職務経歴書における「得意分野」の見つけ方と書き方

転職活動において、職務経歴書はご自身のキャリアと能力を伝える重要な書類であります。その中で、ご自身の「得意分野」を明確に提示することは、採用担当者にご自身の専門性や強みを短時間で理解してもらうために、非常に効果的な手法となります。ご自身の経験を整理し、価値を的確に伝えることが求められます。

職務経歴書における「得意分野」とは

まず、職務経歴書に記載する「得意分野」とは、単に「好きなこと」や「興味があること」ではありません。それは、これまでの実務経験を通じて培われ、他者と比較して相対的に高い成果を出せる、あるいは自信を持って遂行できる専門的なスキルや知識領域を指します。採用担当者は、この得意分野を見ることで、ご自身が入社後にどのような領域で活躍してくれるかを具体的にイメージします。

ご自身の経験から得意分野を見つける

得意分野がすぐに見つからないと感じる場合でも、これまでのキャリアを丁寧に振り返る（棚卸しする）ことで、必ずそのヒントは見つかります。例えば、日常業務の中で最もスムーズに処理できる業務、周囲の人からよく頼りにされる業務、あるいは特に高い成果や評価を得られた業務などが、ご自身の得意分野である可能性が高いであります。

得意分野の具体的な記載場所

得意分野をアピールする場所として、職務経歴書の中ではいくつかの項目が考えられます。冒頭の「職務要約」の中でご自身の専門性として簡潔に触れる方法、あるいは「活かせる経験・スキル」欄を設け、そこに「得意分野」として明記する方法があります。また、「自己PR」欄の中で、ご自身の強みとして具体的なエピソードと共に記述することも有効であります。

経験に裏付けられた記述の重要性

得意分野を記載する際、最も重要なのは、その主張に「客観的な根拠」を持たせることであります。単に「〇〇が得意です」と書くだけでは説得力がありません。「〇〇（得意分野）の知識を活かし、前職では△△という業務において□□（具体的な成果や事実）に貢献しました」といった形で、必ず具体的な業務経験や実績と結びつけて記述します。

職種ごとの得意分野の考え方

得意分野は、職種によって様々であります。例えば、営業職であれば「新規開拓におけるリレーション構築」や「〇〇業界向けの課題解決提案」、事務職であれば「業務フローの改善・効率化」や「精度の高いデータ集計・分析」、技術職であれば「〇〇（特定技術）を用いたシステム設計」などが、経験に裏付けられた得意分野の例として考えられます。

応募先に合わせて強みを調整する

ご自身が持つ得意分野が複数ある場合、その全てを羅列する必要はありません。応募先企業の募集要項を深く読み込み、その企業が現在どのようなスキルや経験を求めているのかを把握します。その上で、ご自身の得意分野の中から、応募先で最も活かせると考える分野を意図的に選び、強調して記載する「最適化」の視点が、書類選考を通過する上で重要となります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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