示す際に、表（テーブル）形式を用いることは、情報を整理し、見やすくするために非常に有効な手法であります。また、デザイナー職やエンジニア職の方が、使用可能なツールの習熟度などをレーダーチャートのような図で示すこともあります。

図を入れる際の注意点

ただし、職務経歴書はあくまでご自身の経歴を伝えるための「ビジネス文書」であります。図やグラフを用いる際には、いくつかの注意点があります。まず、過度な装飾やカラフルな色使いは避け、シンプルで分かりやすいデザインを心掛ける必要あります。図が複雑すぎたり、情報量が多すぎたりすると、かえって読みにくくなり逆効果となります。

一般的な職種では「表」の活用が現実的

グラフィックデザイナーなどのクリエイティブ職を除き、一般的な職種（事務職、営業職など）の職務経歴書において、凝ったグラフや図を多用することは、あまり一般的とは言えません。むしろ、情報を整理するための「表（テーブル）」を効果的に活用する方が、ビジネス文書としての体裁を保ちつつ、読みやすさを向上させる上で現実的かつ有効な手法と言えます。

ファイル形式とレイアウト崩れの確認

図や表を挿入した職務経歴書をデータで提出する場合、採用担当者の閲覧環境によってレイアウトが崩れてしまうリスクを考慮し、必ずPDF（ピーディーエフ）形式に変換してから送付することが重要であります。

読みやすさへの配慮が最も重要

図や表は、ご自身の経験を補足し、分かりやすく伝えるための「手段」であります。その使用が自己満足に終わらないよう、常に採用担当者という「読み手」の視点に立ち、ご自身の経歴が最も伝わりやすい書類作成を心掛けてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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