職務経歴書に退職理由は書かない方が良い?|その判断基準と正しい対応法を解説
転職活動に欠かせない「職務経歴書」。これまでの職歴や業務内容、スキルや実績を記載する書類ですが、よくある疑問のひとつが「退職理由は職務経歴書に書かないといけないのか?」という点です。
結論から言えば、退職理由は原則“書かなくてもよい”項目です。しかし、場合によっては書いた方が良いケースもあり、判断には注意が必要です。
この記事では、「職務経歴書 退職理由 書かない」をテーマに、退職理由を記載しないことのメリット・デメリット、書かない場合の注意点、面接での対応方法まで、詳しく解説していきます。
職務経歴書に退職理由を書かなくても問題ない理由
職務経歴書は基本的に「何をしてきたか(経験・スキル)」を伝えるものであり、「なぜ辞めたか」は必須項目ではありません。退職理由を明記するフォーマットもありますが、記載を求められていなければ、書かない選択肢も正解です。
◆ 書かないことで得られるメリット
- 職歴やスキルにフォーカスできる
- ネガティブな印象を避けやすい
- 退職理由が複雑な場合に、誤解を避けられる
- 面接で直接伝えることでニュアンスが正しく伝わる
退職理由を職務経歴書に「書かない方が良い」ケース
以下のような場合は、あえて退職理由を職務経歴書に記載しないほうが良いでしょう。
● 人間関係や会社体制への不満が理由の場合
「上司と合わなかった」「職場の雰囲気が悪かった」などは、たとえ事実であっても、書面で記載するとネガティブに受け取られやすく、リスクがあります。
● 私的な事情(家族・健康など)が関わっている場合
特にセンシティブな理由(介護・体調不良・家庭の事情など)は、書類上ではなく面接で口頭説明するのが無難です。
● 複数の短期離職があり、まとめて説明したい場合
退職理由を個別に書くとマイナス印象が強まる可能性があります。職歴の流れをシンプルに見せ、面接で補足するのが望ましいです。
書かない場合の注意点とカバー方法
退職理由を記載しないことは問題ありませんが、採用担当者の視点から見れば「なぜ辞めたのか」はやはり気になるポイント。そのため、以下のような工夫をしておくと安心です。
✅ 退職理由を聞かれたときのために、面接回答は準備しておく
記載がなくても、面接ではほぼ確実に聞かれます。事前にポジティブな説明ができるように準備しておきましょう。
例(営業職から事務職への転職)
「営業の経験を通じて、お客様や社内との調整業務にやりがいを感じるようになり、よりサポートや組織管理に関わる仕事を志すようになりました。」
✅ 職務経歴書では、前向きな実績やスキルに集中
退職理由をあえて書かない分、職務内容や成果、自分の強みをより具体的に記載しておくことが重要です。
退職理由を「書いた方が良い」ケースとの比較
状況 | 書かない方が良い | 書いた方が良い |
---|---|---|
ネガティブな理由 | ✔️ | ❌ |
私的・複雑な理由 | ✔️ | ❌ |
短期離職が多い | ✔️(要工夫) | ❌ |
契約満了・会社都合退職 | ❌ | ✔️(明記すると安心) |
転職理由が志望動機に直結 | ❌ | ✔️(一貫性を出す) |
職務経歴書に退職理由を「書かない」例文
【株式会社ABC(2019年4月~2023年8月)】
職種:営業担当
業務内容:
・法人向けITソリューション営業
・提案資料作成、見積もり、契約手続きまで一貫対応
・新規顧客開拓および既存顧客フォロー
※退職理由については、面接時にご説明いたします。
または、あえて一切触れず、以下のようにまとめてもOKです。
【株式会社XYZ(2020年1月~2022年12月)】
職種:経理事務
業務内容:
・仕訳、伝票入力、月次決算処理
・請求書発行、支払管理、年次決算補助
・会計ソフト(弥生会計)使用
面接で退職理由を聞かれたときの答え方のポイント
- 事実+前向きな動機に言い換える
- 環境のせいにしない(責任転嫁NG)
- 「今後どうしたいか」をセットで伝える
❌ NG例:
「上司とそりが合わず、ストレスが溜まって辞めました。」
✅ OK例:
「人間関係に課題を感じたことで、自分のコミュニケーションのあり方を見直すきっかけになりました。今後はチームで協力できる環境で、より成長していきたいと考えています。」
まとめ|退職理由は“書かない”選択も正解
職務経歴書において、退職理由を「書かない」という選択は、状況によっては正解です。すべてを紙に書くのではなく、「面接で口頭で伝えた方が誤解なく伝わる」と判断したなら、それも立派な戦略です。
大切なのは、職務経歴書でアピールすべき内容に集中しつつ、退職理由については聞かれたときに誠実に、前向きに伝える準備をしておくこと。そうすれば、退職経験があっても、採用担当者に好印象を与えることは十分に可能です。
職務経歴書では「何をしてきたか」に集中し、「なぜ辞めたか」はタイミングを見て伝える。このバランスが、あなたの魅力を正しく伝える鍵となります。