職務経歴書における「特記事項」の書き方と活用法|アピールにつながる記載例と注意点を解説
転職活動で作成する「職務経歴書」には、基本的な職歴・業務内容・スキルなどに加え、場合によっては**「特記事項」**という項目を設けることがあります。この欄は必須ではありませんが、うまく活用することで他の応募者と差をつけられる、いわば“+α”のアピールポイントになります。
しかし、「特記事項って何を書けばいいの?」「職務経歴書に特記事項欄が必要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、「職務経歴書 特記事項」というキーワードをもとに、記載の目的や内容、効果的な活用方法、注意点、記載例までをわかりやすく解説します。
「特記事項」とは?職務経歴書に必要なの?
特記事項とは、職務経歴書において他の欄では伝えきれない情報を補足的に記載する自由記述欄です。必ず設けなければいけないものではありませんが、記載することで下記のような目的を果たせます。
◆ 特記事項の役割
- 空白期間の説明(ブランク期間、転職理由など)
- 業務経験に直接関係しないが、応募にプラスになる情報の補足
- 業務制限(持病や通院)や勤務条件(時短希望など)の事前共有
- 取得予定の資格や学習中の内容
- 障害者雇用など特別な配慮が必要な事情の伝達
つまり、職務経歴書の中で「伝えるべきだけど書く場所がない」内容を補う欄として使われます。
特記事項に書く内容の具体例
特記事項は応募者の状況によって内容が異なります。下記に主なケース別の記載例をまとめました。
① 転職回数が多い/短期離職がある場合
職務経歴上、短期間の在籍が続いておりますが、いずれも契約社員としての雇用であり、更新のタイミングにて自己のキャリア形成のため退職しております。今回の転職では、長期的な勤務を前提とした環境を希望しております。
② 離職中の空白期間を説明する場合
2023年10月から現在にかけては、資格取得(ITパスポート)に向けた学習を継続しておりました。併せて、自己研鑽の一環としてパソコンスキルの向上や語学の学習にも取り組んでおります。
③ 業務に直接関係しないが役立つ経験
業務とは別に、地域のボランティア団体に所属し、毎月イベントの運営補助を行っています。そこでの対人スキルや調整力は、今後の業務でも活かせると考えております。
④ 資格取得見込みの補足
現在、日商簿記2級の取得に向けて学習中であり、2024年6月の受験を予定しています。
⑤ 時短勤務・障がい・病歴など、勤務条件に関わる情報
現在、通院による制限があるため、週4日・時短勤務を希望しております。詳細については面談時にご相談させていただければ幸いです。
※センシティブな情報は、記載するかどうかを慎重に判断し、「配慮してほしい」という希望にとどめるのがポイントです。
特記事項の書き方と配置方法
◆ 書き方のポイント
- 簡潔かつ丁寧な表現を意識する
- 否定的な表現ではなく、前向きなトーンで書く
- 面接で深掘りされても問題ない内容にとどめる
◆ 配置場所
- 職務経歴書の末尾(自己PRの後が一般的)
- 「【特記事項】」や「【補足事項】」と明記して見やすくする
- 必要がなければ無理に書く必要はありません
特記事項の有無で印象が変わる?採用側の見方
人事・採用担当者は、職務経歴書を通じて「採用リスクの有無」「定着性」「スキルの再現性」などを見極めています。
特記事項を活用することで、たとえば「転職が多い理由」や「ブランク期間の過ごし方」などが事前に説明でき、不明点を減らして安心材料を与えることができます。
特に懸念材料がある方は、先に説明しておくことで面接時にネガティブな印象を与えにくくなります。
注意点|特記事項でやってはいけないこと
NG例 | 理由 |
---|---|
感情的な言い訳を書く | 「上司と合わず…」などは逆効果になります |
長文でダラダラと書く | A4用紙の1~2行以内に簡潔にまとめましょう |
嘘の説明をする | 面接で矛盾が発覚すると信頼を失います |
まとめ|職務経歴書の「特記事項」でプラスの印象を与える工夫を
「特記事項」は職務経歴書における自由度の高い項目です。書く必要がない人もいますが、空白期間の説明やプラスαのアピールがある人にとっては、非常に有効なパートになります。
✅ 書く内容が明確な場合は、前向きに・簡潔に記載
✅ 応募先企業に不安を与えない配慮が大切
✅ 書かない場合でも、内容によっては面接でフォロー
職務経歴書をより説得力のある内容に仕上げるために、「特記事項」の欄も積極的に活用し、あなたらしいキャリアをしっかり伝えていきましょう。