職務経歴書の郵送方法・封筒の選び方とビジネスマナー
転職活動において、職務経歴書や履歴書といった応募書類は、ご自身の経験や能力を伝えるための重要なものであります。その内容が最も大切であることは言うまでもありませんが、書類を「郵送する」際の封筒の選び方や書き方、提出のマナーも、採用担当者にご自身の第一印象を与える大切な要素となります。ビジネスマナーを守った丁寧な郵送方法が、ご自身の誠実さや仕事への姿勢を間接的に伝えることに繋がります。
応募書類に適した封筒の選び方
まず、応募書類は、郵送の過程で折り目がつかないよう、折らずに提出するのが基本的なマナーであります。職務経歴書や履歴書はA4サイズ(または履歴書がB5サイズ)で作成することが一般的です。これらの書類がそのまま入る大きさの封筒を選ぶ必要があります。具体的には、「角形A4号(角A4)」または「角形2号(角2)」のサイズが適しています。色は、事務的な用途で使われる茶封筒ではなく、フォーマルな印象と清潔感を与える「白色」の封筒を選ぶことをお勧めします。
封筒の表面(宛名)の書き方
封筒の表面(宛名)は、黒色のペン(ボールペンや万年筆など、にじまないもの)を使用し、縦書きで丁寧に記載します。郵便番号、住所、会社名、部署名、担当者名を正確に、省略せずに正式名称で書きます。会社名を(株)などと略すのは避け、「株式会社」と正しく記します。宛名が担当者個人の場合は「様」、部署や部門宛の場合は「御中」と使い分けます。また、封筒の左下には赤色のペンで「応募書類在中」または「履歴書在中」と書き、その文字を定規などを使って四角く囲みます。これは、他の郵便物と区別し、重要書類であることが一目で分かるようにするための配慮であります。
封筒の裏面(差出人)の書き方
ご自身の情報(差出人)は、封筒の裏面に記載します。郵便番号、住所、氏名を、封筒の中心線よりも左側(一般的には左下)に、表面よりもやや小さな文字でバランス良く記載します。また、封筒の左上には、投函する日付(または応募書類の作成日)を、漢数字(例:二〇二五年十一月十二日)で縦書きします。
書類の入れ方と「送付状(添え状)」
応募書類を郵送する際、書類だけを封筒に入れるのはマナー違反とされています。誰が、何を、何枚送付したのかを示す「送付状(添え状)」を一部作成し、これを一番上にします。重ねる順番は、上から「送付状」、「履歴書」、「職務経歴書」、そして「その他の応募書類(もしあれば)」の順が一般的であります。これらの書類一式を、無色透明のクリアファイルにまとめてから封筒に入れます。クリアファイルに入れることで、書類が折れ曲がったり、雨などで濡れたりするのを防ぐことができます。封筒に入れる向きは、封筒の表面(宛名側)と、書類の表面(送付状の書き出し側)がそろうように入れます。
切手の選び方と郵送時の注意点
封筒に必要な料金分の切手を、過不足なく貼付します。料金が不明な場合は、ご自身で判断せず、郵便局の窓口に持ち込み、正確な料金を計測してもらうのが最も確実であります。万が一、料金が不足していると、書類が返送されて提出が遅れたり、最悪の場合は応募先企業に不足分を支払わせてしまったりする可能性があり、非常に失礼にあたります。切手は、派手な記念切手などは避け、普通の切手を左上にまっすぐ丁寧に貼ります。最後に、封筒に封(のり付け)をしたら、中央に黒いペンで「〆」(しめ)または「封」の字を丁寧に書き、封をしたことを示します。
丁寧な準備が熱意を伝える
職務経歴書の内容を充実させることはもちろん重要でありますが、その提出方法という細部にまで配慮することが、ご自身の丁寧な仕事ぶりや、入社への熱意を伝えることにも繋がります。ビジネスマナーを守り、採用担当者が受け取った際に気持ちの良い状態の応募書類を提出することを心掛けてください。





